カープダイアリー第8601話「村上流、第1投被弾を完投勝利に替える術中にはまる」(2024年4月30日)

前日の雨天中止を受け、雨上がりのマツダスタジアムは午後6時プレーボール。2・5ゲーム差で追いかける岡田阪神との本拠地第1戦は意外な結末となった。
 
床田はここまで4試合に投げて2勝1敗、防御率0・98はリーグトップ、昨季防御率1位の阪神・村上はここまで4試合で1勝1敗、防御率1・08。
 
両者は9日の甲子園球場ですでに投げ合い、7回8安打1失点の床田に負けがつき、7回2安打無失点の村上は勝ち投手になった。
 
当然、この日も1点を巡る投手戦が予想され、村上の9回7安打1失点、完投勝利に終わった。床田の方は6回4安打3失点で2敗目を喫した。
 
カープ打線vs村上は、昨季から前回対戦までCSファイナルステージも含めて4試合続けて白星を献上し、ことごとくクオリティスタートを許してきた。
 
村上攻略のためのテーマは昨季から「スピンの効いた真っすぐを、いかに打つか?」(朝山打撃コーチ)この1点に軸足が置かれてきた。
 
この日は初回、その初球、真ん中にきた144キロを先頭の秋山がものの見事にライトスタンドに運んで見せた。続く野間もボールカウント2-1から145キロをセンター前に弾き返した。さらに小園の二ゴロが敵失を招いて無死一、二塁…
 
しかし松山、坂倉、宇草ともに、いずれも変化球に手を出しては凡退した。計18球のうち真っすぐは2球だけだった。その後もカットボール、フォークにスローカーブを多投する阪神バッテリーの配球に対応しきれず、打線はけっきょくスミ1に終わった。
 
一方の床田は二回、一死からノイジーを歩かせると、続く佐藤輝明の一ゴロで得点圏に走者を背負い、スタメンマスクの坂本に真っすぐを打たれて同点にされた。
 
四回にも先頭の大山に四球を与えると、ノイジーに左前打され、佐藤輝には初球をぶつけて無死満塁…そして坂本の二ゴロ併殺打の間に勝ち越された。
 
六回にも同じパターンで失点した。先頭の大山四球、ノイジー中前打、佐藤輝明二ゴロで一死一、三塁となって坂本に犠飛を上げられて1対3となった。

試合後、村上はマイクを向けられると「ホーム球場だったら、たぶんふたりでお立ち台に立てたと思うんですけど…」とリードと打撃で支えてくれた5歳年上の坂本への気配りを忘れなかった。

「いきなりの先頭バッターホームラン」と振られると「自分もビックリしたんですけど、でもまあ、もともと誠志郎さんとやっていたので、打たれても落ち着いてできたかなという感じです。次の1点が大事だなと踏ん張って投げました」と答え「緩急を使えた」とも話した。

過去4度の対戦で14の4、1本塁打1二塁打と村上を打ってきた小園は4打数で最終打席の内野安打1本に終わった。打った球は、カットボール、フォーク、フォーク、カットボールだった。

宇草もスローカーブ、カットボール、カットボールにスイングをかけて3の0。

一週間後にはまた甲子園球場でナイトゲームがある。対策は待ったなし。

3連勝で貯金6の阪神まで、これでゲーム差3・5。10勝11敗3分けの借金1に終わった3・4月の戦いをベースにして、5月の新井カープは反転攻勢を目指す。

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