うきすけ

嶋浮介。短歌を詠みます。 短歌見聞録というシリーズ物もやってます。 日本語が好きです。

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スチール缶(2首)

 缶けりはスチール缶の方がいい 秋/00年代/低燃費  誰にでも明けない夜はいつか来てとびきり重いブルース一つ

    • かまわずにいけ なぜ俺が合っていてお前が違うと思ってるのか

      • バニラ(2句、川柳)

         人一人死んでもなり止まないバニラ  凶弾に倒れた都営大江戸線

        • 関節(2首)

           飛んでいく第二グラウンド 知らない物まねを見て笑う物まね  関節をひとつひとつ確かめるように始発駅を出ていく列車たち

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          短歌見聞録 #8

          おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海 /青松輝(ネットプリント「第三滑走路 8号」) * 現代短歌の象徴ともいえるこの歌。歌人界で賛否両論の激論が起こったのも記憶に新しい。私は衝撃を受けたとともに、短歌の可能性を目に見えて押し広げた歌として後世に残ると確信した。私は大好きです。 * 韻律のスピード感は言わずもがだが、読み手の感情、歌い手の感情で5・7・5のリズムが揺れる。そしてそれは、その人がどう「生きて」きたか、今はどう「生

          短歌見聞録 #8

          俺は断続的に賭けるのをやめた。期待するのに疲れたからだ(1首)

           俺は断続的に賭けるのをやめた。期待するのに疲れたからだ

          俺は断続的に賭けるのをやめた。期待するのに疲れたからだ(1首)

          ばかと新幹線(2首)

           ばかなやつらによってこの世は終わった、終わっていくばかと新幹線  日本と同じかたちの天国で早稲田通りを左に曲がる

          ばかと新幹線(2首)

          川柳見聞録 #番外編2

          先方が欲しがる星の扇風機 /橋爪志保「ドラムロールの肖像画」(ネットプリント) * 短歌見聞録の番外編で川柳を読む、というアレの2回目。番外編がシリーズ化しつつあるのがなんとも計画性の無さが露呈してしまっている。最終的にはPCエンジンくらいラインナップがごちゃごちゃになりそう。 * 韻踏みがあまりに心地よくて笑ってしまう。内容はよくわからないけど、それでも全然いい。リズムだけで句としてすごく楽しい。 「先方が欲しがる」「扇風機」という、とても日常性の高いワードの間に

          川柳見聞録 #番外編2

          フィルター(2首)

          息をするように雲間が太陽を隠して見せている月曜日 キス顔でフィルターを噛む 明日会ったとき横顔がよぎるだろうか

          フィルター(2首)

          コストカット(2首)

           わるい大人が夕焼けを夜にする ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー  みなさまのおかげです 枯れた噴水はコストカットの名残だそうです

          コストカット(2首)

          川柳見聞録 #番外編

          待ち人は来ずお前だけ来た /スズキ皐月「おすそ分けの日」(ネットプリント『レンタサイクル』) * 短歌見聞録の番外編ということで今回は川柳。 「待ち人来ず」というのはおみくじの代名詞だけど、それは「待ち人は来ないでしょうね」という神のお告げというか、神さん側の予想みたいなものである。 が、「待ち人は来ず」と言っているから、これは「待ち人は来なかった」という当人の断定になるので、おみくじ構文を使った嘆き、みたいなことではないか。 ではなぜ、そんな嘆いているのかと考える

          川柳見聞録 #番外編

          It's A Man's, Man's, Man's World/James Brown(歌詞私訳)

          この世界は男が回している この世界は男が回している だけど女なしでは何にもならない 分かるだろう 男は車を造り、道を往く 男は電車を造り、荷を運ぶ 男は電球を造り、街を照らす 男は船を造り、ノアのように平和をもたらす この世界は男が回している この世界は男が回している だけど女なしでは何にもならない 男は娘と息子を思う 男は玩具を造り、子供を喜ばせる そして、やること全てを尽くした後に 男は金を稼ぎ、他の男から物を買う この世界は男が回している この世界は男が回してい

          It's A Man's, Man's, Man's World/James Brown(歌詞私訳)

          アメショー(2首)

           こうやって月を見上げているときもなんて素晴らしいんだ権力  A whole new world 1才上のアメショーは700W5分で死んだ

          アメショー(2首)

          短歌見聞録 #7

          ダイイングメッセージを書く練習をさぼってる 後悔するのかも /森 慎太郎「シャッフル・ボイス」on Twitter https://twitter.com/Mori_QK/status/1469631127732518917?s=20&t=EZC0eczZ2OW2cmkehhsJ9A * 「やらなくてはいけない」ことを「やらないでいる」時、つまりサボってる時というのは、「やらなくてはいけない」ということを忘れているのではない。忘れているなら、それはサボっているのではなくて

          短歌見聞録 #7

          サンジャポ(2首)

           宮沢りえに似てるなって二〇二一年になってから言われても  サンジャポに田中みな実はもういない あるいは冬の公園の杉

          サンジャポ(2首)

          稜線(2首)

           ジープラングラー/東京タワーから続いてく道/五千点棒  稜線の浮かび上がった夕焼けを入道雲が背景にする

          稜線(2首)