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映画レビュー『THE FIRST SLAM DUNK』(2022)『スラムダンク』挫折組の私が観た感想



『スラムダンク』挫折組の
私が観た感想

『スラムダンク』は
'90~'96年に『週刊少年ジャンプ』に
連載された作品で、

当時は『ドラゴンボール』と
並ぶほど『ジャンプ』の
人気作品でした。

こうして改めて説明するのが
バカらしくなるほど、
有名な作品ですが、

私自身はそれほど、
原作を知らずに
ここまできました。

厳密に言うと、
私が『ジャンプ』を購読しはじめた
'93年頃にも連載されていたので、
読んだことはあります。

しかし、途中から読むには、
ちょっと難しいものだったので、
パラパラと眺める程度だった
と記憶しています。

また、流行っていたので、
コミックスも最初から
読んでみたのですが、

本格的に試合がはじまる
段階になると、
ついていけなくなり、
読むのをやめました。

なので、私の世代では珍しく、
私は『スラムダンク』
挫折組なのです(^^;

いつか読み直したいとは
常々思っていますが、
なんせ、スポーツマンガが
苦手なので、

未だに手が出せずにいます。

(それでも最近はいろいろと
 スポーツものも手を出している)

我が家では妻が
『スラムダンク』が好きで、
我が家にも原作が途中まで
ありますし、
(愛蔵版という大きいサイズの)

この劇場版は公開時に
妻が一人で観に行きました。

感想を聞いてみると、
「すごく良かった」ということで、
Blu-ray が発売したら、
買うと宣言していたんですよね。

そんなわけで、
今回は妻からの強い勧めが
あっての鑑賞です。

「にわか」が書いた感想と
おおめに見てもらえれば幸いです。

手描きのイラストが
そのまま動いているような

『スラムダンク』を
読んだり観たことがない人でも、
本作を観れば、
すぐにわかることがあります。

それはこのアニメの映像が
一般的なアニメとは
一線を画すということです。

この劇場版アニメは、
原作者が脚本・監督を
務めているのですが、

原作のタッチを活かした
マンガの映像が
そのまま動くような
ビジュアルになっています。

手描きの線を活かしたような
演出が随所に見られ、

特に、冒頭にある
一人ひとりのキャラクターが

線によって徐々に
浮かび上がるような
見せ方は、

原作を知らない人が見ても、
感動させられるでしょう。

湘北のメインの5人が揃う
ビジュアルは圧巻でした。

そして、いざ本編がはじまると、
特に試合の描写において、
立体的な見せ方がすごいです。

マンガのような見た目なのに、
立体感があるのです。

このような新しい見た目の
アニメーションの場合、
疲れを感じたり、
違和感を憶えるのが普通なのですが、

本作に関しては、
まったく違和感がありませんでした。

よく見ると、
メインの人物やモノが
浮き立つように、

背景のぼかし方が
よくできており、

こういう部分が
疲れずに違和感なく観られる
映像になっている
要因かもしれません。

また選手の動きは
モーションキャプチャーを
使っているようで、
現実の人間の動きと同じです。

主人公は脇役だった
宮城リョータ

『スラムダンク』といえば、

主人公の桜木花道、
そのライバルである
流川楓あたりが目立ちますし、
人気のあるキャラクターです。

しかし、本作が主役に据えたのは、
脇役のポジションである
宮城リョータです。
(桜木や流川のチームメイト)

原作では彼のバックボーンについて
スポットが当たることは
ほとんどなかったらしいのですが、

本作では彼の生い立ちと
強豪校・山王との試合を
描かれています。

とはいえ、体感的には、
ドラマ2割、試合8割
といったところでしょうか。

もちろん、原作にはなかった
宮城のドラマ部分も
魅力的ではありますし、

本作にとって不可欠な部分
ではあるのですが、
それ以上に、試合の描写が
すさまじいんですね。

特に、試合のラスト数分の
演出には、
本物の試合と同じくらい、

いや、それ以上の
クライマックス感が
ありました。

この演出について、
ものすごく書きたいですが、

まだ観ていない人には
ネタバレっぽくなるので、
やめておきます。

『スラムダンク』が
好きな人はもちろんのこと、
(そういう人はもう観てるか)

そうでない人でも
楽しめる作品だと思います。

それにしても、
原作者が監督までするって
すごいですよね。
(『AKIRA』の大友克洋以来か)


【作品情報】
2022年
監督・脚本・原作:井上雄彦
声の出演:中村宗悟
     笠間淳
     神尾晋一郎
配給:東映
上映時間:124分

【原作】

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