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as〜as…は「同じ」ではないって…知ってました?

最初に結論;asは「匹敵するくらい」

asは語源は古英語(1200年くらいまでの英語)のalswá。これがasとalso「〜もまた」になりました。(asとalsoは兄弟ということになります)
alsoにもなっていることから分かるように、asは🟰を表します。
🟰と言っても「同じ」という弱々しいイメージではダメです。
🟰は「匹敵するくらい」という力強いイメージで考えなければダメです。
asは「🟰」「匹敵するくらい」で考えて下さい。
これで全てが解決できます。
以下、説明していきます。


asは「匹敵するくらい」で全て解決

1.as〜as…は「…と同じくらい〜」not as 〜as…は「…ほど〜ではない」?

He is as tall /as I.「彼は同じ背だ/私と」(He=I)(一応⭕️)
He is not as tall / as I.「彼は同じ背ではない/私と」(この訳は❌)
この訳では「同じ背ではない」という情報だけで、どちらが背が高いのか情報がないですよね。
しかし必ずHe<Iの意味です。
ですから❌です。

そして「彼は私ほど背は高くない」ともう一つ訳を出します。
asに対して日本語は訳が2個(「同じだ」「ほどではない」)です。
しかし英語はasで同じまま。
1個です。

おかしくないですか?(おかしいのです。英語は1個。それをカバーする日本語が1個だけあるはずです。時に助動詞be toのように複数の訳でカバーしなくてはならないこともありますが、1個の英語を1個の日本語でカバーできればそれに越したことはないのでは。)

2.asは🟰「匹敵するくらい」で全て解決

さて正解です。
He is as tall /as I.「彼は匹敵するくらい背が高い/私に」……彼と私は同じ背ですね。(He=I)
He is not as tall / as I.「彼は匹敵するくらい背は高くない/私に」→「彼は私ほど背は高くない」彼は私より背が低いですね。(HeI)

今まで誰も気づいていなかった魔法の言葉は「匹敵するくらい」。
asはイコールです。
そのイコールを「同じ」という弱々しいイメージではなく「匹敵するくらい」と強いイメージでとらえるのです。
このイメージでasに完全に対応できます。

英語も1個、日本語も1個。
見事にカバーできました。
従来のように肯定文では「同じ」、否定文では「…ほどではない」と訳し変える必要はありません。
「匹敵するくらい」の一つで足りるのです。


3.アマゾン英文法売上ベストテンでもasは「同じ」「ほどではない」。

今売れ筋の英文法の本(アマゾンで売上ベストテン)の本の著者の誰も気づいていないくらい、皆知らない。http://ie-juku.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-b34f58.html
この記事を読んだあなたはラッキーです。
他の誰も知らないのですから。

4.asが「同じかそれ以上(≧)」???

先ほどのベストテンの中ではスタディサプリの神授業とか言っている関正生氏の「英文法大全」 P728でasが「同じかそれ以上」というのがまだ説明しようとしているという点で頑張っている方ですが(他の本は全く説明なし)、「それ以上」って…(説明しようという気概はいいが、内容が残念だと思います。元・代ゼミ、東進の西きょうじ氏も同じく「同じかそれ以上」。東進ブックス「英文法の核」P226。もちろん間違いだと思います。)

He is as tall as I.でHeはIと「同じ」か「私以上に彼が背が高い」のだそうですが(He≧I)…
Heが192cm(=元横綱白鵬)、Iが193cm(=大谷翔平)でも使えます。
“Hakuho is as tall as Shohei Otani.”「白鵬(192cm)は大谷翔平(193cm)に匹敵するくらい背が高い」…問題なしです。(asが≧なら使えないです。)

こんな暴論が出てきた理由は:
He is not as tall as I「彼は私に匹敵するくらい背が高くはない」He<I
notを取れば逆、すなわちHe≧Iになるから、それを辻褄を合わせるためにasを「同じかそれ以上」とか言ったのでしょうが、間違いです。

5.asはやっぱり🟰です。

「匹敵するくらい」で全て説明がつきます。
なら、「同じかそれ以上」なんてこじつけは不要になります。
asが「同じかそれ以上」なら兄弟語のalsoにも「同じかそれ以上」のニュアンスが残っているはずですが…
He can swim well. His sister can also swim well.「彼は泳ぎが上手い。彼の姉妹も泳ぎが上手い」……alsoは「〜もまた」「同じ」であって、「同じかそれ以上」ではないです。
alsoの兄弟語のasも「同じかそれ以上」ということは絶対にないと思います。

asの接続詞、前置詞での意味もイコール(匹敵するくらい)で全て解決

それにasは接続詞、前置詞で、いずれも多義語ではあるのですが、これも「匹敵するくらい」→「イコール」で全て説明がつきます。(asのイメージは
ここでasを「同じかそれ以上」とすると接続詞、前置詞のasの意味に矛盾が生じます。

1.「〜時」

(例文は全てジーニアス英和辞典からの引用です)
As I entered the room, they applauded.「私がその部屋に入った時に、彼らは拍手喝采した」「私が部屋に入った」=「彼らが拍手喝采した」と考えると前述の訳になります。
「私が部屋に入った、それと同じかそれ以上で、彼らが拍手喝采した」???訳分かりません。

