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会社の成長は「管理」で差がつく

こんにちは、戸田です。

会社の成長は、何によって決まると思われますか。

私は、その答えの一つとして、特に中長期の目線で見たときには、適切な「管理」の仕組みがあるかどうか、にあると考えています。

会社の成長が、止まるとき

多くの会社は、創業者のインスピレーションと能力でもって成長していきます。

顧客一人ひとり、一社一社に価値をもたらし、場合によっては市場を創造し、クリエイティブを前面にして、事業が伸びていきます。

競争優位のある事業モデルが形成され、参入障壁をも考慮した商圏が構築されることで、会社の収益が大きく得られる構造が創り上げられていきます。

原材料の段階にあるものを、独自の加工(編集)によって付加価値をつけ、顧客の問題解決のために売れるポジショニングで、事業のサイクルをどんどん廻して大きくしていく、まさに“商売人”です。

しかし、会社の成長が止まるときが、2つあります。

1つは、成長を引っ張ってきた創業(経営)者が直接見ることのできる事業の範囲を超えるとき、もう1つは、創業(経営)者が引退する、または、引退に近づいていくときです。

1つ目の成長の壁を突破する「管理」

1つ目の成長の壁を超えるため、会社には初めて、経営の「管理」が必要となります。
※ここでいう「管理」は、単に経理・総務・人事といった機能の集合体の意味合いではなく、企業統治やマネジメントとしての包括的な意味合いになります

この段階の管理には、攻めの目的としては、創業(経営)者の戦略や考え方を社員に落し込み、分身のようなチームで顧客が満足するオペレーションを回せるようにする仕組みを作り、適切に運用することがあります。

守りの目的としては、目の届かないところで不正や事故が起きないようにするとともに、経営の効率や生産性を正しく維持・向上していくためのモニタリングの仕組みを作ることにあります。

2つ目の成長の壁を突破する「管理」

しかし、どんな優れた創業(経営)者にも、引退のときが来ます。

企業は、個人と異なり、本来その時間軸は一個人の寿命を超えて、価値を作り続ける機関であることが求められます。

1つ目の段階の「管理」が成功して、オペレーションを回せる仕組みがあって、モニタリングの仕組みができていたとしても、「経営がどこを目指すのか、そして、何をやらないか(手を出さない事業ドメイン)」の基本方針や、その基本方針に基づく「重点戦略の打出し」、さらには、その「戦略を束ねる経営の構想を描く力」は、一般に創業(経営)者に大きく依存しています。

したがって、創業(経営)者が退く時(までに)求められる「管理」とは、次世代の経営(後継)者を生み出し、輩出する(し続ける)ための仕組みを作って、運用することです。

次世代の経営(後継)の候補者には、いわゆる営業や生産などの一つの機能の長ではなく、特定の事業の商流サイクルをすべて経験し、できるならば、子会社の資本・財務政策まで含めた経営を行った経験を有することが望ましく、複数年での経営(後継)になるためのキャリア・ロードマップを通ることが肝要です。

多くの会社において、創業(経営)者から次世代の経営(後継)者への切り替えが求められる“大承継時代”に入って久しいと思われます。

にもかかわらず、こうした準備ができていない会社も、まだまだあるように感じます。大変失礼ながら、それは、会社を担う創業(経営)者の責任を果たせていないことと同義です。

M&Aといった資本政策の手法を論じる以前に、その先の経営を切り盛りできる人材の有無こそが、結局は企業の将来の価値を守るための要であることは言うまでもありません。

そのため、次世代の経営(後継)を担える候補者を複数確保できる「管理」が、これから先において一層、求められていくと考えています。

本日は、以上です。


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