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万年「副」部長がリーダーシップを見つけた話

こんにちは!iLEAPのYukaです。

突然ですが、高校生のとき、わたしは「リーダー」にとても憧れていました。
リーダーっていつでもみんなの前に格好良く立ち、キラキラしていて、人望も厚いイメージ。

対してわたしは万年「副◯◯」で、いつもリーダーの隣でメモを取ったり、スケジュール調整をする役で、「リーダー」になれない自分に結構コンプレックスを持っていました。

それから10年。

まさか自分がGlobal Leadership Academyのラーニングガイドとなり、リーダーシップについて高校生〜若手社会人のみなさんと一緒に考える立場になるとは、当時思ってもいなかったけれど、今回は改めてリーダーシップについて考えてみたことを経緯と共に文字にしてみようと思います。


わたしにしかできないことがほしかった

高校時代のわたしは、カリスマもなく、言葉で人を動かす力もなく、かと言って目を見張るほどの社会性があるわけでもなく、、、自分はいわゆるリーダーに立候補する資格がないんじゃないかと勝手に決めつけていました。

さらに、「音楽と言えば」「絵と言えば」「スポーツと言えば」、、、と、わかりやすくこれ!といった自分を表す何かが無い気がして、自分にしかできないことを模索していた時期でした。わかりやすい定義がないと怖かった。

だから、「なんとなく得意そうだから」ともらう「副◯◯」の役割のなかで、メモを取ったり、スケジュール管理をしたり、細かいところまで想像を膨らませたりしていました。

いつの間にか、慣れた「副◯◯」には自ら立候補するようになったけれど、リーダーとして活躍してみたいって思ったことは実はその裏で何度もありました(生徒会長に立候補しなかったことは今でもちょっと後悔しています)。

だけど、今思えば、リーダーになりたかったというよりは、特別な存在になりたかったのかもしれない。或いは、リーダーになれば自動的に自分の色や声が見つかるって思っていたのかもしれません。


 「わたし」はわかりやすくなくてもいいのかもしれない

高校3年生。最終学年。
とあるサマーキャンプの運営チーム内で「備品管理」の役割をもらいました。
リーダーを支える3人組の内のひとり。

そのとき担当の先生に「細かいところによく気がつくし、スケジュール管理も得意。なんでもメモに残すから安心して任せられる」(うろ覚えですが)と言われ、自分のなかで何かがパッと弾けました。


わたし、を表すものは肩書きや名詞だけじゃないのかもしれない。


メモが綺麗な人。スケジュール管理が得意な人。細かいところまでよく見える人。

きっと、リーダーになれない陰でがんばってきたことは自分の糧となっているし、それ以上にその過程で考えたことや感じたこと、得意になったことや、見つけた譲れないことも全部合わせて自分をかたちづくっているんだ。

だから、わたしが発するひとつひとつの言葉は、すべて人生において培われてきた価値観や視点を反映しているユニークなものであって、「わたしにしかないもの」。

そこからは自分の考えや思いをもっと発信していこうと、ブログを書いたりインターネットラジオで話したりしていました(手前味噌だけどすごい行動力…!)。


世界にはたくさんの人がいる。だからこそ、

高校卒業後は、アメリカ・インディアナ州のリベラルアーツ大学に進学しました。
留学生が多い大学とはいえ、遠く離れた日本のことを知る人なんてほとんどいない。

わたしが高校時代に何を頑張っていたのか、それがどれだけ凄いことなのかなんて、新入生600名のなかで霞んでしまい、せっかく「わたしにしかないもの」を見つけたと思ったのにあっという間にその意気は沈んでしまいました。

「これから4年間、わたしはこの場所でどんな咲き方をしたら良いんだろう…」
と悩んだとき、まずは自分を知ってもらうよりもとにかく周りを知ることから!と、対話を始めました。

ルームメイトはファーストジェネレーション*大学生で、母語はスペイン語、英語は教会で覚えた。
いつも図書館の受付で見かけるゼミが一緒の同級生は、週40時間働いて貯めたお金でやりくりしてもなお、長期休みに実家に帰るための$30のバス代すら払えない。
自宅にお手伝いさんやガードマンがたくさんいる友人は、鬱病で苦しんでいる。
インターンシップ先が一緒の先輩は、成績最優秀のキャンパスリーダーにもかかわらず上を目指し続けて不眠症を患い精神が壊れかけている。

対話をして初めてわかったことがあった。
経験してきたことが違っても相手に深く共感をしたら、自分の世界の見え方が変わった。

他者の目に見えても見えづらくても、人は様々な物語を抱えながら生きている。

目に見えることだけで人を分類してしまいがちな世の中だけど、世界にはたくさんの人がいる。
そしてそれより多くの物語があって、だからこそ複雑で、目を背けたくなるようなことも、どうしようもない怒りや悲しみに駆られることもあるけれど、、、

だけど、ひとりひとりの物語があるからこそ世界は美しいんだと思う。


誰かが自分の「居場所」を見つける勇気と自信を培うお手伝いをしたい、と思っているわたしですが、それは言い換えると、ひとりひとりが人生を切り拓いていくために、個人の物語が基盤となったリーダーシップを身につけるお手伝いをしたいと同義だとも思います。

わたしはこれまで何かの「リーダー」にはならなかったけれど、周りのノイズに惑わされず、自分自身の人生をリード(導き)し始めた。それはもう自分自身の色をまとい、声を使った「リーダーシップ」を身につけているということなのだと思う。

そして、何かのリーダーはその役目を終えると消失してしまう役割かもしれないけれど、リーダーシップはこの先どこに行っても、誰と出会っても、自分の内側から光る魅力。

これからはどこで何をしているか、ではなく、何を考え誰と実践していくかが大事な時代。

だからこそ、Global Leadership Academyに参加される方々と一緒に物語を発掘し、リーダーシップを輝かせていく「旅」に出られることが、今からとても楽しみです。

* ファーストジェネレーション大学生:家族で初めて高等教育(大学)に進学した人を指す

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