夢の花/細見綾子さんの短歌をおもいだした

『夢の花』

夢だけ残して閉じてゆく
その赤い花は恋の花
求めるから辛いのに
忘れられない恋の日々

甘い香りを忘れかね
伸べた手は朝露に濡れ
ふっと香った気がして
振り返れどもあなたはいない

いっそ姿を見せないで
妖しく揺れる赤い花
求めるから辛いのよ
今は気づいていないだけ
夢が潜んだ
色とりどりの花の笑み


別に花はひとつじゃないし
赤色だけじゃないしいろんな夢があるし
人に笑ってもらいたくて頑張ってた日々は眩しいし
それは私にとって夢の花

学生のころ『夢』と言う言葉が
好きだったことを思い出した

つまりは別に今そこにないものを求めなくても周りにある花に気づいて喜んでいたいなって思って書いた詩
そこに夢が潜んでる気もするし

とここまで書いて思い出した俳句

チューリップ 喜びだけを 持っている

細見綾子

これに出会った推定19歳の頃、

「チューリップ 喜びだけを 知っている

と覚え間違いしてた。
で、その覚え間違いに気づいた時正直ちょっとガッカリした。
「知っている」のほうが、チューリップの持つ綺麗な世界が描かれている気がしたから。
喜びしか「知らない」方が夢があってキラキラして素敵って思った。「喜びだけを持っている」だと、喜び以外のドロドロしたものも「知っている」前提のような気がして。喜びしか知らない無邪気な存在を夢見たんですね当時の私。

でもちょっぴり大人になった今では思うのです

「チューリップ 喜びだけを 持っている

が正解なのだと!!!(正解とは?笑

だって生きてたら喜び以外の様々なぐちゃぐちゃしたものに出会ってしまうし、綺麗事なんか言ってらんないよ
でもそうやっていろんなものを知りながらも「喜びしか持たない」チューリップはとても強いし綺麗だしかっこいい。

伸ばした手は朝露に濡れ辛い気持ちを持て余すような経験をしていたとしても、
喜びだけを持っていたいと初心に帰ったとある夏至なのでした。

#ふと思い出す大学の授業で出会った俳句
#授業真面目に受けててよかった
#これだから勉強はやめられない

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