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「ことばと新人賞」を受賞しました

先日、第5回ことばと新人賞を受賞しました。

書肆侃侃房Webページより転載

「ことばと新人賞」は書肆侃侃房が主催する賞で、文学ムック「ことばと」に受賞作が掲載されます。現在は、江國香織さん、 滝口悠生さん、豊﨑由美さん、 山下澄人さんと、ことばと編集長の佐々木敦さんが選考委員を務めています。

また、来年には、単行本(単著)が刊行される予定です。このnote記事を読んでいる方に、いつかお手に取っていただけるよう、これから頑張って参ります。

さてこの度、受賞作、受賞のことば、選考座談会、が掲載される「ことばと vol.7」の予約が開始になったので、こうして改めてnote記事に報告をまとめることにしました。小説を書く者としての自己紹介や、応募した理由についても書きました。

ことばと vol.7

書肆侃侃房 Webサイトより転載

自己紹介

池谷和浩(いけたに かずひろ)と申します。1979年生まれ、双子座です。栃木県立宇都宮高等学校卒。筑波大学日本語・日本文化学類卒。東京都在住で、デジタルハリウッドという教育事業会社に勤めています。現職で担当しているのはデジタルハリウッド大学(DHU)で、事業全体の統括をしています。また、24時間配信の作業用BGM「FLOW DHU」など、大学発のプロダクトの企画・制作をしています。

小説を書き始めたのは高校時代です。最初に名前が載ったのは文藝賞の一次予選通過でした。以来、文芸誌の新人賞を目指して創作をしてきました。大学時代は野田秀樹さんに傾倒し、演劇制作を行っていました。卒業後は上京して就職し、数社で教育事業に従事しながら、文芸誌への小説の投稿を続けてきました。2021年に開講した映画美学校の言語表現コース「ことばの学校」第1期の修了生です。家に2匹の猫がいます。

創作以外でつながってきた方々から、どんな小説を書いているのか、と質問をいただくようになりました。テクノロジーカルチャーと呼んでいるモチーフをよく書き込む傾向にありますが、私としては、言語芸術の作品だ、と答えるようにしています。では、それはどんなものか、ということを、作品をもって示すことができるように取り組んでいきます。発表されたら読んでいただけたら嬉しいです。

日常的にツイッターでつぶやいています。
仕事、創作、生活、猫。

https://twitter.com/iketanikazuhiro

応募理由

私が本賞に応募した主な理由は以下です。ことばと新人賞の次回応募も始まったので、これから挑まれる方の参考になればと思い、ポイントを書いておきます。

  1. 「ことばと」読者であったこと。創刊号には千葉雅也さんが川端康成文学賞を受賞した「マジックミラー」が掲載されていました。ここに掲載されるような作品を書けるようになることが近年の目標でした。

  2. 誌面掲載に加えて、単行本の刊行が約束されていること。私も勤め先で書籍の企画・プロデュースをした経験があるのですが、出版には多大なコストがかかります。単行本を出してもらえるということは大変な魅力でした。

  3. 選考委員に小説家以外の専門家が加わっていること。有名な書評家である豊﨑由美さんが最終選考委員を務めています。読み、勧めることのプロである方の視点が入っている賞で認められることには大きな意義があると考えていました。

  4. 選考会の議論が公開されること。「ことばと」には受賞作以外に、選考会の様子の書き起こしが記事として掲載されます。選評ではなく、選考委員の方々の現場での生々しい議論が読めます。最終候補まで残れたら、よりよい作品を書くための貴重なフィードバックが得られると考えました。

  5. 選考プロセスが全て作者情報を伏せて行われること。前回の賞の選考会の様子を読むと、編集長も含めて受賞作が決定するまで作者名・プロフィールを知らずに審査してきたことが分かります。中年に達している私は若い応募者と較べて単純に残された時間が少ないわけで、新人賞においては不利な局面があるというイメージを持っていました。純粋に文章だけで予断無く見てもらえることは魅力でした。

カバー画像について

この記事のカバー画像は、ChatGPT-4VのDALL-E3で生成したものです。「フルトラッキング・プリンセサイザ」の第3章をイメージしたテキストをプロンプトとして入力しました。

3人、車道沿い、高架、交番

noteのトップのカバーにしているこちらの画像も、同じく作品の一部のシーンをイメージして生成したものです。

駅舎

そういえば最近は生成AIを助手にした創作についてのつぶやきも増えてきました。

以上です。ここまで読んでくださって、ありがとうございました。受賞作「フルトラッキング・プリンセサイザ」を、よろしくお願いいたします。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。つたないものですが、何かのお役に立つことができれば嬉しいです。