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THANKS DRESS SHOW ~ありがとうを伝えたいあの人と一緒にドレスを着る~ ②

こちらの記事のつづきです。

ドレスイベントのアイデアが降りる

2022年4月、
aicoさんというデザイナーの
bom bomドレスと出会った私は、
彼女のドレスを着てみたい
という衝動に駆られた

早速、その場でaicoさんに声をかけて
私の思いを伝える

聞けば、
三重在住とのこと

ドレスを着るには
三重に行くか
出張で関東に来てもらうかの
二択になる

一人で着るより
何人かで着た方が
気分も盛り上がりそう

じゃあ、
aicoさんのドレスを着る
イベントをしようかな

私は久しぶりに
イベントを主宰したくなった

でも、
単にドレスを着て
写真撮影するだけでは
ときめかない

せっかくだから
このドレスで
何か面白いことしたいなぁ

うーん、
いくら考えても
アイデアが降りてこない

そこで、
いったん寝かせることに

そんなある日、
友人のみかちゃんから
連絡が入った

「aicoさんの
bom bomドレスを着るイベントに
参加するんだけど、
よかったら一緒に参加しない?」

えーっ!?

それ、
私が着たいと思ってたドレス!!

そんなこととは知らずに
ふと私のことが頭に浮かんだから
声をかけてみたとのこと

思いがけない展開に驚きつつも
私はすぐに参加を決めた

このショーに参加したら
イベントのアイデアも一緒に
降りてくるような気がした

ドレスイベントを主宰するkeyさんは
ヨガのインストラクターだった

その生徒さんである
70代の女性が
ドレスを着ると聞いて
心が動く

keyさんが
「ぜひドレスを着てほしい」
と思って
声をかけたらしい

さらに、
aicoさんから
母、娘、孫の三世代で
ドレスを着た話を聞く

その組み合わせも
素敵だと思った

ドレスと無縁の
上の世代の女性たちに着てほしい

いくつになっても
女性であることを楽しんでほしい

そんな想いが湧く

朝瞑想をしながら
「誰に着てほしい?」
と自分に聞くと、
ふいにアイデアが降りてきた

ドレスを着せたいと思ったのは
娘が幼稚園のときに
2年間担任をしてくださった
Mikako先生

子どもたちへの温かなまなざしと
愛と信頼に根差した保育が印象的で
親子で大好きだった先生

娘がこの4月から
同じ保育の道に進んだと知ったら
きっと喜んで下さるような気がした

そんなMikako先生に
感謝の気持ちを込めて
ドレスを着る機会をプレゼントしたら
どうだろう

年齢はおそらく
私と同年代くらい

この歳になると
なかなかドレスを着る機会も
ないはずだから
いいかもしれない!

そこから
イベントのイメージを
どんどん膨らませていたら
気づいたら鳥肌が立っていた

イベント当日を
妄想の中で味わって
感動して涙ぐむ私

わぁ、
これやりたいなぁ

まずは実際に
aicoさんのドレスを着て
体感をセットしよう

そう決めた

その場でドレスを創り上げる即興ドレスショー

そして、
待ちに待った6月7日

aicoさんが
8名のモデルたちと
bom bomドレスを
即興で創り上げていく
ドレスショーが開催された

事前に私たちが送った
顔写真をもとに、
aicoさんが
ドレスの色を決めていた

ドレスに合わせて
aicoさんが手際よく
モデルたちにメイクを施す

絵描きでもある
aicoさんにとって
人の顔はキャンバスと同じ

キャンバスに
色をのせて
美しい絵を描いていく

口紅で印象は決まるから
リップの色は
ドレスが完成してからに

会場である
Luana Beachのオーナーさん手作りの
美味しいオーガニック弁当で
腹ごしらえをしたら
いよいよ即興ドレスショーの
はじまりはじまり〜

まずは、
ショーに出る順番を決める

「よし、行ってしまえ!」
の直感が来て、
私は思い切って
トップバッターに名乗りを上げた

勢いはあったものの、
いざライブ配信が始まると
少し体に緊張が走る

すると、aicoさんが
「なんか緊張するなぁ」
とつぶやいた

あぁ、そうだ

aicoさんにとって
即興ドレスショーは
初チャレンジ

緊張しているのは
私だけじゃなかった

彼女が
言葉にしてくれたおかげで
緊張が和らぐ

私のテーマは「モード系」

ドレスの色はグレー

円筒状の紙を
身にまとった私の胸元に
まずはメインとなる
大きいパーツを当てる

ひゃあ!!!

