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#19.Sunset Boulevard (1950)【偏愛的映画のすゝめ】

暑すぎて出かける気力が無くなりがちな今日この頃。

第19回はハリウッドの闇をピックアップしたビリー・ワイルダー作品、『サンセット大通り』です。
1950年、アメリカ、110分。

かつて脚光を浴びた元ハリウッド・スターの悲しい半生を描いた、巨匠ビリー・ワイルダー監督が贈る、傑作人間ドラマ。出演はウィリアム・ホールデン、グロリアス・スワンソン、エリッヒ・フォン・シュトロハイムほか。

この作品を端的に表現すると、、、

不穏な空気の中で繰り広げられる狂気


徹底的に"怖い"作品。"怖い"といっても、ホラー映画やスリラー映画の類の絶叫するような怖さではなく、体の内側からじわじわと迫り来る怖さがあります。

過去の栄光に縋りつき、自分が大スターであり続けていると信じて疑わない元女優ノーマをグロリア・スワンソンが怪演しています。文字通り"怪演"なんです。元から歪んだ考えに取り憑かれていて、そこから徐々に常軌を逸するさまが見事に表現されています。

また、冒頭からウィリアム・ホールデン演じる売れない脚本家が死体として登場し、彼自身のナレーションで始まるという点も印象的。

そして、トラウマになりそうなラストシーン。過去の輝きを取り戻し、本気モードのノーマがゆっくりと階段を降りてくるカットは圧巻です。映画史に残る伝説的なシーンの1つではないでしょうか。

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