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久々に『ブルータス』を読んだら、雑誌について語りたくなった

先日、コンビニで
この表紙を見かけて
思わず購入してしまいました。

雑誌『ブルータス』です。

映画特集で
『スタンド・バイ・ミー』が
表紙になっているんです。

ちょうど、今、
原作を読んでいたところで、
自分の中ではタイムリーでした。

『ブルータス』を買って読んだのは、
はじめてだったんですが、
やっぱり、雑誌はいいです。

久々にオシャレな紙面を見て、
「雑誌のことが書きたい」
と思う気持ちがむくむくと
湧いてきました。

とはいえ、私は、
そんなにたくさんの雑誌を
定期購読した経験はなくて、

10代、20代の頃は、
映画、音楽、ゲーム関係の
雑誌をよく読んでいました。

30代になってから、
デザインの勉強をして、
もっと幅広い雑誌を
手に取るようになったんです。

私が特に好きなのは、
ムック本(※)なんですよね。

(※ムック本:mook。
  magazine + book で mook。
  書籍と雑誌の中間に位置する本)

雑誌もムック本も
いろいろ読んできました。

その手のもので、
お気に入りの本も
紹介したいのですが、

その前に、
日本の雑誌の歴史について、
ザッと紹介してみます。

*   *   *

日本の雑誌の歴史を語るうえで、
外せない雑誌が三つあります。

これは私の個人の好みとかではなく、
一般的にそう言われているようです。
(特にサブカルチャー方面で)

その三つの雑誌とは、
『宝島』『ポパイ』『遊』の
三誌です。

また、世界的にデザインや
出版業界に多大な影響を
与えたアメリカの雑誌が
ありました。

'68年に創刊された
『ホール・アース・カタログ』です。
(日本語では『全地球カタログ』
 とも呼ばれる)

『ホール・アース・カタログ』は、
当時、アメリカの西海岸を
中心に台頭してきた
(特にサンフランシスコ)

ヒッピー(※)向けの雑誌でした。

(※ヒッピー:'60年代後半に登場した
  アメリカのカウンターカルチャーを
  巻き起こした若者たちのこと。
  「反戦」「自由」などの思想を掲げた。
  アートやファッションの分野にも
  多大な影響をもたらした)

『ホール・アース・カタログ』は、
ヒッピーの生活に役立つ
さまざまな知識やアイテムが
カタログ化されたものです。

紙面を格子状に区切った
「グリッドシステム」による
整然としたデザインは、

すべてタイプライター、
ハサミ、ポラロイドカメラで
作られたものでした。

まだパソコンもない時代で、
もちろんインターネットもない
時代ですから、

このような知識をひとまとめにした
紙面は人々に衝撃を与えました。

現在では、同誌に対して、
「グーグルを先取りした存在だった」
という意見もあるほどです。

ちなみに、アップルの創業者、
スティーブ・ジョブズが
'05年のスタンフォード大学
卒業式のスピーチで放った

「Stay Hungry, Stay Foolish.」
(貪欲であれ、愚かであれ)
という言葉も、
この雑誌から引用されたものです。

(上記の言葉は同誌の最終号の巻末に
 掲載された言葉)

そして、先ほど、挙げた
日本の出版史において
重要な三冊の雑誌も

『ホール・アース・カタログ』に
影響を受けて作られた
雑誌だったのです。

ここから
『宝島』『ポパイ』『遊』について
書きたかったのですが、

長くなってしまうので、
次の記事に改めます。

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