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希死念慮

希死念慮……


希死念慮といっても様々あるわけでして、一括りにはできません。


自殺念慮という言葉もありまして、一応希死念慮と自殺念慮は区別され、自発的に表明するかしないかは別として、どちらかと言えば希死念慮はしんどいなあ、生きてるのやだなぁ、楽になりたいなぁ、もうやだなぁ………というややぼんやりした感じですが、自殺念慮は死ぬことを繰り返し、しかも具体的に、強迫的に考えてしまう、よりリスクの高い状態を言います。


また、自傷行為や過量服薬等はどちらかというと苦痛緩和のための自己治療的行為で、自殺念慮というよりも希死念慮に近いのですが、反復されアディクティブなものになりやすく、反復されるうちに「もういいや……」と自殺念慮に近いものになっていくことがあります。


この15年の間に年間3万人(年間死亡者数130万人)だった自殺者数が年間2万1千人(年間死亡者数158万人)くらいまで減っていますが(未遂者53万人)、単純に減ったからよかったということではなく、なんと10代20代の若者の死因第1位が自殺なのです。


自殺者の6割がうつ状態に陥っており、15人に1人がうつ病を患っています(双極性障害を含めるともっと多くなります)。


私たちの4人に1人は本気で自殺を考えたことがあり(15歳〜19歳は3人に1人)、4人に1人は身内や知人を自殺で亡くしていると言われています。


自殺防止で大切なことはダメ絶対ではなく、死にたいを否定しない、死にたいが特別なことではないという理解です。


生きていくのが大変で、将来の希望が持てないいま………、「そりゃぁ、死にたくもなりますわなぁ」ってのがあたりまえなのです。


背景にADHDがあったり、躁うつ病があると衝動的に突然………ということがありますし、またいわゆるアスペルガー障害(自閉スペクトラム症、神経発達症)があると、死ぬことにとらわれ、そこから離れられない……なんてこともあります。


統合失調症の幻聴や妄想による自殺は稀で、うつ状態によるものが多いのです。


強迫観念としての希死念慮というのがあって罪業妄想とセットになっていたりしますが、背景に発達障害があったりすることも珍しくありません。


アルコールや薬物の乱用は苦痛緩和として使用されますが、自殺リスクが非常に高くなります。


また、虐待やDVなどの被害を受けてきた方々のほとんどがCPTSDを抱えていますが、生きる力や回復する力を奪われ、あたりまえに希死念慮や自殺念慮を抱えています。

このような方々のなかにも背景に発達障害や軽度知的障害が隠れている方々がいます。


高齢者のなかには「早く死にたい」とか「早くお迎えが来て欲しい」とおっしゃる方々がたくさんいます。

高齢者の多くは慢性疾患を抱え、思うように動けなかったり、食べたいものも食べられなかったり、周囲や家族に迷惑をかけているという罪悪感を抱えていたりしますので、これ以上生きていたくないと思うのです。


実は「死にたい」と思いながらも身体は生きる方向に向かいますので、お腹も空くし、眠くもなるし、ウンチもおしっこも出るし、あ、そういえば……と用事もこなしたり、病院にも行ったりします。


このように希死念慮や自殺念慮は3階建て4階建てになっていたりしますので「もう、死にたい」はそう単純ではありません。


もっと詳しく知りたい?


はい、ウチにおいでよ(*^^*)




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