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ヘルシーなおっぱいと筋肉見放題! 映画「ベイウォッチ」(感想)

 ジャケットにドウェイン・ジョンソンが写っていたので借りてきた本作。DVDのメニュー画面で初めて本編映像を見たが、多幸感に溢れててちょっと引く。パリピみたいなお姉さんとマッチョがビーチを駆けていて、ラブコメなのかな‥とも思ったけど、その服装から察するにどうもライフガードの様相。砂浜!太陽!揺れるおっぱい!筋肉! うーん‥土曜のけだるい朝でこのテンションはきつい。

開幕、朝一番の海。

 人は少なく波は黒い。ドウェイン・ジョンソンが事務所に到着し、大きく見渡して浜の様子をチェック。ふと風向旗が映り、穏やかに垂れていた旗がぴんと張りつめた瞬間、ドウェイン・ジョンソンは海へ振り返る。カイトサーフィンの客がいたのだ。

 風にあおられるパラグライダーが(駆け出すドウェイン・ジョンソン)、落下(走るドウェイン・ジョンソン)、岩に打ち付けられ(走るドウェインジョンソン)、意識なく漂うサーファー(飛び込むドウェイン・ジョンソン)。

 海の中で手早くサーファーを確保して抱え上げ、岸辺にあがるドウェイン・ジョンソンのドアップ。ゆっくりとカメラが引くと、その背には朝日を吸って淡いグリーンに染まった海。そして海面からしぶきをあげて「BAYWATCH」の文字がドォーーーンン!!!と浮かび上がり、イルカがピョォーーーンン!!! 

 もう爆笑。派手で軽薄な感じ、スキ!!!!

ずっと不穏

 すがすがしいオープニングのあと、生意気な新入りマッチョやお色気実業家が現れ、浜にはドラッグが打ち上がり何やらドラマが始まりそうな予感。‥が待てど暮らせど始まらない。おっぱいが沢山ポヨンポヨンしたり筋肉が沢山ムキムキするからいいっちゃいいけどね! どうせなら! 不穏な空気出すのはもうちょっと後にしといてよ! ポヨポヨムキムキしてる間、「あれどうなったんかな‥」って思い出しては気になる。

 明らかに何かが起こり始めてから、細かい描写でちらちらとそれを予感させられる。が、「もしかしてあれは、こういうことかな?」という予想が大方全部、、当たってるんかーーい!!! 感覚的には良くも悪くもサクサク進める難易度低めの脱出ゲーム。もうサックサク。

期待していたよりちゃんと面白い

 めちゃくちゃどうでもいい下らないジョークを、ちゃんとあとから意味をもった伏線として回収してくれるから、無駄なもの見せられたな‥という気持ちにならなくて済む。

 登場人物の心境の変化が唐突すぎて「まあ‥こういう思いに至ったんだろうな」と想像しながら観なくてはならないところは、物語に影響する重要な葛藤であるだけに残念だけれども、それでも、あの時はこう捉えていたジョークが今は違う意味に取れるぞ、といった表現で心境変化の結果を見せてくれる。その表現自体はめちゃくちゃ分かりやすいが、音楽や画面の軽薄さとマッチしているし鈍重にならない加減は好ましい。

 人のジェットスキーを奪って逃走する敵を追いかけるドウェイン・ジョンソンに、いつもの利用客であろう人が「これ使いな!」と自分のジェットスキーを貸して追跡を継続するところなど、このキャラクターだからこその行動というのが伴っているから、くだらなさに負けずに物語が進むしもっと観ていたくなる。

まとめ

 キャメロン・ディアスが登場しかねないちょっと古臭いギャグも多く、ドオオオオオン!!!(ド派手な画) イェエエ~~イ!!!(作り手のドヤ顔) みたいな演出が苦手な人にはこの軽薄さが鼻につくかもしれないが、私は全然オッケー!!!! 以前、ドウェイン・ジョンソンが登場する「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」を見まくったおかげで耐性が十分にできていたといえる。ちなみにこういった演出が最高に笑える映画といえば、「ファースター/怒りの銃弾」だ。ドウェイン・ジョンソン主演のこちらも是非お勧めしておきたい。


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