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テレビレビュー『プリズン・ブレイク(シーズン1)』(2005~2006)一度見たら忘れられないアクの強い囚人たち


身体に刑務所の地図を彫った男

20年近く前に日本でも流行った
アメリカのテレビドラマです。

海外のテレビドラマは、
1シーズンが20話以上のことが
多いので、
(日本のドラマは10話前後)

配信で観られるのがいいですね。

主人公のマイケル・スコフィールドは、
(ウェントワース・ミラー)

冤罪で死刑囚となった兄を
助けるために、自らも囚人となりました。

彼の上半身の全面には、
タトゥーが彫られており、
この図が示すのは、
刑務所内の地図です。

マイケルは、元・建築技師で、
兄(ドミニク・パーセル)が
収監されている
刑務所の設計に携わっていました。

そのため、彼の頭の中には、
刑務所の内部構造が
手に取るようにわかります。

しかし、その刑務所が
あまりにも広いため、
すべては覚えきれず、
タトゥーを彫ったわけなんです。

このドラマでは、
兄の冤罪を晴らすべく、
刑務所の外で奮闘する人々と

獄中で兄を救うべく、
脱出を企てる主人公の話が
交互に描かれていきます。

主人公に対する
追い込み方が尋常じゃない!

以前から方々でおもしろい
と聞いてはいたのですが、

実際に観てみると、
止まらなくなるほどの
おもしろさで、

ついつい何話も立て続けに
観てしまいました。

以前、紹介した『24』も
そうでしたが、

物語の展開がスピーディーで、
毎回、「この後どうなるのだろう?」
と先が気になってしまうんですね。

それと、こういったサスペンスでは、
物語の中で主人公を追い込むことが
大事ですが、

その辺の徹底ぶりが
海外ドラマは、えげつないんです。

「こんな状況になったら、
 絶対、脱獄なんて無理だろう」
というシチュエーションが
次々に出てきます。

そういった難関を毎回、
無理なく乗り越えていくのが、
また爽快なんですよね。

一度見たら忘れられない
アクの強い囚人たち

『プリズン・ブレイク』は、
脱獄ものなので、
「刑務所」という限られた
舞台の中で物語が進んでいきます。

(外部で別の登場人物が冤罪について
 調査するパートもあるが)

そこで大事になるのが、
限られた登場人物の中で、
いかに物語を進めていくか、
ということです。

本作は、その辺りのキャラクターの
配置が絶妙でした。

いずれの登場人物にも
個性があって、
一度見たら忘れられない
インパクトがあります。

主人公のマイケルは、
物静かな青年といった印象で、
知性的な強さを感じさせます。

ウェントワース・ミラー
Wikipedia より引用)

逆に兄のリンカーン・バローズは、
野性的なルックスで、
殺人犯に間違われても無理がない
見た目ではありますね。

ドミニク・パーセル
Wikipedia より引用)

それ以外にも個性豊かな
囚人たちが次々に登場します。

特に忘れがたいのが、
セオドア・バッグウェル
通称「ティーバッグ」です。
(ロバート・ネッパー)

ロバート・ネッパー
Wikipedia より引用)

彼は連続殺人の罪で、
終身刑になった囚人ですが、
とにかく悪い奴でした。

人種差別主義者で、
バイセクシャルでもあり、
新しく入ってきた若い囚人は、
彼の餌食になってしまいます。

憎たらしいという意味では、
刑務所の刑務長を務める
ブラッド・べリックも
忘れられません。
(ウェイド・ウィリアムズ)

ウェイド・ウィリアムズ
Wikipedia より引用)

彼は、マイケルが収監された時から、
目を付けていて、何かにつけて、
突っかかってきます。

いろいろ観てきましたが、
あんなに憎たらしい顔をする
役者さんを私は知りません(笑)
(きっと、いい役者なんだと思う)

そして、このドラマを観ていて、
驚いたのが、ジョン・アブルッチです。

彼はマフィアのボスで、
刑務所内でも幅を
利かせている人物なんですが、

これを演じているのが、
ピーター・ストーメアでした。

ピーター・ストーメア
Wikipedia より引用)

私は20代の頃に
コーエン兄弟の映画をよく観ていて、
彼はそれらの映画の常連だったので、
とても馴染みがあります。

私が観ていたのは、おもに'90年代の
コーエン兄弟の映画だったので、
それよりも歳をとった感じでしたが、

相変わらず凄みのあるビジュアルで、
不気味な怖さを感じさせます。

ピーター・スト―メアは、
ただ立っているだけで怖いです。

あなたの部屋の
インターホンが鳴って、
ドアののぞき穴の中に、
ピーター・スト―メアが立っていたら、

もうあなたの命はないもの
と思ってください(笑)

それくらいの俳優です。

アメリカでは、
ドラマと映画で、出演する俳優が
割と分かれている感じがするのですが、

たまに、ドラマでも映画でも
活躍されている方も見かけると、
なんだか嬉しくなります。

若い頃から映画を中心に
観ていたので、
道端で昔の友達に
偶然会ったような感じがするんですよね。

シーズン1を観終わったわけですが、
ストーリーはまだ続いており、
先がまた気になります。


【作品情報】
2005年~2006年放送(全22話)
※日本での放映は’06~’07年
監督:ブレッド・ラトナーほか
脚本:ポール・シェアリングほか
出演:ドミニク・パーセル
   ウェントワース・ミラー
   ロビン・タニー
放送局:FOX(日本では日本テレビ)
配信:Disney+、YouTube、
   Google Play ムービー、
   Amazon プライム・ビデオ

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