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就職してほしくない

きのう後遺症外来まで行くのに、京王井之頭線 急行渋谷行きに乗ってしまった。10時台だからラッシュじゃないと思ったが甘かった、混んでいた。
私の右前に手すりをしっかり握った、リクルートスーツの小柄な女の子がいた。就活面接解禁日のニュースを前日見たばかりだ。ああ、近づいてきた、息子も来年、再来年、こうして活動するのだろうかと暗澹たる気持ちになる。

就職してほしくない、と言ったら驚かれるだろうか。

決められたレールに乗ってほしくない。


今週水曜日、徹子の部屋にリリー・フランキーさんが出ていた。その前の日は室井滋さん。

室井さんは、おでこで鍵盤ハーモニカを弾いていた。寅さんのテーマソング。徹子さんは喜んで「もっと聴きたい!」と言った。二曲目は「アメージンググレイス」を弾いた。
中学時代、友人が本を貸してくれて読んだ。「キトキトの魚」。なぜか室井さんには普通の人には起こらないことが起こる。それがエッセイのいいネタになっている。

20年くらい前、家の近所の沖縄料理屋でランチタイムにパートをした時期があり、そこに室井滋さんがスタッフの方といらしたことがあった。(近くにTMCというTVスタジオがあったので芸能人の方が時々来た)

生の室井さん、何がびっくりしたって、それはそれはお美しかったのだ。
これが「オーラ」というものか、と思った。顔のまわりがキラキラキラキラ……輝いていた。女優さんなんだ、と思った。まぶしかった。
帰った後、みんなで綺麗な人だったねと話した。料理屋のおかみも「TVで観ると綺麗な人に見えないし、どっちかというと汚い系なのにね」と言っていた。(なんて失礼な!)

私は室井さんを前に緊張してしまい、エッセイ本が好きでよく読んでいることなど何も言えず、ただゴーヤチャンプルーやソーキそばをぶちまけないように運ぶだけで精一杯だった。
室井さんはにこにこしながら「おいしい〜」と何度も言っていた。

食事を終えて、領収書ください、と言った室井さんは、「教室の室に井戸の井で室井(ムロイ)で」とつけ加えた。


その瞬間、(ほんとに言ってるーー!!!)と思った。
エッセイ本に書いてあるのを前に読んだことがあったから。たしか、領収書をもらおうとしたら漢字が伝わらず、店員さんが宛名を書けなかった話だったか。


相変わらずキラキラしてお元気そうで何より。不思議な話もあり、徹子の部屋とても楽しめた。


息子に、徹子の部屋の話をした。(この沖縄料理屋で会った話じゃなく、室井さんのお父さんの話や飼ってる猫の話) リリーさんの話も。
リリー・フランキーは好きな俳優だと息子は言う。
いいよね〜、としみじみ話す。



息子には息子の人生がある。
就職したければするのはもちろん賛成だ。どんな働き方であってもオリジナルの生き方をしてほしい。その人がその人であればオリジナルになるはずだ。
型にハマった生き方をしてほしくないだけ。

あまり色々言うと自分の願望を押しつけることになる。
私がそういう生き方をすればいいんだよな、と思う。



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