見出し画像

訳あって、家族別行動。娘がくれた、“がんばらない”時間【7月31日〜8月3日 京都府京都市〜奈良県奈良市〜大阪府豊中市〜兵庫県芦屋市】

7月31日、娘旅立ちの朝。

7月最後の朝は、ドキドキの目覚め。今日は娘が3泊4日のサマーキャンプへと旅立つ日。集合は京都駅に13時。余裕を持って出発できるように、多賀のSAで眠った。しかしこれが大間違い。熱帯夜+車の排熱で超高温、さらに車の騒音も加わり、あまり良く眠れないままの目覚め。娘にとって大事な日だったのになぁ。ホテルでも泊まればよかったね、大丈夫かな。。

朝ごはんは、娘の希望のパンケーキとイチゴ。今日の日を本当に楽しみに、でもおそらく大きな緊張とともに目覚めた娘に、みんなでエールを送りながら。あぁでも、意外と堂々としてるなぁ、なんて、たのもしく感じたり。

朝ごはんも早々に済ませ、京都駅へと出発。自分でつくった名札も付けて、3日前には荷詰めも終わって準備万端のリュックを背負ってみたりして。なんだかかっこいいじゃん。あぁ、私のほうがドキドキするわ。

娘に今食べたいものを聞くと、「焼きそば!」と言うので、最後に京都駅近くにあるお好み焼き屋さん「千房」でランチ。しっかり食べて準備も万全!待ち合わせ場所へと向かう。真夏を感じさせる猛烈な暑さの京都でも娘の足取りは軽く、表情も明るい。改めて「娘は大丈夫」と自分に言い聞かせる私。集合場所には既に2組の親子と、スタッフの方が数人、待っていてくださった。「今日からよろしくね」ボランティアの大学生らしいお姉さんに声をかけられ、ニコニコうれしはずかしな娘。私の手をぎゅっと握りしめている。しばらくすると、10人ほどの子どもたちと見送りのお父さん・お母さんが集まってきた。大きな荷物を背に、暑さで真っ赤な顔をして。恥ずかしそうにお母さんから離れない子、すぐにお姉さんと仲良くなって走り回っている子、反応はそれぞれ。娘はというと、いつもどおり、じーっと周りを観察。私の手は離さないけれど、明るいお姉さんやまわりの友だちの様子に、少しだけ安心した表情を見せてくれていた。

みんなが集合すると、スタッフの方がゲームをしてくれたり、子どもたちの緊張は徐々にほどけていく。「大切なお子さんの命を、責任を持ってお預かりします」という言葉に少しドキっとしたが、そのくらいの重みをもってキャンプを遂行してくれること、とても頼もしく感じた。集合場所からバス乗り場まで、みんな自分の荷物を背負って炎天下の中歩いていく。最年少の娘も、必死でついていく。私の手はもう離して、自分の足で、しっかりと。そしてバスに到着。最後に「いってらっしゃい、楽しんで」というと、ニコニコ。息子をなでなで。バスに乗り込むときも、明るい笑顔で手を降ってくれた。そして、バスは長野県駒ヶ根へ向けて出発。こうして3泊4日、家族3人の時間がはじまった。

3人の時間、どう過ごす?

さて。うだるような暑さの京都市内で取り残された私たち。「本当に行っちゃったね」とか言いながら、近くのカフェに入って作戦会議。4日後、また京都駅へ娘を迎えに来るまでの3泊4日の時間を、どう過ごそうか。主人は髪を切りたいと言う。私もだ。旅立ちから2ヶ月でカラーリングもひどいことになっている。でも私は京都の友だちとも会いたいな。お買い物もしたい。この2ヶ月間、こういう時間が無かったねー、なんて話しながら。

でも、まずは今夜寝るところを考えなくては。この日の京都の最低気温は30度とある。息子もいるし、車中泊は体力的にキツすぎるかも…。それならば、困ったときのアパホテル。京都市内にはいくつかアパホテルがあり、なんとダブルのお部屋なら1泊ひとり3,000円というところもある。おぉ、息子は無料だし、3人で2泊しても12,000円!電話すると空いていて、予約が取れてしまった。キャンプでテント泊の娘には申し訳ない気もするけれど、ここで私たちがバテては娘を元気に迎えてあげられない。祇園のアパホテルに2泊することに決め、とりあえず暑さしのぎの見通しは立った。いやいや、京都の暑さ、半端ないわ。観光客の皆さんの顔、笑ってないもんね…。

