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許可を出すと見える景色が変わる

芝居をすることに全く興味がなかった私が、なぜか演劇のワークショップに参加することになった。今日はその話を書いてみたいと思う。

伊豆の断食道場で一人の女性と出会う

ことの始まりは、7月に伊豆の断食道場「やすらぎの里」で一人の女性と出会ったことだった。

断食初日、みんなの前で自己紹介する彼女を見て、ああ、この人と話をしてみたいと心惹かれた。

一番上は中学生、一番下は小1の男子4人のお母さん。初めて子どもたちを旦那さんに頼んで、一週間、家を空けることにしたという。「何もしないことをしに来ました」と言って笑った。ショートカットがよく似合う、さっぱりとした、それでいてあたたかい雰囲気の笑顔の素敵な女性だった。それがゆきえちゃんとの出会いだった。
話してみると初対面とは思えない感覚があって、時間を忘れて心のままに内面を語り合っていた。

実は彼女とは同じオンラインコミュニティに入っていて、彼女は、旺季志ずかさん(脚本家・演出家・作家)がそのコミュニティ内に投稿した写真に写っていた。だから彼女のことは、会う前から一方的に知っていた。ただ、目の前の彼女とあまりに違っていたため、私は同一人物だと気づかなかった。その写真の中の彼女は髪が長く、フワッとしたロングスカートを履いていて、女性らしい柔らかな印象だった。

偶然、その時期に旺季志ずかさんとHAPPYちゃんに会った彼女は、それぞれから言葉をもらっていた。

「あんた、自分の強さを嫌ってるやろ」

「ふんわりを装っているけど、本質はもっとはっきりした人のはず。外見と中身が違う」

そのタイミングで、旺季志ずかさん主宰のBSD(Brilliant Soul Design)ミュージカル&アクティングスクールの募集が目に止まった。

BSDとは、芝居と意識について、5ヶ月かけて学んで体験するスクールで、ゆきえちゃんは、芝居を通して自分の魂のデザインを見つけ出すというテーマに惹かれた。自分の魂のデザインを生きていいのであれば、挑戦してみたいと思った。

やすらぎの里に滞在中、オーディションの合格通知が届いた。
彼女は変容のときを迎えていた。本当の自分を現そうとしていた。
私は、これから彼女の人生に面白いことが起こっていくだろうと感じて、すごいタイミングで出会えた幸運に感謝した。

強さとは弱さを隠さないこと

この5ヶ月でゆきえちゃんがどのような変容を遂げたのか見届けたいと思い、私はBSDの卒業公演(2020年11月25,26日)を観に行った。

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(写真は稽古の様子)

BSDのスクールには、自分を表現したい、自分の魂のデザインを知りたいと願う人たちが集まった。参加者の中には演劇経験者もいたが、ほとんどが演劇初心者だった。

卒業公演は、オープニングのダンスから始まり、シリアスなものからコメディまでバラエティ豊かな脚本による”二人芝居”が次々と展開され、最後は全員で力強く歌を歌いあげた。
素人が5ヶ月でこれほどの芝居ができるようになるのかと思うような素晴らしい出来で、ゆきえちゃんをはじめ、皆、芝居を通して自分を表現できる喜びにあふれていた。そして、内側から光を放っていた。

ゆきえちゃんは、公演前に「自分たちの力でなんとかチケットを完売したい!満席の会場でお芝居をしたい!」と、毎日ライブ配信をするというチャレンジもしていた。ライブ配信では、芝居の見どころを伝えるだけでなく、自分の内面の葛藤もさらけ出していた。そんな彼女に魅了されたのは私だけではなかった。

そして、ナンバーワンの集客をして「応援されたで賞」を受賞。

旺季志ずかさんからは、
「彼女の素晴らしさは”強さ”。『強さを隠すな。なにセレブの奥様風の恰好しとるねん。嘘つくなや』と私が言ってから、彼女は変わりました。強さというのは弱さを隠さないことです。繊細な弱さも隠さずに配信で自分の葛藤を告白し続けて、お客様を魅了し、ファンクラブができました!」
という言葉があった。

