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日本の防災意識を”あそび”で向上させたい。「あそび防災プロジェクト」の挑戦

こんにちは!IKUSA広報のまほです。

2024年元日、日本では石川県能登半島を震源とした能登半島地震が発生しました。被害にあわれた方や関係者には心よりお見舞い申し上げます。
最近では千葉県を震源とした震度3レベルの地震が複数回発生しています。
夏には命の危険を脅かすような大豪雨も多くみられるようになりました。

日本の防災意識は果たしてどれくらいあるのでしょうか。また、なぜ防災が必要なのでしょうか。
今回は、IKUSAが「防災」に対して考えていることについてご紹介します。


日本の防災意識の実態

突然ですが、全世界で起きたマグニチュード6以上の地震の何パーセントが日本で起きているかご存知ですか?
約20%が日本で起きていると言われています。地震全体でみると10~15%は日本で発生しているといわれています。
世界196か国あるうちの10%以上は日本で地震が起きているわけです。

内閣府が令和4年9月に行った「防災に関する世論調査」によると、
「自然災害への対処などを家族や身近な人と話し合ったことの有無」は、
話し合ったことがある 61.4%、話し合ったことがない 36.9% でした。
「防災訓練への参加または見学の有無」は、参加したことがある 43.6%
見学したことがある 5.1%、参加や見学したことはない 37.5%、防災訓練が行われていることを知らなかった 12.6% とのことでした。
10回に1回、マグニチュード6以上だと20回に1回は日本で地震が起きている状況で、この数値は危機感が足りないのではと感じます。

なぜ防災が必要なのか

前述のとおり、日本は震災大国であること、1年を通して災害と隣り合わせであることが必要性の理由であることはお分かりかと思います。
ほかにどんなことが理由として挙げれらるか?それは「自助(自分で助かる)・共助(地域や周囲の人で助け合う)」にあります。

阪神・淡路大震災や東日本大震災のような大規模広域災害下において、公的機関による救助(公助)には限界があることが明らかになってきました。

阪神淡路大震災で助かった方の中では、救助隊に助けられた人は1.7%であったのに対し、自力で助かった人(自助)やそばにいる人に助けられた人(共助)は97.5%と言われています。

(図:(社)日本火災学会(1996)「1995年兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」参照)

自助・共助の課題と防災予算の課題

「自助・共助」の経験を積む機会に防災訓練や避難訓練があります。ところが、これらの訓練は「興味がある人しか来ない」「強制的だから仕方なく」「マンネリ化してきてつまらない」といった多くの課題を抱えています。

上記の画像は、1年間(2018年)の国内イベントの消費規模を表しています。
防災の必要性は認識しているけど、防災予算がない。
私たちは、多くの企業や自治体からそんな声を聞きました。
防災に向けた予算はそもそも少ない上に、国や地域の防災の予算を使うとどうしてもスピードが遅くなります。
そこで運動会のような「あそび」に防災を組み込むことで、イベント予算を活用して防災を推進することを提案。「あそび」の会社であるIKUSAだからこそできる解決方法です。

IKUSAは2019年、「あそび」の力でこの課題を解決する「あそび防災プロジェクト」を立ち上げました。「自分で助かる、他人を助ける人をゼロから1へ」というビジョンを掲げ、防災に興味がない、興味があるけど動き出せない人に、防災に触れるきっかけをつくるためのプロジェクトです。

課題を見つけ、あそびで解決

IKUSAは「あそび」をビジネスのソリューションとして広めている会社です。防災ではなくビジネスソリューションの分野から入ってきたいわゆる「部外者」ですが、だからこそ、あそびの専門領域を生かして防災の課題を解決できるかもしれない。それがこのプロジェクトの出発点でした。

IKUSAが得意としているのは、行政・自治体・商業施設の集客課題の解決と、企業のチームビルディングやエンゲージメントの課題解決の支援です。
これらの課題に対し、”あそび”で解決することを提案しています。

人は体験をすることで学ぶ意欲が向上すると言われています。
1960年代から提唱されている学習ピラミッドでは、「体験する」ことの価値が示されています。

小学生の90%、高校生の60%以上が、体験した後、その事柄に興味をもち学びたくなるとされています。

IKUSAはこれまで年間1,000件、200,000人以上の人に、あそびやアクティビティを提供してきました。課題解決のために制作したサービスは90種類以上、2023年度は新たに3拠点(名古屋・東北・福岡)開設し、計5拠点と全国展開を図っています。