7月31日、親友との再会

こうして少しホッとした昼下がりを過ごし、夕方には、私の中学からの親友の住む奈良へ向けて出発。約1時間、車を走らせて訪れた親友の家。再会を喜び合い、あたたかな家庭料理をごちそうになり、それぞれの歩みを語り合って。あなたが家族みんなで笑顔で暮らせている様子を見るだけで、涙が出るよ。これからもお互いの人生、とことん味わい尽くそうね。宝物のような時間を、本当にありがとう!

夜は祇園のホテルに戻り、ぐっすり就寝。娘のいない夜、彼女の今に思いを馳せ、お布団と冷房のありがたさを痛感しながら。ありがとう、アパホテル!

8月1日、それぞれの京都。

翌朝、ふと目覚めるとなんと9時!この旅一番、というか、確実にここ数年で一番の寝坊。早起き体質で毎朝6時には大騒ぎの娘がいないと、こんなにも眠れるんだねぇ〜と、主人と苦笑い。でもやっぱり、ムードメーカーの娘がいないのは、寂しいよね。スタバで朝ごはんを済ませ、この日は別行動することに決定。主人は美容院へ、私は息子を抱っこして友人とランチへ。夜は合流しようね、と約束してそれぞれの時間を過ごすことに。

キャンピングカーは都会の行動には不向きなので、この日は電車移動。私は約束の出町柳に向けて、京阪電車にゆられてお出かけ。不慣れなまちで、息子を抱っこして電車に乗るなんて、なんだか新鮮な気分。ワクワクが止まらない。少し道を間違えたけれど、約束のお店「Kroon」でライター友だちと合流し、美味しいタイ料理ランチをいただく。オンラインでは顔を合わせているけれど、滅多に直接会うことはない同志みたいなお友達と、ゆっくり過ごす幸せ。息子もたっぷり可愛がってもらい、帰り道にはフェアトレードのお店「シサム工房」でお買い物。あぁ、なんて贅沢な時間なんだろう。

友達と別れ、バスで祇園へ戻ると、もう夕暮れどき。主人と待ち合わせした四条の「Bistro C」へと向かう。さっぱりとヘアカットを済ませた主人と、息子と3人。でもなんだかデート気分。パテやアヒージョを囲んで、乾杯。くーーー、授乳中なのが悔やまれる…!!あれこれ語り合い、でもやっぱり子どもの話になっちゃうね、なんて言いながら、とっておきの夜を過ごした。ふふふ、こんな夜も、たまにはね。

8月2日、思い出の地へ。

翌朝もまた寝坊して目覚め、ゆっくりと朝ごはん。ホテルをチェックアウトして、今度はふたりの思い出の地へ。大学の4年間をともに過ごした大阪大学豊中キャンパスへ向けてキャンピングカーを走らせる。見慣れた景色が現れると、自ずとテンションも上がる。今日も半端ない猛暑だけど、毎日歩いた坂道を上る足取りは自ずと軽くなる。そうそう、この感じ、変わってない!あれ、こんな建物あったっけ?この食堂、立て直したんだねー。なんてあれこれ会話しながら、昔よく一緒に行った学食でランチを。当時より格段におしゃれになっている学食。サラダバーなんてあるんだね、やるじゃん、阪大!

そのあとも、一緒に授業を受けた理学部棟に入ってみたり、私が楽器を吹いていた部活部屋を覗いたり。今度はふたりともそれぞれに一人暮らしをしていたまち・石橋を歩く。お互いのアパートは、どちらも健在。商店街も、テナントはちょこちょこ変わっていたけれど佇まいはそのままで、しみじみうれしい。ちいさな喫茶店で休憩をして、当時はなかった銭湯で汗を流し、大好きだったお好み焼き屋さん「あきちゃん」で夕食。あきちゃんの店長ご夫妻とは、懐かしく当時の話を交わしたり。一日どっぷり、大学時代にタイムスリップしたみたいな時間を過ごした。「これも娘がくれた時間だねー、ありがとうだねー」なんて言いながら、この日は京都のRVパークで眠った。やっぱり…京都の車中泊は暑かった…!

