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心霊スポットに行って散々な目にあった話①

私はここ15年程霊障に悩んでいる。
はっきり原因はわかっている。あの森だ。
周りからは精神科行けとか、お祓い行ったほうがいいよとか言われるが
はっきり言って試せるものは全て試した。
一番何とかしたいのは私だ。もう見えても黙っているからほっといてくれ。

さて、今回は霊障の原因となった森の話を2話に分けてしたいと思う。

今までの人生文を書いてこなかった為、読みづらいかもしれない。ご了承願います。

詳細は伏せるが、i県にある全国屈指の心霊スポットに行った。
その当時は20歳の8月21日だったとはっきり覚えている。

数か月前に職場に転勤してきた先輩の心霊大好きYさん。
夜間点検の業務を終えた深夜1時。
Yさんはi県に転勤になって絶対に行きたい心霊スポットがあると
転勤してからずっと熱く語っていた。

私自身も興味がなかった訳ではないので行きましょうと二つ返事をした。

Yさん自慢のハイエースに乗り込み森に向かう。
車内では深夜テンションの為かお互いが知っている怖い話をしながら
40分の道のりを笑いながら進む。

途中買いたいものがあるとYさんはコンビニに立ち寄り5分程で出てくる。
車に戻ってきたYさんは興奮気味に
「コンビニの定員に〇〇の森って心霊スポットに今から行くんですよ~
って言ったらあそこだけはやめといたほうがいい。絶対後悔しますって言われたんだけど」と、ニコニコしながら話してきた。

私もまっさか~みたいな反応をしたが内心ではめちゃくちゃビビっていた。
一応地元民なので森にまつわる話は何度も聞いたことがあったし、実際に行った人から体験談を聞かせられたこともある。

どの話の終わり方も決まっている。
絶対に行かないほうがいい。
面白半分で行くべきではなかった。
そんな具合だ。

そんなことを考えているうちに着いてしまった。
辺りに街灯はなく、ボロボロの慰霊碑山道入口の木製の看板が
目に入る。
真っ暗な山道を月明りが照らしており、世界はこんなに静かなものなのかと思った。
その時は気づきもしなかったのだが、虫の鳴く声や隣に大きなダムがあるというのにカエルの声すらしなかったのである。

完全に興奮してキマッているYさんがコンビニ袋を持ち、車内から手持ちライトを取り出す。
Yさんのいくかー!という大声にビクッとしながら遂に人生を狂わせる慰霊碑への旅が始まる。

山道は坂道になっており、500メートル程で頂上にある慰霊碑にたどり着く。
前日の雨で水を吸った地面は乾ききっておらず、たまにぐちょ。ぐちょ。
と不快な足音が鳴る。
暗闇でライトの明かりだけを頼りに進むが、よく考えれば夏の深い森。熊や猪が出てもおかしくない。
そんな恐怖とも戦っていた。

100メートル程進むと苔の大量に生えた石畳の歪な階段が見えてくる。
やっと人間らしい道を進むことが出来ると歓喜したのもつかの間。
石畳の両脇には赤い帽子と赤い前掛けをつけたお地蔵様がびっしり並んでいる。まるでその階段を進む人を守るか監視しているかのように異様だった。

Yさんがお地蔵様を見て携帯で写真を撮り始める。
終始すげー!とか、こえー!とかはしゃいでいた。
中には人為的に壊されたと思われる頭の無いお地蔵様もあり、なんて罰当たりな人がいるんだろうとか考えていた。
そうこうしながら更に100メートルは進んだだろうか。

さっきまで超ハイテンションのYさんが
「えっ?」と言い、急に無言になる。
かとおもったら突然走り出し、階段をものすごいスピードで駆け上がる。

突然の事で訳が分からない。
心霊スポットで一人が走り始めると全員が走る現象ありますよね。あれです。
Yさーん!まってー!
必死に追いかけるのだが、先に走ったYさんには追い付かない。

追いかけて登っている途中後ろから、赤い服を着た女がけたたましい声を上げカクカクした人間離れした動きで髪を振り乱し追いかけてくるイメージが頭の中で勝手に作られ、後ろは振り向けない。そんな事勝手にイメージすんな俺!って思いながら全力で後を追いかける。

やっと追いついたのは階段を上がり切った所だった。
そこは開けており、神社?社?みたいな古い建物が建っていた。
その神社のような建物の前にコンビニ袋を右手にダランとうつむいたYさんが立っていた。

状況を全く読み込めない私はとにかくYさんに何かしゃべって欲しくて
肩を思いっきり掴む。

私「Yさん!」
Yさん「ははは!ビビった?」
私「いや!別に!そういうんじゃないですけど!怪我とかしたら大変ですよ!足元悪いし!」
Yさん「おけおけ。じゃ、行くか!」
しどろもどろになりながら全力で怖くなかったですよアピールをした。