これまでの経験で培ってきた「あそび」のノウハウを、防災という分野にも活用できないか。
あそびという体験を通じて、防災を学ぶ意欲向上に貢献できないか。
そう考えた私たちは、1年以上の時間をかけ、最新の防災のスタンスや知識を一般社団法人防災ガールをはじめとする各分野の専門家に学び、あそび防災プロジェクトを発足させました。

「あそび防災プロジェクト」は、防災に触れるきっかけを生み出し、防災を「やらないと」から「やってみたい」と思える人をひとりでも増やすことを目的としています。

ただのイベント会社である私たちが「日本の防災」に挑戦しようと思った理由

IKUSAは、一般社団法人防災ガール主催の日本初の防災アクセラレータプログラム「IMPACTFUL ACCELERATE PROGRAM FOR DRR 有機的解散と発展的伝承」に参加しました。参加の経緯やプログラムを通して日本の防災に対する「使命感」を持つに至った感想をブログ記事にまとめています。こちらも合わせてお読みください。


さて、実際「あそび防災プロジェクト」ではどのような活動をしているのでしょうか? 2つのコンテンツをご紹介します。

楽しみながら知識を習得、防災運動会

防災運動会は運動会に防災知識を取り入れた新しい運動会です。
リレーの中で応急処置や瓦礫に見立てた床を歩く体験がある障害物競走や、「倒れてきた棚にぶつかり腕を骨折してしまった」ような「お題」を元に、用意された歯ブラシやビニール紐などの物品を使って最善策を打つ借り物競争など、体を動かす運動会としての楽しさを残しながらも、防災に関する知識や知恵を身につけ、自分で助かる・他人を助けることの大切さを学べるようになっています。

こんなありがたい記事もありました。株式会社Spectee様が防災運動会を体験いただいた感想や背景、効果などについて記載されています。
私たちもこちらの記事を通じて、お客様がどう課題を感じ、どのように達成することができたのか、便益性と独自性を知ることができました。

親子で防災体験、ミッションをクリアしてヒーローに!「防災ヒーロー入団試験」

防災ヒーロー入団試験は子供でも参加可能な体験型防災アクティビティです。体と頭を動かしながら楽しく防災を学び、親子で「もしも」を考えます。いくつかのミッションをクリアすると「防災ヒーロー認定バッチ」がもらえます。
新聞紙で防災スリッパを作り、ガレキに見立てた健康器具イボイボロードを歩いてどれだけ痛みが軽減されたかを疑似体験できる「新聞紙防災スリッパづくり」、防災リュックの正しい中身を導き出す「防災リュック間違い探し」、ダンボールでできた迷路に水蒸気の煙をたいて火災の疑似体験ができる「スモーキー迷路」など、複数あります。

あそび防災プロジェクトの実績

人の生死に関わる震災や防災に対し、あそびというラフな活動で普及するのはいかがなものか、といった苦言を呈されたことは少なくはありませんでした。
しかし、私たちは興味関心のない方にも防災意識が浸透してほしい、そのためにはあそびという誰もが気軽に楽しめるコンテンツがあってもいいのではないか、その信念のもと活動を続け、ありがたいことに各所からお声がけいただいたり、賞をいただくようなプロジェクトに発展しました。

2019年、世界防災フォーラムに登壇

世界防災フォーラムは、スイスの防災ダボス会議と連携し、国内外から産・官・学・民の防災関係者が集まる日本発の国際市民フォーラムです。
2019年11月10日(日)、仙台にて、あそび防災プロジェクトの目的を発信しました。

2020年、グッドデザイン賞を受賞

「あそび防災プロジェクト」は、2020年度のグッドデザイン賞を受賞しています。以下、審査委員の方からの評価コメントを引用します。

悲しい事に、災害はいつ起こるかその予測は難しく、そしてそれは毎年の様に起こり続けている。もちろんこれまでにも防災訓練は地域や企業内で行われてきたが、この取り組みは体験しながら学ぶ、やってみたいと思える防災へ変えた方法論のデザインが評価された。同様の取り組みがある中、ある意味正攻法のアプローチで安価に実施できそうな点も好ましい。

