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初心者とレンジファインダーカメラの出会い

ずっと欲しかったレンジファインダーカメラ。
この度、2年の時を経てついにVoigtlander(フォクトレンダー)BESSA-Rを手に入れることができました。

備忘録もかねて、どうやって私のような初心者がレンジファインダーと出会ったのかをnoteに綴り、同じようなレンジファインダー愛好家が増えることを願いたいと思います。

私とフィルムカメラ

これまで映画・映像作家としてのキャリアを歩んできた僕は2011年頃からデジタルの一眼レフカメラ(5D-MKIIなど)で写真を撮ることに夢中でした。

5D-MKIIで映像や写真撮影をスタート

それから2013年前後にインスタグラムの登場や、親族から古いフィルムカメラ(キヤノン 旧F-1 前期型マミヤZEクォーツ等)を譲渡してもらったということもあり、興味が徐々にフィルム写真へとシフト。


そして2018年頃、よりカジュアルに撮影したいという思いも強くなり、「写ルンです」や「FUJIFILM NATURA CLASSICA(ナチュラクラシカ)」を購入し、愛用するようなりました。


主に旅行やトラベル写真を中心に、日本各地や世界各国での写真撮影に使っていました。

ナチュラクラシカで撮影

しかし、2020年にコロナ禍が始まると写真を撮影する機会が激減。

iPhoneのカメラ機能向上もあり、高価になりがちなフィルム写真を撮ることがほぼゼロに。

さらに重くてつかいづらいキヤノン 旧F-1 前期型などは故障も度々起こるため、最終的には売却をしました。

その時のnoteがこちら↓

それからはナチュラクラシカを使ったスナップフォトをたまに撮影していましたが、次第に本格的なフィルム写真への欲求が高まってきて・・・

レンジファインダーカメラに憧れたきっかけ

一眼レフは重くて機動性が悪く、扱いにくい。
ナチュラクラシカは軽くて使いやすいけど、所詮スナップフォト。

各カメラのデメリットを中和するようなカメラはないものか・・・悶々と考えていたある日、とある写真を思いだす。

『英雄的ゲリラ』
撮影:アルベルト・コルダ、1960年3月5日

自室にも飾ってあるほど、僕が敬愛して止まないチェ・ゲバラの肖像写真『英雄的ゲリラ』。

世界的に有名なカリスマ革命家チェ・ゲバラを写し、20世紀において最も多くの複製が行われたと言われるこの写真。

どんなカメラで撮影したんだろう?と調べて出てきたのは「ライカ M2」。

Leica M2 - Flickrから引用

もちろん、ライカの存在は知っていましたが、このM2というものを調べたら”レンジファインダーカメラ”という種類のカメラだということがわかりました。

そう、これが僕とレンジファインダーカメラの出会いだったのです。

レンジファインダーカメラを調べまくる日々

その日からレンジファインダーについて多くのことを調べ、学びました。

これこそ自分が求めていた本格的なフィルム写真が撮れる、ハンディなフィルムカメラかもしれない。

サンライズフォトなどの記事を中心に読み漁り、とにかくレンジファインダーカメラのことを深堀りする日々。

そこには求めていた多くのメリットがありました。

  • 一眼レフと比較すると遥かに小さく、軽い。

  • 一眼レフのように絞り、シャッタースピード、ピントの調整ができるので、ナチュラクラシカでは撮影ができない撮影が可能。

  • 撮影時の静音性優れ、ミラーショックが生じない。

僕が好む20世紀のスナップフォトやストリートフォト、報道写真の多くがレンジファインダーカメラで撮影されているということも学び、興味が急上昇。

一方で予想外なデメリットも。

  • ファインダーで見えているものと実際の写真にちょっとしたズレが生じる。

  • 初心者にはピント合わせが難しく、撮影に時間がかかる。

  • Leica系などは中古で数十万円。

あくまでも楽しく、趣味としてフィルム撮影ができれば満足なので、デメリットも全くもって致命的とは感じませんでした。


さあ、レンジファインダーカメラの特徴を知ったあとは、レンジファインダーカメラの種類を理解し、購入へと進むのみ。

最適なレンジファインダーカメラを求めて東京中を探し回る

半世紀以上の歴史を持つレンジファインダーカメラは、Leicaを初めとした多くの企業が販売をしていました。

今回、自分に合うカメラを探す条件として、下記3点を意識しました。

  1. 予算は10万円前後
    ┗レンジファインダーカメラはピンキリ(高いもので60万円以上も!)なので、可能な限り抑えた価格での購入を目指す。

  2. 露出計が付いている
    ┗古いレンジファインダーカメラは露出系が付いておらず、撮影の難易度が爆増します。これは一眼レフでも経験した過去があるので、必ず露出計が内蔵されている、新しめのカメラを絶対条件としました。

  3. できるだけ状態がいいものを
    ┗以前使っていた一眼レフも故障が頻発し、修理に出すことが多々あり、結果として高くつくことに。なので状態がよく、修理に出さなくてもいいような状態のものを探しました。

この3点に合致するカメラを探すために、東京都内の中古カメラ屋を歩き回り、ネットオークションサイトを回遊する日々を約2年間送りました。

その中で学んだことはいくつかあり、例えば:
・ライカは予算オーバー過ぎて不可能
・ライカ以外のレンジファインダーカメラが中古ショップに置いていない
・置いてあったとしてもジャンク品か、高額。


等々、レンジファインダーカメラを購入する行脚は楽ではないことを知り、ライカシリーズの購入は諦めました。

その中で、自分にとって条件に合致するカメラは「Voigtlander(フォクトレンダー)BESSAシリーズ」「ミノルタCLE」ということも発見したので、この2点に絞ることに。

BESSAは2000年前後という比較的新しい時代から展開が始まったカメラで、露出計を搭載しているだけでなく、日本のコシナが製造しているため安心感があります。そして何よりも10万円前後で手に入るため圧倒的に安い。

ミノルタはBESSAより古い1981年製ですが、絞り優先AEを採用しているという強みがあります。

2年の時を経て、ついに見つけた最高のBESSA-R

2022年5月、ふとヤフオクを見てみると状態のいいBESSA-Rが急に出品される。中古カメラの老舗、三宝カメラによる出品なので早速サイトを確認。

三宝カメラ公式サイトより引用

タイプは「Voigtlander BESSA-R Silver」、状態は【AB(外観に使用感、若干の小キズ等が見られる中古品)】というファインダー内にゴミがある程度。

人気のBESSA-Rがこの状態で77,000円 (税込)という破格な値段。

もちろん、躊躇せずに購入しました。


カメラはすぐに到着し、当時の箱や説明書が同封されているなど、とても状態がいい。

やっと出会えたレンジファインダーカメラ。

次はレンズを購入し、早速撮影にチャレンジをしてみたいと思います。

P.S. 個人的に大好きなLeica100周年のブランド動画をシェアします。フィルム写真が歴史を紡ぎ、Leica及びレンジファインダーカメラによって「写真」という文化が発展してきたという事を感じとることができます。


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