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2023年の読書振り返り

この記事は、「公務員で綴る Advent Calendar 2023」「公務員で綴る 綴る Advent Calendar 2023」に参加しています。
テーマは”2023年を振り返る”ということで、こんな仕事をした、こんな体験した、こんな人と出会った、こんな本を読んだ、こんないいことあった、こんな失敗した、こんなチャレンジした、一年を振り返って、いま、こんなことを考えている。
などなど、全国各地でそれぞれの街をそれぞれの仕事で支えている仲間たちが、2023年を振り返るリレーブログとなっています。

今日から障害者週間ということもあり、私はこの日を選びました。
今年の4月に障がい福祉の仕事に17年ぶりに戻ったので、障がい者関連の本をいろいろ読みました。マガジン化もしました。

どの本もとても強く感情をゆさぶられて、もっといろいろ考えなければ、という気になりました。それは多分、書いた人たちが、分かってもらいにくいことを分かってもらいたい、という気持ちを積み重ね、形となった本だからなのではないかと思います。

その中でも特に、強いインパクトを受けたのが、「ヘラルボニー」です。

ヘラルボニーは知的障がい者のアート作品を用いて、ファッションや雑貨など様々な商品を販売しています。会社の中心は、双子の松田兄弟で、そのお兄さんは知的障がいを持っています。どこか福祉に関わる仕事を意識してきた経緯もありますが、でも基本、るんびにい博物館で見た、知的障がいを持つ人たちの描いた素晴らしい絵に見せられて、このプロジェクトを思いついたのです。質にもこだわり、アートをできるだけ正確に再現したものにしています。例えばネクタイもプリントではなくて、織りで表現していたり。このため、価格もお手頃ではない。もちろん品質面というだけではなく、アートの価値もできるだけ正当に評価しようとしているからです。

私にはダウン症の長男がいます。13歳ですが、まだおしゃべりもトイレも練習中です。でも、誰に頼ればよいかをよく知っていて、自分の希望の全てをかなえてられているわけじゃないだろうけれど、うまく過ごしていて、機嫌のよいときが多いように見えます。
それに比べて私は、小さなことにイライラしてばかり。
長男が何も分からないというわけではありません。4歳下の妹が2歳近くなった時に、それまでかたことくらいしか話をしなかったのが急におしゃべりを始めた日、しゃべり続ける妹をしばらく眺めた後、うつむいて落ち込んでいるように見えました。実は勘違いなのかもしれませんが、うまく話せないことをつらく思っているのではないかなと感じました。
でも、それでも、彼は比較的笑顔のことが多いです。
できないことがたくさんある長男ですが、そういう生き様全体を見て、どこか尊敬の念を覚えるのです。
まあ、彼はすごい芸術家になれるわけではないかもしれないのですが、別にそういう形でなくても、彼の優れたところがあるのだろうな、と思うのです。
実は長男だけでなく、次男や娘に対しても、私が考えないようなことを言われると、ああ、そんな風に考えているんだな、自分の人生を生きていて嬉しいな、と思うと共に、すごいな、と思ったりするのですが。

ヘラルボニーのミッションは「異彩を放て」
なんて力のある、魅力的な言葉なんだろう、と思います。

もちろん、身の回りにヘラルボニー商品が少しずつ増えています。
この前など、仕事で辛いことがあったので、バッグとハンカチとシュシュとスカーフを一気に購入してしまいました。身に着けていると、異彩のパワーで、自分の道を信じて突き進めばいい、と言われているような気がしてきます。

他にもいろいろな本を読みました。どれも印象的ですが、当事者が書いた本は特に強い思いを感じます。
考えてみると、日本手話を習いながら読んでいた手話やろう者の本、また長男が生まれてから漁るように読んでいたダウン症に関連する本は読んでいないです。また新しいものも出たかもなので、読んでみようかなとも思います。

12月3日から9日は毎年障害者週間です。様々なところで障害者関連のイベントや啓発をやっています。少しだけ、意識してもらえると嬉しいです。

今年が始まる少し前から毎週欠かさず投稿するようにしました。そして先日50週連続投稿を達成しました。毎週書き続けることで、私の文章を読んでくださる方がいることに励まされています。いつもありがとうございます。

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