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残骸

そうするつもりはないのに生活の残骸のように小説を書いてしまう。

拙い人間の拙い小説が何を元にできたのか説明してみよう。

「胎生」は、高校ニ年だった私は受験勉強のために土日含めて毎日塾に通っており、部活もほぼほぼやっておらず、非常に平たんな毎日を送っていた。

誰でもこれくらいの年になると同じような気持ちになるだろう。「同じ毎日を何度も何度もループしている」感覚。そしてそれをつまらないと感じること。


その時にこの曲に出会った。欅坂46の楽曲たちはいつも「自分を貫くことの大切さ」を強く訴えていた。Twitterを始めて長く経つ。SNSではいろんな意見が氾濫しており、正しいのか正しくないのかよくわからないままその意見に流されているようなところも正直あった。だからこそ彼女たちの音楽や表現がその時の私には刺さった。



⤴︎胎生と直接はリンクしていないが、書くときにインスピレーションを得るためによく聴いていた曲たち

当時はあまり知らなかったが、ネット上を飛び回ってると、大体これくらいの歳のときに私と同じような心情になった人が複数いることを見たり聞いたりして、やっぱりそうなんだと思った。

胎生は、水がキーポイントとなっているのだが、そのイメージの手助けとなったのは、おそらく正月に海に行った経験だ。

真冬の海。冷たく吹き続ける風と静かに波打ち続ける海は非常に印象的だった。

これを去年高校生文学コンクールに出そうと思ったのだが、締め切りに気付かず間に合いませんでした。そのままJK卒業したので願いは叶わず。まあいいです。


「チャイム」でインスピレーションの手助けとなった作品は沢山ある。

まずはこの曲。私は本を読むのが苦手なので基本的に音楽に影響されることが多い。


もともとサークルの方で、今回の部誌のテーマはあめだまと言われ、「踏み潰される飴玉(踏み潰される純粋な愛情、踏み潰される繊細な感情)」を書こうと思い、途中までうまくいったのだが、結局行き詰まってしまった。この曲の、いつ裏切られるか、壊れてしまうかは分からないけど、怖がらずに前を向いて走り出そうというメッセージや世界観を小説にしようと思ったがうまくいかなかった。

前々から愛に関するものを書こうとしていて、そういう意味ではこの映画からは色々イメージを与えてもらった。最後の方で流れる曲や曲の歌詞が最高にエモくて胸に染みる。


香港の激エモ雰囲気映画「天使の涙」。

永遠さや天国というものにイメージを変えられたのはこの映画だった。

少女のいたいけな心情のイメージをもらったのはこのアルバム。「チャイム」という曲が入っていて、その曲の歌詞とこの小説はあまりリンクしていないのだが、舞台を高校ではなく、中学に設定したのはこの曲のイメージのせいというのも多少ある。「センチメンタルじゃあね」という曲もいたいけでかわいらしい16歳の女の子の日常を描いていてエモくて良い。

⤴︎インスピレーションのためのみに聴いていた曲たち 冷たい花の「ゆりかごを揺さぶる風よ」っていう歌詞が好き。

「チャイム」という題名に決まったのは、そのあととなる。もともと、「汚れかけの天使」「天国へ」などパッとしないタイトルであり、かつ色々な方向性に進んだものの途中で行き詰まり、頭を悩ませていたところ、通学中やオリエンテーション合宿中に鐘が微かにきこえていたことがなんとなく作品に影響し始め、それが最終的な形となったのである。 

また、入っていた別のサークルに居場所のなさを強く感じはじめていた時期だったため、「居場所」というワードが凄く印象的だった。

その「居場所」と、唐突に現れそして唐突に消える教会の鐘の音や、学校のチャイムの音がゆっくりとリンクし始め、それがうまくいったのでこのような形となった。

大学入試のとき、チャイムの音が、キーンコーンカーンコーンじゃなくて、ビーーーーッ!っていう音で、それが凄く大きい音でビクンッ!ってしたこととか、チャイムに関する思い出がこの小説のテーマと色々丁度リンクしていた。

登場人物の年齢設定を高校生ではなく中学生にした理由は、高校三年生とは違って、中学三年生ってまだやっぱり純粋で、狭い世界しか知らないしぼんやりしててまだ分からない部分が多いのでそういう心情の子を書きたいと思ってそういう年齢設定にした。にしては、考えることが少し大人びちゃったかな?とは思ったのだが、まあそこは目をつぶってくれと。あとは、大学の入学式ってなると、ちょっと自分の書きたい入学式のイメージと違うなあって。やっぱりあくまで「学校」の入学式で、「教室」に机がひとつひとつ並べられてて狭い空間でっていう感じで、大学だとチャイムってあんまり印象的じゃないけど、学校だとチャイムってまあまあ大事なものだし学校の特徴の一部だし、高校の入学式がいいなあと思ったので。

最終的に、人間のどうしようもないところを表現できたかなと思う。(特に余韻は)


こんな感じでこのふたつの作品は完結したものとして書き上げることができた。

まだ案として残っている小説はいくつかある。それに関わった音楽や人もすでに沢山ある。それらを早く育たせて完結させたいと思っている。



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