夕闇通り探検隊

夕闇

1999年に発売された知る人ぞ知るPSのレアゲー。現在ではプレミア価格がついていたりするのだが、私は運よく10年ぐらい前に中古ショップで手に入れた。

 ジャンルでいうとホラーゲームであり、少年少女で街のウワサを解決していくというアドベンチャーゲーム。東京の日野市を舞台のモデルにしており、付録でついてくるマップがゲーマー心をくすぐって止まない。

 もちろんホラーゲームなので怖いのが売りであって、その部分も評価されている。しかし、個人的にはこのゲームの本当の魅力は少年少女のジュブナイル的な心情描写と箱庭のリアリティ感だと思う。

 こういうことあったよね、というあるあるから、世間の酸いと甘さを少なからず知った上で改めてプレイしてみたときに気づかされる人間の暗い部分が、リアルな生温かさをもって感じられるように思う。

 街を散歩していると、本当にその街を歩いているような気持ちにさせられる。グラフィックとサウンドが恐ろしくリアルだし、セリフのひとつひとつも生きている人間のそれのようです。

 私は深夜にエンディングを迎えた。ネタバレになるので内容には触れないが、私は信じられなくてしばしスタッフロールを見ながら茫然としてしまった。そして、この世界がもう終わってしまうのだという悲しさがあった。

 今もう一度プレイしてみたら、あの時と同じ感情を感じられるのか、正直私は自信がない。しかしまたあの空気を味わいたい、あの街に行きたいという思いに駆られる。

 私のお勧めは、ガソスタ前を通ったときのサウンドです。これから運よくプレイされる方がいたら、是非耳を澄ませて楽しんでみて下さい。

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