『推し、燃ゆ』感想 推しってなんだろう。
話題だった『推し、燃ゆ』をようやく読んだ。
「推し活」やオタクの生態みたいなものを生々しく描き、現代のオタク文化を文学の中に落とし込んでいる点において、今作の右に出るものはないだろう、と思った。
私自身、気が狂ったようにある一つのコンテンツを追いかけ、お金を落とし、心を満たしていた、いわゆる「オタ活」をしていた時期があるので、多分に理解できた。例えば、日常の風景から推しに関連する要素だけが際立って見えたり、金銭感覚が世間の常識から逸脱したり、そういう「オタクあるある」のリア