小説を書き終える前に
18歳のとき「10年後、お互い結婚してなければ結婚しようね。」と約束した人がいた。
初めての結婚にまつわる約束だった。若すぎて結婚も子どもを持つことも興味が持てなかった私が、相手が言うままなんとなく「いいよ」と承諾した軽いお遊びみたいな約束だ。「ゆびきりげんまん」までして、相手は念を押し、彼の友人にも堂々と公言した。彼女がいる身で私と関係していたクセによくそんなことが言えるなと呆れてしまうが、本気にしない冗談みたいなものだった。
彼の友人は「10年後って、彼は年とってるよ。」と真面目に言ったのに対し私は「もう年とってるよ。」と言って笑った。
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