8月3日、再集結。

翌朝はもう娘をお迎えに行く日。3泊、長いかと思っていたけれど、あっという間だった。娘にとっては長かったのかな、どうなのかな、なんて話しながら朝食を取り、私の父がとてもお世話になっている方とカフェでコーヒータイム。つながるご縁に感謝してお別れし、娘の解散場所へ。既に多くの親御さんたちが集まっていて、聞くと、まもなくバスが到着するという。鼓動が高まるのを感じながら少し遠くへ目をやると、リュックを背負い、真っ黒に日焼けした子どもたちが現れた。そして、大柄な子の影に、少し大人びた表情の娘の姿が。

「こなつーー!!」と声をかけて駆け寄って顔を覗き込むと、緊張がほぐれたのか、少し涙目に。でも必死でこらえて、最後の解散式まで笑顔でやりきった。すべてを終えた娘に「おかえりなさい」と言うと、少し涙を拭い、一呼吸置いて、急に猛烈なおしゃべりに。「お友だちできたよ、◎◎ちゃんっていうの!」「テント張ってたらすごい雨になって、お部屋で寝たんだよ」「あのね、まんぷくパーティでね、チョコバナナ食べたよ!」「見てみて、この歌覚えたよー!」矢継ぎ早にあれこれ、話をしてくれる。

このまま立ち話もアレなので、止まらない様子の娘をなだめつつレストランへ行き、また続きをひたすら聞く。次々と、声が枯れるほどたくさんの話をしてくれる娘。表情は心からの充実感と達成感にあふれている。あぁ、いい時間を過ごしたんだね、ママはとてもうれしいよ。6月、モリウミアスでの1泊体験のことを、ふと思い出す。あの時間を経て、今日の見違えるような娘の姿がある。親はただ見守ることしかできないけれど、共有してくれた感動、ママにも届いたからね。本当に本当に、良かったね。心から、おかえりなさい!!

そして面白かったのがこのあと。冬のパンフレットを私に見せてくれて「何日?」と聞く娘。「冬は5日のコースだって」と答えると、「えー、こなつ3日がいいー」と。良く良く聞くと、「4日はちょっと長かった」と、正直に教えてくれた。「ちょっとだけ泣いちゃった」とも。あはは、そうだったんだね。素直な娘の言動がかわいくてかわいくて、いっぱいいっぱい抱きしめた。冬のことはまたゆっくり、考えればいいよー。正直な気持ち、聞けて嬉しかったな。

この日の夜は、芦屋に住む大学時代の旧友の家へ。たこ焼きモーニングをいただいたり、娘も一緒に麻雀(大学時代やっていたのです)をして、また心豊かな時間を過ごさせていただいた。娘もお布団でぐっすり眠り、新たな旅への英気も養った様子。これから旅は再始動し、西へ西へと、キャンピングカーを走らせて行きます。

「がんばらない」時間を、ありがとう。

3泊4日という、娘がくれた時間。振り返ってみるとそれは私にとって、「がんばらない時間」だった。思えば旅に出てから約60日、毎日計画を立て、家族の安全と健康にいつも心を配り、夜な夜な情報発信し…もちろん楽しいことばかりだし、誰に頼まれたわけでもないけれど、やっぱりすごく、がんばっていたんだ。奈良の親友に、「日常が愛しい」と本音を話した。京都のランチでは、「疲れちゃった」と口走った。それが言えたのは、娘がこの時間をくれたから。「がんばっていた」と気づかせてもらい、「がんばらない」という贅沢を味わせてもらった。

娘へ。あなたのチャレンジは、ママの心の回復にもつながったよ。心から、「ありがとう」を贈ります。そしてまた今日から家族4人、とびきりハッピーな時間を過ごそうね。



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

10

池田美砂子

フリーランスライター・エディター、2人の子どものお母さん。人の言葉をありのままに聞くことで本質を見つめるインタビューがライフワーク。現在は主にウェブマガジン「greenz.jp」にて、「ほしい未来」のつくり手のみなさんの言葉を紡いでいます。

育休キャラバン 〜キャンピングカーで子連れ日本一周放浪の旅〜

2019年夏。家族4人、育休取って日本一周の旅路へ。0歳児と6歳児を連れて、キャンピングカーに乗って。家族の濃密な時間を、のんびり記録していきます。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。