大きいパーツを
一つ当てただけで
一気に気分が上がった

パーツがピタッとハマる
位置を見つけて
ホチキスで止めていく

パリコレのモデルになったような
西洋の貴婦人になったような
不思議な感覚に包まれる

ノリのいい音楽に
体を委ねながら
ドレスを共同創造していく

大阪のイベントでは
完成した状態の
bom bomドレスを見た

それはそれで
とても素敵だったけど、
その過程を見せてもらって
一緒に味わえるのは
想像以上にエキサイティングな体験だった

aicoさんの
インスピレーションで
あっという間にドレスが完成

もっと色をのせて
華やかにすることもできたけど
「このシンプルさが美しい」
と私たちは二人ともそう思った

これぞ
引き算の美しさ

ついつい
色々と足したくなる私に
ピッタリのアート作品が
出来上がった

髪型もキュッとまとめて
スッキリスタイル

モード系Yukikoの完成!

うん、いいじゃん!笑

友人たちが撮ってくれた写真を
あとから見返したら
ドレスが完成に向かうにつれて
私の表情が
どんどん晴れやかになっていた

嬉しそうだな、私

なんなら子どものように
はしゃいでるし

そして、
ショーがすべて終わったあとに、
紙のパーツを
ふんだんに付けた
カラフルバージョンも
体験させてもらった

ドレスの印象がガラリと変わり、
それに呼応するように
気分も明るくポップに

へぇ、
こんなにも変わるものなのか
と変化が面白かった

女性はいくつになっても美しくありたい

8名のモデルたちは
aicoさんの手で
次々と魔法がかけられて、
一人ひとりにピッタリな
色とりどりのドレス姿に
変身していった

そんな女性たちの
変容ぶりを目の当たりにして
ドレスやヘアメイクの力を
改めて思い知る

女性はいくつになっても
美しくなったら嬉しいもの

美しくなると
心模様が変わるから
たたずまいやしぐさまで
勝手に変化してしまう

それを最も強く感じたのは
最年長77歳のモデル
ノブコさんが
ドレスを着たときだった

ノブコさんは
今回のイベント主催者keyさんの
ヨガクラスの生徒さん

ノブコさんに
ぜひドレスを着せてあげたい!

そんな思いで
keyさんはノブコさんを招待した

昔、社交ダンスをたしなみ、
車が好きというノブコさん

真っ赤なTシャツに
柄物のスパッツというファッションが
ノブコさんの個性を際立たせていて
とても格好いい女性だった

「私はババアだからドレスはいい」

最初、ノブコさんは
あまり気乗りしない様子だった

とはいえ
ノブコさんは
たたずまいだけで
強い存在感を放っていた

キュッと結ばれた口元には
強い意志を感じた

立っているだけで
様になっていた

円筒状の紙を
身にまとったノブコさんに
aicoさんが
紙のパーツを付けていくすると、
外国の女王様のような
風格と気品がにじんだ

ノブコさんの表情が
少しずつ明るくなっていく

「すごいね、すごいね」

ノブコさんは
何度もそうつぶやいた

キュッと結ばれた
口元がゆるみ
笑みがこぼれる

しまいには
手を広げてポーズを取り始めた

ドレスとヘアスタイルが完成

最後に
aicoさんが赤い口紅をひくと
ノブコさんの女性性が
一気に花開いた

鏡の中の自分に
ウットリしている姿が
何とも言えず美しかった

グレーヘアも
シワも
たるんだ肉体も
すべてが完璧だった

歳を重ねたからこその美しさが
そこにはあった

そんなノブコさんを見て
keyさんが思わず嬉し泣き

私も心が震えて涙がにじむ

友人のみかちゃんも
「あぁ、泣けちゃう」と言いながら
手で涙を拭う

「頭に紙のパーツを巻きたい」
というノブコさんのリクエストに応えて
aicoさんが即興で巻いていく

それはまるで王冠のようで
女王様にピッタリだった

そういえば、
aicoさんは
モデルさんとのこういった共同創造が、

インスピレーションの掛け合わせが
たまらなく好きだって
インタビューで語っていた

帰り際、
ノブコさんはaicoさんに向かって
「今度家に遊びに行くから」と言って、
少女のような可愛らしい笑顔で
手を振って去っていった

ノブコさんに
ドレスを着せてあげたい!
という主宰のkeyさんの
愛が生んだ奇跡だった

あの場に立ち会えたことが
私にとっても大きなギフトになった

やっぱり私も
aicoさんと一緒に
ドレスのイベントをしたい!

改めてその思いが強くなった

THANKS DRESS SHOW③へつづく


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