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沖縄旅行記 那覇前編

一日目~那覇~

飛行機から降り立った那覇の空気はやはり関西より暖かかった。
飛行機に乗った直後は大の大人とは思えないほど内心ハイテンションだったが前夜は一睡もできなかったせいで到着まで熟睡してしまっていた。

波の上宮

沖縄での最初の目的地は波の上宮だ。
沖縄総鎮守であり名前の通り波の上に建っているように見えるほど崖っぷちにある神社だ。
てっきり日本支配後の皇民化政策によるものかと思っていたが意外と創建は古く琉球王朝時代から信仰の場として存在していたらしい。
当初は空港からバスで波の上宮近くまで行くつもりだったがなかなかバス停は見つからずやっと見つけても周囲は工事中でバスが止まるような雰囲気ではない。
もうモノレールで行った方が早いだろうとあきらめて旭橋駅から歩くことにした。
旭橋駅から波の上宮まで向かう途中、偶然ではあるが天妃宮跡という場所があった。
天妃とは中国では航海の安全を守る神で、14世紀に大陸から移り住んだ人々と共に信仰も入って来たそうだ。
跡ということなのですでに廃祀されているのかと思ったが門前には水や花が供えられているところを見ると今でも信仰は続いているらしい。

沖縄に着いてさっそく沖縄の精神性に触れることができた所で波の上宮に向けさらに歩き始めたがすぐに興味を引く場所を見つけた。
青々と美しい芝生に囲まれて赤い瓦屋根が映える建物だ。
ここは先ほどの天妃に加え関帝、天尊、竜王が祀られる廟である。
先ほどの天妃宮跡と同様大陸の神が祀られているがこれはこの久米という土地が大陸からの移住者が集まって住んでいた地域だからだそうだ。
入り口に近づいてみたが部外者が入っていくような雰囲気に感じなかったので中に入るのはあきらめた。
ちなみにその向かい側には天理教の教会がある。
奈良県民は天理教の建物は見ただけでわかるのだ。
こんな南国まで来ていつもの風景を見るとは思わなかった。

波の上宮にたどり着くとまず大きな鳥居が迎えてくれる。
鳥居をくぐり上り坂を上ると拝殿があるがソテツなどの南国の木々に飾られた境内はやはり本土の神社とは違う雰囲気を感じた。
拝殿の屋根は当然赤瓦、両脇を守るのは狛犬ではなくシーサーだった。
いまこの文章を書きながら気が付いたが波の上宮を横の浜辺から見ることを忘れていた。
さきほど書いたように波の上宮は崖の上に建っている。
しかし参道から拝殿まで行っただけでは木々に遮られそれを知ることはできなかった。

参道の途中で横道にそれると神社横の浜辺に降りることができるはずだったのに、もったいないことをした。

沖縄県立博物館・美術館

続いて訪れたのは沖縄県立博物館・美術館だ。
その地域の歴史・文化を知るには博物館と美術館は欠かせない。
沖縄県では県立の博物館と美術館が同じ建物になっている。
バスから降りると見えるのは灰色の要塞。
琉球王朝時代の城(グスク)をイメージしているらしいがトーチカのようにも見えた。
博物館の展示は中心に沖縄の歴史が展示され周囲に自然や工芸などの小部屋が配置されていたが、室内を行ったり来たりする必要があるので正直展示が少し見ずらかった。
美術館はちょうど沖縄美術の流れが展示がされていた。
沖縄でもかなり早い時期から現代美術が制作されていて、本土と比べてまったく遜色ない内容に感じられた。
博物館でも国際レベルの自然史博物館の設立が目指されているようでもあり、沖縄の文化施設はかなり高いレベルにあるように思われた。

後編(玉陵・首里城・松山)に続く


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