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川柳見聞録 #番外編2

先方が欲しがる星の扇風機
/橋爪志保「ドラムロールの肖像画」(ネットプリント)

短歌見聞録の番外編で川柳を読む、というアレの2回目。番外編がシリーズ化しつつあるのがなんとも計画性の無さが露呈してしまっている。最終的にはPCエンジンくらいラインナップがごちゃごちゃになりそう。

韻踏みがあまりに心地よくて笑ってしまう。内容はよくわからないけど、それでも全然いい。リズムだけで句としてすごく楽しい。

「先方が欲しがる」「扇風機」という、とても日常性の高いワードの間に、たった一つ「星の」が差し込まれるだけで、ここまで全体がファンタジーで不安定になるというのが面白い。

「星の」によって、「先方」「欲しがる」「扇風機」という「あるある」から「星の扇風機」「星の扇風機を欲しがる先方」という「ない」世界へ一気に読み手を誘う。そのスピード感を韻律が担う。ただそこに星の扇風機だけがある。

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