怒りは美しい

そのBSDの卒業公演から一週間。
まだまだホットな体感が残っているBSDメンバー4名によるシェア会に参加した。

5ヶ月間、自分ととことん向き合い、魂のデザイン通りに生きることを許可した4名は、個が立っていて、パーンとしたエネルギーを放っていた。そのエネルギーに触れるだけで気持ちよかった。

やすよちゃんが、怒りを表現するレッスンで起こったことについて語った。

レッスンでは、表現する人と観る人の2グループに分かれ、やすよちゃんはまず観る人になった。
泣き叫びながら、顔を歪めながら、怒りを爆発させる人たちを目の当たりにしたとき、見たくないと思った。でも、次の瞬間、自分の中から湧き上がってきた声をキャッチした。

「私、怒りたいよね」

自分の怒りに許可が下りたとき、目の前の景色が180度ひっくり返った。地獄絵図のような光景が美しく見えた。怒りは美しいという体感が起こった。

感情に許可を出し、解放してみたい

エンちゃんは、怒りを出すのが苦手だったと言った。

私もそうだった。子どもの頃から感情表現が苦手で、特に怒りは一番苦手だった。いまだにその傾向は残っている。
目の前に相手がいなくても、大人の私が子どもの私をなだめて、感情的になるのを禁止してきたが、たくさんの学びを通して、少しずつ怒りを出すことに許可を出せるようになってきた。

「感情に、いい・悪いはない」

「感情はアートだ」

何となく分かってきたが、まだそこまでの体感がないから腑に落ちるまであと一歩な感じ。
やすよちゃんの体験を聴いて、芝居は役を通して様々な感情表現をするから、体感が起こりやすいかもしれないと思った。怒りを美しいと感じたやすよちゃんが羨ましかった。

私も芝居のワークショップに参加して、感情に許可を出し、解放してみたい。そんな望みが湧いた。

シェア会で私の隣に座っていたのはマミさんだった。旺季志ずかさんのような演劇の活動がしたい、参考にしたいとシェア会に参加していた。

マミさんは、BSDの卒業公演の日、エチュード(即興芝居)のワークショップを開催した。私は、そのワークショップに参加したみかちゃんから体験談を聴いていた。
エチュードの中で、「言いたくても言えなかったこと」というお題が出たとき、みかちゃんはお芝居を通して、お母さんに言いたかったことを言うという体験をして、癒しが起こり、号泣したという。

私も、心理学系のワークショップで同じような体験をしていたことを思い出した。

そのワークショップの中で、息子の友達のお母さんに言いたくても言えなかった過去の痛みが蘇った。
そこで、参加者の方に相手役をやってもらい、その場面をやり直して、言いたいことを言うというワークをした。
芝居だと分かっていても、怖くて声が震えた。
講師の方の誘導のもと、目をつぶって深呼吸してから再び挑戦。
すると、私に癒しが起こっただけでなく、観ていた人の中に似たような体験をした方々がいて涙していた。

私にとって芝居は無縁の世界で、自分には関係ないと思っていたが、芝居の持つ力や可能性を感じ、私もマミさんのワークショップに参加してみたいと思った。

本音で生きると最善が起こる

すると、なんとマミさんが12月20日にエチュードのワークショップを開催するという告知をしていた。

望みが叶うスピードが速い!
と思って喜んだのも束の間、20日はインタビューの仕事の予定が入っていた。今回は、一日で3人の方にインタビューすることになっていた。リスケジュールするにしても影響が大きい。しかも、自分の遊びのためにリスケするのか。マミさんが、「来年もまたワークショップをやります」と言っていたから、今回は諦めようか。

「何も気にしなくていいのなら、本当はどうしたい?」

これは迷ったときに必ず自分にする質問。自分の気持ちを確認すると、「気持ちがホットなうちにエチュードのワークショップに参加したい!」というのが私の答えだった。

仕事を依頼してくれた友人に、正直に自分の望みと気持ちを伝える。すると、友人から「伝えてくれてありがとう」というメッセージと共に、「私もこのワークショップに参加したい。自分の感情を抱きしめてあげたい。リスケしましょう」という返事がきた。本音で生きると、周りの人たちにとっても最善なことが起こっていくんだと改めて感じた。

こうして私と友人はエチュードのワークショップに参加することになった。

長くなったので、ワークショップの感想と気づきはまたの機会に 笑。




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