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副業で「やりがい搾取」される人/されない人の違いとは

 副業は、きちんと戦略を練らないと、「やりがい搾取」に巻き込まれる危険があると感じている。

 「金銭の報酬がいちばんの目的ではなく、自分の成長や、役に立てるという喜びが目的だ。だから、お金は安くてもいい」そういって副業にチャレンジする人はけっこういるけれど、私なんかは、「それ、本当に本当に本当に、本心ですか?」と思ってしまう。

 副業をするということは、自分の1日を、もうひとつの組織のために費やすことだ。工夫をしないと家族との時間も、今までより減る可能性もある。時間は、イコール、命。そう考えると、自分の身代金(というと大げさだけど)を差し出して仕事をするわけだだよね。

 私だったら、役に立てたのなら、それ相応の評価を金銭でも欲しい。副業した分、それが複利となって、本業にも副業にもプライベートにも良い循環が生まれるような流れを作れずに、単なる時間の切り売りに終わってしまったら、何のために副業しているんだかわからない。

 デューク大学の研究者、キャシー・デビットソンは、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に、いまは存在していない職業に就くだろう」と発表したそうだ。(出所:『働く女性のワーク・バース・バランス キャリアと出産』大葉ナナコ著 河出書房新社)

 今後どんな職業が生まれるか分からないこの時代、結婚、出産、育児など、環境の変化に右往左往しない働き方を目指しているならなおのこと、副業をすることで会社員のめんどくささが2倍になっては元も子もないのだ。

 今や会社は、ガマンしてまで食べるために続ける場所ではなく、「ポータブルスキル(持ち歩き可能な、どこでも通用するスキル)」を磨く場所として、会社という舞台を通じて自分を輝かせるためにはどうしたら良いか?を考える場所になってきている。

 個人が会社に忠誠を誓わなくなったぶん、会社もあなたを最後まで守ってはくれない。たとえ独立するつもりはない人でも、個人としての能力を磨き、会社に貢献しつづけていくことが当たり前に必要だ。

 だとすれば、「やりがいさえあればお金は二の次」で、本当にいいのだろうか? 自分の経験からしぼりだした知識を、きちんと相手に伝わる形にして、教えることができたら、「やりがいがイコール、お金」になる。そのほうが断然良くないか?

 「やりがいはお金にならない」は、思い込みだ。

 じゃあ、どんな仕事を副業にすれば、今の仕事での知識を活かして、かつ本業にも副業にもプライベートにも良い循環を生むことができるのか。私は、「教えるプロ」(講師、コンサルタント、専門家など、誰かに教えることを職業とする人の総称)として活動することを目指して準備していくのをおすすめする。

 なぜなら、今まで生きてきた中で得た知識やスキルを講演やセミナー、コンサルティング、アドバイスという形で教える「教えるプロ」は

●今まで生きて来た経験がコンテンツとなる
●空いた時間を使い自由に働くことができる
●結婚・出産・育児・介護などのライフステージの変化にも柔軟に対応できる
●店舗などの初期投資がいらない

というメリットがあるからだ。

 自分のせっかくの能力を「売れない」「どうせ役にたたない」と思っているから、「お金が二の次」という言葉で自分をごまかしていないか? 本当に「ありがとう」という言葉だけで満足しているのか? 食べていけるのか?

 もっともっと、自分の生きて来た証に自信を持っていい。 

※写真は、「さすらいのシュラスケイロ(肉を焼く人)」武藤さんがプロの技を披露するお店 BBQ610でのお肉祭り。「お肉の焼き方のプロ」が職業になる時代なんだよね。

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