なんとなく vol.10
十二月
さて、今日もマック。飽きることなくマック。俺らの身体の四分の一ぐらいはマックのおかげで成り立ってるんじゃないかってぐらいマック。
ポテトを貪りながら、裕吾が恨めしい目を窓の外に向ける。
「なあにがクリスマスだ。お前らほとんど仏教だろうが」
「そういう僻みは情けないぞ」
「そうそう、宗教はもう関係ないんだよ。ただのイベントなんだから裕ちゃんも楽しめばいいじゃん」
「どう楽しむんだよ。一人でケーキでも食ってればいいのか」
「あとチキンな」
「あとプレゼント」
「山下