2.「〜につれて」

As the sun rose, the fog disappeared gradually.「太陽が昇るにつれて、霧が徐々に晴れた」「太陽が昇った」=「霧が徐々に晴れた」なら確かに「〜につれて」だと分かります。
「太陽が昇った、それと同じかそれ以上で、霧が徐々に晴れた」では意味がわかりません。
asが「同じかそれ以上」というのはおかしいと思います。

3.「〜として」

As your family doctor, I advise you to eat less.「あなたのかかりつけ医として、食事の量を減らすように忠告します」「あなたのかかりつけ医」「とイコール」が「あなたのかかりつけ医という立場で」「あなたのかかりつけ医として」になります。
「あなたのかかりつけ医と同じかそれ以上」では意味がわかりません。

4.asが「〜だけれども」も🟰で解決

Asが「〜だけれども」というのもイコールで説明がつきますが、これはwhileが「〜である一方で」という対比の意味と絡んでくるのでここでは説明は回避します。
(whileがなぜ対比になるのか、はここでは無関係かと。ただ英語は2つのことが同時に起きているなら対比になります。
while「〜している間」は2つのことが同時に起きていることを表します。
だから対比「〜の一方」「その一方」を表します。
While he is respected, he is not liked.「彼は尊敬されている一方で、好かれてはいない」。
「尊敬されている」と「好かれていない」が「同時」に起きています。
それゆえ対比(=「その一方」)だとわかります。

Asはイコールですから、2つのことが同時に起きていることを表します。
それ故、asが対比の意味を表し日本語で「〜の一方で」「〜だけれども」と訳されるのです。

Men usually like wrestling, as women do not.「女性はレスリングは好きではないが、男性はたいてい好きだ」。
「男性がたいていレスリングが好きだ」というのと「女性は好きではない」というのがasで同時に起きていることが表現されています。

二つのことが同時に起きているので対比(「〜の一方で」「〜だけれども」)になっています。

あ、結局説明してしまった…。怪しいと言うならat the same timeを辞書で引いてみてください。
ジーニアスならsameで引いて、成句のところでat the same timeを見てください。

(1)同時に(2)でもやはり、けれども、と出ています。
(2)が対比の意味を表しています。)

5.asが「同じかそれ以上」は絶対にない!

asが「同じかそれ以上」ということは残念ながらないと思います。(「匹敵するくらい」なのでたまに上回ることはあるでしょうが、同様に下回ることもあるでしょう。「同じかそれ以上」はどうですかねえ。)

He is not as tall as I. とHe is as tall as I. の一見すると矛盾に見えるもののみを説明するための考え方で、それがたとえ通用したとしてもasの他の意味で通用しない。
(関正生氏の本を軽くざっと見てみたが彼はそういうことが非常に多い。
とはいえ結構頑張ってはいるので、世の中で出ている本の中ではかなりマシな方。でもこれが絶対だとは思ってはいけないので、気をつけて読むようにしたほうがいい。
あと関係詞はパクらないでください。
thatが「それのこと。それって」だったか。
かなりお粗末です。
うちのthatの考え方「そいつはね」はso〜thatでも関係代名詞でも同格でも全て通用します。
随分と差があると思います。)

いずれにせよ正しいのは「匹敵するくらい」です。

6.「〜なので」

As I didn't have any stamps, I couldn't mail the letter.「私は切手を持っていなかった」=「私は手紙を出せなかった」
これも「私は切手を持っていなかった」ということが「私は手紙を出せなかった」ということに繋がった(すなわちイコール)ということです。
ですから「私は切手を持っていなかったので、私は手紙を出せなかった」となります。
ここでもasはイコールです。
「同じかそれ以上」ではありません。

他でも「匹敵するくらい」で解決!

1. not as asがless thanになるのも簡単!

あとおまけです。
He is not as tall/as I.「彼は匹敵するくらい背は高くない/私に」
not as=「匹敵しない」ということは「劣っている」ということ。
だからnot asの部分をlessにでき、He is less tall/than I.「彼は劣って背が高い/私より」と劣等比較(=less原級のことね)で表現できる。(less=より劣って。比較級なので、比較対象の前に置く接続詞はasではなくthanに変わります。)

2.倍数表現も「匹敵するくらい」!

He is twice as rich /as I「彼は2倍に匹敵するくらい金持ちだ/私の」。倍数表現も「匹敵するくらい」なら分かる。
「彼は2倍同じくらい金持ちだ/私の」では「2倍」なの?「同じ」なの?とおかしくありませんか?「匹敵」なら非常に明快です。

as〜as…の一つ目のasは「匹敵するくらい」という訳の一択です。(2つめのasもイコールです。「彼は匹敵するくらい背が高い/私とイコールで」→「彼は私と同じ背だ」。矛盾はないと思います)

「匹敵するくらい」がasの核、本質

asは🟰「匹敵するくらい」というのがasの「本質」なので他でも全て通用します。
こういうのを本物の「本質」「核」というのです。
偽の「本質」(全てに通用する訳ではない)や「核」には注意しなくてはなりません(予備校講師などの口車に騙されないようにしましょう)。
他の科目では知りませんが、英語は相当怪しいです。
日本人の英語力が不十分だというのは有名な話です。
偽物の「本質」「核」のせいだと思いますよ。
ここに書いてあることは本物の「本質」「核」です。
ご安心を。


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