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【映画】「美女と野獣」から学ぶパートナーシップ 〜お互いの意思決定とジョセフキャンベルの結婚観〜

【美女と野獣は不完全な二人が完全な愛を学ぶ物語】

言わずと知れたディズニーの名作「美女と野獣」。
フランスの民話『美女と野獣』に基づき1991年にディズニーが長編アニメーションとして制作。2017年に実写リメイクされて話題となりました。

主人公は村の変わり者のベルと、野獣の姿に変えられてしまった王子。二人の愛の物語です。

・母親を亡くし、不完全な愛を受けて育った二人

野獣は厳格な父親によって厳しく育てられます。
父のいうことは絶対であり、それを守ることが是となります。それ故に彼自身も父のやり方を踏襲し、自分のやり方を絶対化し、他者に対して自分の正義を押し付けるような態度をとります。

一方でベルは、寛容な父親によって自由に育てられます。
自由が彼女にとっての幸せの条件なので、常に自由を追い求め続け、町にいる現実ではなく、本の中やどこか異国の地に理想を求めます。一見すると憧れるような生き方ですが、裏を返すと今、目の前の現実にコミットメントしていないと見ることもできます。

相手への愛により自分の拠り所を手放す

野獣はベルが父に会いたい思いを尊重し、彼女に自由を与えました。それは、彼が拠り所としていた厳格さ、自分の正義の押しつけによって他者を縛る生き方を手放した瞬間でした。

一方でベルは自由を与えられたにも関わらず、野獣の元に戻ってくる選択をしました。それは、彼女が拠り所としていた自由であることにピリオドを打ち、自分の居場所を定め、そこにコミットメントした瞬間でした。

二人は共に互いへの愛によって、自分が最も拠り所としていた考え方を手放し、一緒にいることを選んだのです。

・「美女と野獣」から学ぶパートナーシップ

この関係をパートナーシップに当てはめて考えてみましょう。
自分の規律を厳格に相手に押し付けて縛るのではなく、相手に自由を与え、相手の幸福実現を支援していますか。

自分の夢や理想の未来を追い続け、自分が自由であることに終始するのではなく、今、目の前にいるパートナーとの関係性に自分の意思でコミットメントしていますか。

私が結婚する意味を考えていた時に出会い、多大なる影響を受けたジョセフキャンベルの言葉を紹介します。
「二人の関係に参入するために一人の単純明解さを手放す」
「関係性に自分を与えることは自分を失う不毛なことではなく、人生を慈しみ豊かにする経験となる」

野獣の「相手に自由を与え、相手の幸福実現を支援する」ことと、ベルの「自由(選択肢)を持ちながらも相手との関係性にコミットメントする」という選択が、良いパートナーシップの秘訣だと考えます。

ベルと野獣の関係性、そこに至るまでのプロセスにフォーカスし、是非自身のパートナーシップについて考えてみてください。


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