悪い悪いと手を合わせるYさんを横目に神社の脇にある、さらに上に続く階段を上り、やっと目的地に到着する。

台座に乗った大きな岩には、しめ縄が3重で巻かれており、その岩には鎮魂とか慰霊とか書かれてあった。
Yさんはこれかー!とずんずん近づき写真撮影を始める。

そして事件は起きる。
Yさんがごそごそコンビニ袋から取り出したのはなんと日本酒と清酒。
あろうことか慰霊碑に巻かれているしめ縄を掴んでよじ上り、慰霊碑のてっぺんからお墓に水をかける要領で日本酒をかけたのだ。

その瞬間、音が。今まで静寂だった森が音を発したのだ。
大量のセミの鳴き声とカエルの鳴き声が大音量で聞こえ始めた。
その時ようやく今までの静寂はおかしかったことに気づき、鳥肌がぶわーっと立った。

Yさんもさすがにこの異変には気がついたようで、二人で無言で固まっていた。時間にすれば10秒無かったかもしれないが、二人の硬直を解いたのはそのあとに聞こえる男なのか女なのかわからない程の絶叫だった。
「うぎゃあああ」なのか「いやぁぁぁぁああああ」なのかわからないが、
そんな感じの絶叫でほんの少し遠くの木の裏から聞こえたような気がする。

Yさん「やばいな。逃げるぞ」
私「すぐ帰りましょう」

二人でお互い何があっても走らない約束をして腕を掴みあいながらゆっくり
階段を下りる。
車に戻った後に話が合うのだが、この時後ろから刺すような視線を背中に猛烈に感じていた。
人生で感じたことがない程時間が長く感じられた。

お地蔵様の並ぶ石畳を下り、ぬかるんだ山道を抜けるとパトカー2台に囲まれたハイエースが見えてきた。

余談ではあるし、全くの偶然だと思うが、この数日前、広い駐車場の私たちがハイエースを停めた全く同じ場所にて、同じ型の同じ色のハイエースで薬物の過剰摂取で自殺した2人組がおり、警察は不審に思い車を調べていたそうです。

色々と警察に事情聴取をされたが、最後に二人とも顔が青いよと笑いながら言われ、ここは来ちゃいけない場所だよと諭され、車に乗り込む。

帰りの車内では前述した背中に感じた視線の話や、あの絶叫の話。急に泣き出した森の話をわいわいしながら帰路につく。

そんな中で対向車がおかしいと言い始めるYさん。

「なんかパッシングされるんだよな。
もしかして車の上。ルーフに乗せている脚立を縛っている紐が解けてるとかかもなぁ。」

車を路肩に停め、脚立を2人で確認する。しっかりと固定されていて、紐が遊んでいることもない。
一応車をグルっと見廻したが、ライトが切れていたりすることもない。

何なんだろうねと言いながら車内に戻りまた運転を再開する。

やはりすれ違う車の何台かはパッシングをしてくるし、クラクションを鳴らしてくる車まである。

異常はない事を確認しているから二人ともこの状況が呑み込めず、さっきまで無理ににぎやかだった車内も次第に無言になり、ただ車を走らせる。

すると1台のタクシーがパッシングとクラクションを鳴らしたあとUターンして戻ってきてクラクションを鳴らす。
ハザードをたいて車を停めると、運転手が出てくる。
私たちも外に出る。

「お前ら何考えてんだ!!夜中でも悪ふざけで人が死んだらどうすんだ!」
タクシー運転手はかなり怒りながら私たちに詰め寄る。
Yさん「なんのことですか?」
運転手「何って!お前ふざけてんのか!脚立の上に人乗せて走ってんじゃねぇ!」
Yさん「自分たち2人ですけど・・・」
運転手「何言ってんだ!だってさっき・・・あ?・・・あ?」

少しの沈黙の後タクシー運転手は察したような顔をして質問してきた。
運転手「お前ら、森行ってきたな?」
Yさん私「はい」
運転手「馬鹿だよお前ら。二度と行くな。俺は関わりたくないから、もう行くわ。気を付けて運転しろよ。寺行け。寺。」

そう言い残すと、立ちすくむYさんと私を残してそそくさとタクシーに乗って帰って行った。一体車の上に何を見たというのだろうか。

放心状態の私とYさんはしばらく動けなかったが、無言で車に乗り込むYさんの後を追って車に乗り込む。

自宅に送ってもらい、また明日!おつかれした!と何とか明るく言い放ち、その日は解散になったのである。

これが私に霊障が起こり始めるきっかけになった話です。
後日談も、もちろんあります。モチベーションに繋がるのでぜひフォローとスキして待って下さると嬉しいです。
需要があればまた投稿致します。
今日はこの辺で!

あっ!動画編集初心者ですがyoutube始めました↓( ´∀` )↓
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