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柏倉秀克「障害者総合支援法のすべて 第2版」

2月6日に2024年4月施行の障害福祉サービス等報酬改定に関する文書が出されました。
私が参加しているFacebookの障がい福祉のグループを運営している方が、YouTubeで読み合わせを配信してくれたのですが、19時から始まって途切れることなく続きました。私は夫の帰りが遅い日だったので、食事の後片付けしたり子どもに声かけしたりしながらでしたが、21時半に児童福祉の関連をやっているところの途中で離脱しました。

録画も公開されていますが、4時間半にわたる長丁場だったことがわかります。

他の福祉の制度もそうなのかもしれませんが、障害福祉はとても複雑なのではないかな、思います。障がいという括りの中にも、まず、身体、療育、精神に分かれますし、身体もさらに障害の部位によって細かく分かれています。なので、基本的なところも細く分けなくてはいけないのだと思います。

この本が出たのは1月。どこで気づいたのか今思い出せないのですが、見つけてすぐに購入しました。一通り読んでみて思ったのは、ようやくこういう体系的な本に手を伸ばす気になったんだ、ということでした。

思い起こせば、異動してきた当初は、分からないことが多過ぎて、計画を担当する係に配属されても、体系的な本を読む気になれなかったのだと思います。8割くらい理解した後で、ようやくこういうかっちりした本を読む気になったわけです。

敢えて言うならこれまで読んだのはこれだけです。しかも着任後半年経ってから。

 計画は全て1人で書くわけではなく、それぞれの所管部署に、担当にお願いして書いてもらうのですが、まとめるだけとはいえ、やはり意味の分からないままにはできないので、内容や現状、課題などについて、色々と確認しました。だから、そのために、多くの人の手を煩わせてしまいました。

ただ、本に書いてあることではなく、担当者たちの言葉を基本として書けたのは良かったかなと思います。

だから、このタイミングで読んだのは良かったと思います。
知っていれば、訊こうとしなかったかもしれません。もちろん現に担当している人への敬意は持ちたいと考えていても、先に本を読んで知ったつもりになっていたら、本の通りの答えが返ってこないと期待はずれな印象を持ったかもしれません。あるいは、それ以上に、ちゃんと仕事してるのかな、みたいな疑いを持ってしまったかもしれません。

私自身、17年前に障がい福祉部署にいた時から、ろう者についていろいろ勉強し、かつ自分自身も、2年ぐらい月2回程度、都内まで手話を習いに通ったりして、かなり詳しくなっているつもりです。またブランクがあったものの、今、ろうの職員と一緒に仕事していて、9割くらいは手話で話ができています(これが成り立つのは彼女自身が私の手話の先生だからだと思うのですが)。
だから、手話やろう者に関しては、本に書いてあることやネット記事が現状に即しているか、当事者を理解しているか、判断することができる位の感覚を身に付けています。けれど、それを、人に伝えられるかどうかと言うと、自信がありません。

本に書いてあることは、それだけ多くの人の目や手が入り、説得力も強力なので信じやすく、現状とのずれがある場合、それに対抗できる説明力を持たなければいけまけん。だからこそ、まっさらな状態でチームであり現状をよく知っている人に話をきく意義があったのだと思います。

ただ、いつもこの方法がよいとは限りません。こちらがチームと認めてもらえない、何も知らない人に本音を話す必要がないと思う人もいるかもしれないし、ゼロから訊かれるのは面倒と思う人もいるかもしれません。
あと、私個人の問題として、本の内容を基礎知識として持ちつつ、生の情報をフラットに聞けるようなバランス感覚を身につけたいとも思いました。

本は文章の他、施策のポンチ絵にかなり割かれていて、その部分がとてもわかりやすかったです。オフィシャルな資料だとどうしても厳密や正確性が求められますが、この本の目的は、読者に理解してもらうことが目的なので、詳細を省いたり、主なものだけ提示するといったやり方だったからかもしれません。
自分の理解の為にも、また、今後、何かの資料を作成する際の参考にも使いたいな、と思いました。


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