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効率的な努力と非効率な努力

世の中は不公平です。
裕福な家庭で生まれ、豊富な教育を受けて育ってきた人もいれば、劣悪な環境で育つ人もいる。

就職してみて、部署や上司に当たり外れがあるいわゆる「就職ガチャ」もそう。クソカスな上司の下に配属されてしまって自己肯定感を失ってしまう人がいたり、一方で適材適所で能力をバチバチ発揮できている人がいたり。

とにかく世の中は不公平。

そういう不公平に対して、「小さなことに幸せを感じられるようになろう」とか、「もっと大変な人もいる、自分は恵まれている考えよう」とか、考え方を是正して納得させるような言論が多い気がしますが、まあそれはそれとして僕はちょっと違う観点で考えていて、そんな話を今日はしようと思っています。

定数を変えようとしていないか?

物事には「定数」と「変数」があります。
僕らの人生にも定数と変数があります。

例えば就職であれば、すでにある会社の文化や環境というのが定数で、そこに適応する、成長する余地というのが変数。
結婚に例えるなら、結婚してみたら実は相手がダメダメだったとして、相手がダメダメなのは定数、自分が相手に迎合したり相手の良さを活用していく余地みたいなのが変数。

定数は変わらないもの、変数は変えられるもの。
ところが、定数を変えようとしたり、定数が変わらないことに嘆いたりしている人が非常に多いなーと思います。

仕事で言えば、「上司が最悪でやる気出ない」とか、家庭で言えば「旦那がダメすぎてやってられない」みたいな。

ここでいう「最悪な上司」や「ダメな旦那」は定数。
相手に変わる可能性があるという意味で言えば変数かもしれませんが、にわかに自分がコントロールできないという意味では定数です。

ここを変えようとしたり、変わらないことに嘆くことはとても非効率です。

力を入れるべきは”変数”の向上

貧困な家に生まれ育っても東大に合格する人もいれば、裕福な家庭に育ったのにダメダメになってしまう人もいる。
その差は結局、変数を良い方向に使えたかどうかなんだと思います。

僕の見立てだと、定数3割:変数7割くらいだと思います。
つまり7割は自分の考え方、行動次第で良い方向に持っていける余地が十分にあるということ。

「効率的な努力と非効率な努力」と題してこの記事を書いていますが、定数を変えようとしたり、定数を変えられないことに嘆くことはまさに非効率な努力。
ただ一方で、変数を良い方向に変えていけるかどうかは自分次第。
頑張るべきは3割の定数を変えることではなく、7割の変数を向上させていくこと。
それこそが効率的な努力であり、その効率的な努力にリソースを割く方が、仕事や人生が圧倒的になると僕は考えています。

例えば、入社した会社の業務スタイルが自分に合わないと思った時。
強みを活かせる会社に転職、というのはまあ簡単な選択肢ではあるのですが、せっかくならばその状況の変数の部分、社内で自分の強みが活かせるポジションを探してみる、というのもいいでしょう。

自分の中にも定数と変数がある。

「自分を変える努力」をしている人は多いと思います。
「変えたい」「変わらなきゃ」という気持ちはときにとても大切です。
しかし、人間にも定数と変数があり、どんなに頑張っても変えられない定数が一定存在することを覚えておきましょう。

例えば、コミュニケーション力や企画提案力に長けていてその分野では能力を発揮するが、忘れ物が多く、注意力散漫な人がいたとします。
「忘れ物を少なくする」「できるだけ注意する」という心がけでマイナス面をカバーすることは素晴らしいことですが、それが行き過ぎるとストレスになり、やがて心身の疾患に至ることも珍しくありません。

それらのマイナス面をある程度定数と捉えて、変数(長所)を伸ばしていくことに注力する方が、長い目で見たときに、圧倒的にトータルのパフォーマンスが上がるのは間違いないでしょう。
僕自身も、何度も自分の弱点を克服しようと試みて、それなりに是正された部分はあったものの、そこにさいた時間よりも、変数(長所)を活かす場や環境に身を置いていた時の方が圧倒的に成果を出していたと思います。

"適度な開き直り"が必要であり、適度に開き直れる場や環境を意図的に選んで、仕事や生活を心がけてみると、もっと生きやすくなり成果が出せるようになるのではないかと思います。

選択肢を増やすことで非効率な努力が不要になる。

そのためにはどうすればいいか?
選択肢を多く持つということが重要だと僕は考えています。

逃れられない現状(望まない定数)に苦しむ多くの人は、限定された場や環境で身動きが取れないケースが往々にしてあると思います。
仕事でいえば、会社に対するコミットメント(帰属意識)が強ければ強いほど、人間関係をはじめとした様々な困難にぶつかった時に逃げ道がなくなってしまい、やがてそれがストレスになって、結果として充実感やパフォーマンスが落ちていく。

それならば、昨今一般的になった複業をしてみて、いざとなればそちらに軸足を移していく、そんな仕事のやり方も全然ありだと思います。

複数の選択肢を持って、変数を伸ばしていける環境を探してみる。
そんな生き方ができる人が増えたら、もっと充実感に満ち溢れた生き生きした人が増え、社会も豊かになっていくのではないかなー。
なんて思います。

お読みいただきありがとうございました。

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