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コーエン兄弟との出会い

「視覚を育てるエンタメ」
と題した記事で紹介した
10作品との出会いについて
書いていきます。

この記事の中で
3つめに挙げたのが
映画『赤ちゃん泥棒』です。

この映画を監督したのは、
「コーエン兄弟」
と言われる二人の監督でした。

コーエン兄弟は、
ジョエル・コーエン(兄)、
イーサン・コーエン(弟)の
二人のことで、

彼らは、二人で、
映画の脚本を執筆し、
監督もします。

私が彼らのことを
はじめて知ったのは、
今から20年ほど前、

私が19歳か
20歳くらいの頃
だったと思います。

先週書いた、
ヒッチコックの記事にも
書きましたが、

その時代の私は、
高卒で社会人に
なったばかりの頃です。

その頃から、
映画館に足を運んだり、
レンタルショップで
ビデオや DVD を借りて、

自分で観る映画を
選ぶようになったんですよね。

そんな頃に、
レンタルショップの棚で、
気になったのが、
彼らの作品でした。

最初に観たのは、
『ファーゴ』('96)
という映画でした。

この映画は、
衝撃的な作品だったんです。

まず、この映画の冒頭では
「これは実話である」
というようなテロップが出ます。

これがくせもので、
最初に観た時は、
私は、それをすっかり
信じ込んでしまったんですが、

後からわかったのは、
その「実話である」
というのも、
フィクションの一部なんですね。

それを知った時は、
「やられた!」と思いました。

内容としては、
「狂言誘拐」を描いた
サスペンスです。

最初は「狂言誘拐」
だったはずの事件が、

犯人たちの思惑から外れて、
どんどん悪い方向に
話が進んで行く、
というような話でした。

この映画は、
とにかく、最後が衝撃的で、
かなりエグいシーンが
あるんですが、

(ネタバレにもなるし、
 エグいので、
 詳しくは書きません)

そのシーンが、
本当にあった事件を
モチーフにしている
というのもすごいですし、

(そこはホントなのかい!
 という感じ(^^;)

コーエン兄弟の
解説本を読んで、

アメリカ人は、
そのエグいシーンを観て、
劇場で大笑いする
というのを知りました。

実際、この映画は、
サスペンスなんですが、
ブラックコメディにも
分類されているんです。

いや、でも、日本人が観ると、
これはとてもコメディーには
感じられません。

こういうところに、
アメリカと日本の
感覚の違いが現れていて、
おもしろいんですけどね。

そんなわけで、
『ファーゴ』の不思議な魅力に
惹きこまれた私は、

コーエン兄弟の映画を
短期間の内に、
立て続けに
観ることになりました。

私は、昔から映画が好きですが、
意外と同じ監督の作品を
立て続けに観るということを
滅多にしない方なんです。

でも、この時代は、
ヒッチコックとコーエン兄弟は、
DVD のボックスを買って
観るほどハマりました。

コーエン兄弟の処女作
『ブラッド・シンプル』(’84)は、

その後のコーエン兄弟の
作品とは違って、
低予算で作られた
インディペンデント映画ですが、

渋い映像で、
コーエン兄弟が得意とする

「犯罪」で揺れ動く
人間の滑稽さ、浅はかさが
よく描かれた作品です。

上質な映像で、
「低予算」を感じさせません。

そして、二本目に監督したのが、
特に私が気に入っている
『赤ちゃん泥棒』ですね。

『ブラッド・シンプル』の
ハードボイルドなテイストから
一転して、

「誘拐」をテーマにしながらも、
どこか間抜けな空気感が
たまりません。

私は2015年から、
自分のブログで記事を書き、
今もこうして、
note で記事を書いていますが、

『赤ちゃん泥棒』の
映像の魅力については、
いつか書きたいと思っていながら、
未だに書いたことがないんですね。

いつか、その映像の魅力を
お伝え出来たらと思いつつ、
その気持ちを温めています。

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