カープダイアリー第8559話「秋山無事凱旋も打率・083野間、・121シャイナー、・185レイノルズの憂鬱」(2024年3月19日)


ベルーナドームのスタンドから「かっ飛ばせー!あ・き・や・ま」の大合唱。「広島県人になりました」の応援タオルも揺れていた。
 
「きっと、ずっと見られている感じがすると思います。今はここでがんばっています!一生懸命野球を続けています!というプレーができたらいいなと思います」(試合前の秋山)
 
2019年シーズン以来となる、二回、特別な意味も含めての第1打席。所沢の空気を感じながら2度のファウルを経てフルカウントからの7球目、アウトローの149キロにバットが空を切った。
 
対峙したのはプロ7年目の平良だった。2017年ドラフト4位入団の右腕は、推定年俸2億5000万円まで上り詰めていた。先のカーネスト侍ジャパンシリーズ2024、日本vs欧州代表でも先発を任された。
 
2017年と言えば秋山が185安打を放って、最多安打と首位打者の二冠に輝いたシーズン。そこから3年連続の最多安打、かつ5年連続フルイニング出場という偉大な記録を手土産に海を渡り、そして帰国の地には広島を選んだ。
 
四回の第2打席ではレフトエラーで出塁した。七回の第3打席では西武3人目、増田からレフトフェンス直撃の二塁打を放った。九回の第4打席では5番手アブレイユのアウトローの153キロに手が出ず三振、でこの試合最後の打者となった。
 
試合時間わずかに2時間18分。八回、新井監督が送り出した四人目の杉田が中村に2ランを運ばれて1対3で競り負けた。
 
たんたんとゲームが進んだのは両軍投手の球数が少なかったからだ。平良は5回84球。投げ合った玉村も5回76球で、初回に中村に犠飛を許したあと、回を重ねるごとに調子が上向いた。
 
玉村のあと投げた塹江は1イニングで球数10、続く矢崎も13だった。
 
西武もヤン14球、増田14球、甲斐野13球、アブレイユ11球…
 
カープ打線唯一の得点は初回に小園が放ったソロで、平良の投じたインローの難しい133キロ変化球を完璧に仕留めた。見事な剛腕打ち!
 
けっきょく打撃練習でもいい感じの面々しか打てていない。オープン戦2度目の四番を打った松山も四回の第2打席で詰まりながらもショート後方に落として見せた。
 
あとはスタメンマスクをかぶった曾澤の右前打だけ。チーム安打数4で打ち止め…
 
3月2日の楽天戦(倉敷マスカットスタジアム)以来、オープン戦2度目の二番に入ったレイノルズは中飛、ハーフスイング三振、空振り三振で交代した。
 
六番シャイナーも浅い右飛、アウトロー153キロ見逃し三振、引っ掛けてのショートゴロで交代した。
 
ふたり合わせての6打席には見るべきものなし。レイノルズのオープン戦打率は・185まで下がり、シャイナーに至っては・121…
 
一番候補最右翼の野間も苦しい。三ゴロ、三ゴロ、ハーフスイング三振、浅い左飛。オープン戦打率は・083…
 
この日、八番に回った菊池も3の0で同・179。
 
率が高いのは松山の・429と小園の・412を筆頭に、この日3タコでも・297の田村俊介、・294の田中広輔、・261の坂倉と・241の曾澤でだが、このメンツだけでは打線は組めない。

オープン戦チーム打率・213はヤクルトとともに12球団最下位で、一方のチーム防御率2・44は第3位と両極端な数字になっている。


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