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【本の紹介】『心と身体の正しい休め方』を読んで、高等支援学校の「清掃」の授業を思い出した話

退職してからはもうず~っとお休みなので
疲れるはずもないのですが、
何となくしんどい感じがして
ダラダラすることがよくあります。

そんな私にぴったりだったのがこちら

「精神科医で禅僧」の川野 泰周さんの『心と身体の正しい休め方』です。

前書きを引用します。

いろんな不調を感じていても、ただざっくりと「最近、疲れているな…」という言葉で片づけて、休日はゴロゴロしてしまっている、そんなことはありませんか?

『心と身体の正しい休め方』

🙋‍♀️はい、あります!(私)

著者は、いいます。

身体の疲れなら休めば治るけれども、心(脳)の疲れは休んでも治らない

『心と身体の正しい休め方』

🙋‍♀️じゃあ、心を休ませるにはどうすればいいんですか?(私)

そうそう、そのことがこの本に書いてあります。

心(脳)を休ませるための睡眠について書かれた部分を引用します。

そもそも私たちはなぜ眠くなるのでしょうか。
脳内で「睡眠ホルモン」であるメラトニンが分泌されるからです。
(中略)
このメラトニンは、朝、光を浴びると分泌が止まり、その後14~16時間後に再び出てくるという生理的なサイクルを持っています。
仮に、朝7時に太陽光を浴びると、そのタイミングでメラトニンの分泌が止まり、身体や脳が活動的になります。
その後、約15時間後の夜の10時くらいに再びメラトニンが分泌されると、徐々に眠くなり、睡眠に入っていくというサイクルです。 

禅僧は、早朝に起きて朝日を浴びながら掃除をされます。
夜眠くならないわけがないですね~。

もう一つ、心(脳)が疲れる原因について触れた部分の概要を紹介します。

本来、脳は、複数の事柄を同時に処理することで疲労するものなのです。
これが「マルチタスクによる疲れ」です。
疲れをとるためには、「何もしない」というのではなく、
「一つのことに集中する」ことがいちばんです。

禅僧は、掃除なら掃除、食べることなら食べること、座禅なら座禅、トイレならトイレ、すべてのことにルールが細かく決められているので、ルールに則って黙々とその作業をされます。
「一つのことに集中」しかしないんだな~。

禅僧のような生活はなかなかできないので、次のようなことを提案されています。

・散歩をするときに、色々なことを考えてしまうなら、
「色探し」「面白いこと探し」「素敵な人探し」なんかをしてみるとどうでしょう?
一つのことに集中できます。

・食べるときは、「孤独のグルメ」のように。
出された料理やお酒について、見事なまでに集中して、「今、ここ」を楽しんでいます。

『孤独のグルメ』大好きです。


禅僧寺院では「掃除の作法」も決められているのだ、ということから思い出してしまいました。

以前勤めていた高等支援学校の「清掃」の授業。

高等支援学校に入学する生徒さんは、障害者雇用枠で就職することを目標にしています。

そのため、「清掃」「接客」「クリーニング」「工芸」「農業」「ビジネスマナー」「情報処理」など、実際の仕事に役立つようなカリキュラムが組まれています。

高等支援学校の「清掃」の授業では、
道具の準備から終了後のメンテナンスまで、
詳細なマニュアルがあります。
プロの清掃です。
(教員がダスキンさんに講習を受け、マニュアルを作成しました。)

若い生徒さんたちですし、
我慢できないのではないかと最初は思いましたが
それは杞憂でした。
詳細なマニュアルがある方が落ち着いて掃除ができます。

トイレの清掃など、洗剤を使って汚れを取ったあと
乾拭き雑巾でピカピカに磨き上げます。

テーブルの拭き方やホウキの扱い方、
清掃道具のメンテナンス方法や片付け場所も決まっています。
使った後の雑巾は水拭き用とからぶき用に分け、
等間隔に干します。

これだけきちんと「清掃」すると、さすがに気持ち良くなります。

私も退職してからは、
高等支援学校の「清掃」のルールにならって掃除するようにしているのですが、
それがとても気持ちが良いのです。

決まったルールに沿って体を動かしていると心(脳)は休まるのですね。

いざという時にしっかり脳を使えるように、
ひたすら掃除をすることにしようと思います。
できるかな?


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