「防災予算がない」という企業の課題を「あそび」で解決する

2020年~2021年、オンライン防災が評価され、Nスタやおはよう日本にて「おうち防災運動会オンライン」の取組を放送

コロナ真っ只中、オンラインイベントに舵を切り開発した「おうち防災運動会」がメディアに特集放送されました。
「おうち防災運動会」は、おうちにある非常食を探して賞味期限の合計で競ったり、ラップなど身近にあるものの「もしもの時」の使い道を発案した数で競ったり……。
おうちにいる家族みんなで楽しめる運動会になっています。

2022年~2023年、リアルイベントの再評価、あそび防災プロジェクトの活動を複数メディアに取材いただく

コロナ禍の自粛要請が徐々に緩和され、イベント業界もリアルに転換し、あそび防災プロジェクトのリアルイベントについて再評価いただくようになりました。時代の変化にスピーディーに対応しています。

2024年、防災教室に開催や専門家としてメディアに出演

元日の能登半島地震をうけ、防災リュックの中身やこどもへの防災教育について、日本テレビ「DayDay.」、CBCテレビ「チャント!」、毎日新聞、朝日小学生新聞など、複数メディアにて掲載、放送いただきました。
また、防災教室も開催しました。

今後の展望

あそびのプロの会社だからこそできる防災イベント、防災教育に力を入れたいと考えています。

①行政・自治体・商業施設と連携した防災フェスの開催

地元の消防署や地元企業・団体も参加しみんなで啓発する防災フェアのトータルプロデュースを全国に拡大したいと考えます。
IKUSAのサービスブラッシュアップや新作リリースはもちろん、他団体や他企業とも連携を図り、提供の幅を広げてまいります。
一例にはなりますが、防災エンスショー、防災キッチンカー、防災カタログギフトの販売、これらの事業者と連携しています。

②企業向け防災研修の提供

あそび体験による学びの最大化と、座学による防災知識の習得を目指した没入型研修「あそぶ社員研修~防災研修~」を提案します。
防災知識を取り入れた謎解きゲームと、防災士監修の講義で記憶に残る体験価値を生み出します。


これまでお読みいただきありがとうございました。
これからもIKUSAはあそびの力で防災を広めていきたいと考えています。
今後の活動にぜひ注目いただければ幸いです。


株式会社IKUSA

あそびで社会課題の解決を支援するイベント・研修会社です。
チームビルディングや地域活性化など、企業や地域の課題を解決する90種類以上のサービスを展開。
年間1000件以上のイベント・研修を実施しています。

ミッション:世界のあらゆる人が遊ぶ 機会 場所 仲間を生み出す
パーパス:遊びの価値を高める
会社名 :株式会社IKUSA(英語表記 IKUSA Inc.)
設立 : 2012年5月29日
本社所在地: 東京都豊島区東池袋3-20-21 広宣ビル 4F
大阪事務所:大阪府大阪市淀川区西宮原2-7-38 新大阪西浦ビル805
名古屋事務所:愛知県名古屋市東区泉1-4-3 Changu III 泉 1103
東北事務所:宮城県仙台市青葉区本町1-13-32 302
福岡営業所:福岡県福岡市中央区薬院4-2-9 シック薬院502
役員 :代表取締役 赤坂大樹
事業内容 :イベント事業/研修事業/フードデリバリー事業/デジタルマーケティング事業

■株式会社IKUSA サービスサイト一覧

IKUSA.jp :https://ikusa.jp/
チャンバラ合戦 :https://tyanbara.org/
社内運動会.com :https://shanaiundokai.com/
謎解きコンシュルジュ:https://nazotoki-concierge.com/
あそび防災プロジェクト:https://asobi-bosai.com/
ビジネスゲーム研修.com :https://business-game-training.com/
ビジメシ :https://biz-food.com/
SDGsコンパス :https://sdgs-compass.jp/
あそぶ社員研修:https://asobu-training.com/

【サービスに関するお問い合わせ先】
TEL:03-5960-0193
メールアドレス:contact@ikusa.co.jp


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