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東大に行けなかった人の今

ラランド、ニシダの「浪人について」という動画をみて、ふと思い出した。
「私、狂ったように東大に行きたかったな」

それが色々訳があって、推薦で違う大学に行き、大学では自分の固定概念に苦しむことになった。
当時の自分を成仏させるために、そして同じような考えに悩んでる人がもしいるなら、全力で救いたいと思い、書いてみようと思う。

1.東大に行きたかった訳
単純だが、親や兄弟が頭が良かったことから「褒められたい」「兄弟で一番と思われたい」という思いが歪み、「東大に行かないと自分が許せない」ようになってしまった。
高校もかなり優秀な友人が多く、6割は東大か医学部を目指し、それ以外は早慶を目指すような環境から、異常な学歴主義が染み付いてしまった。
(高校は大好きだし、友人も大好きなので全く後悔はない)

2.東大に行けなかった訳
お金がなかったために浪人を許されず、また国立しか許されなかったことから、国立の切符を東大に使うのは難しいカケだと判断したためだ。
これは不運なのだが、震災の影響が我が家にもしっかりあり、ちょうど私の受験の際にお金の目処が立たなくなってしまった。
私は東大を受験する気満々だったのだが、両親から淡々と説得をされ、それに対して悔しいけど納得する部分もあり、折れることにした。なまじ真面目な性格で、定期試験の成績も良かったため推薦ならある程度のところ受けられる状況だったので、親は満足していた。(生意気な表現はご容赦ください)

ただその後当の本人はやはり全然納得できておらず…
一度走り始めた推薦を降りたくて先生も巻き込んで親に何度も土下座したり、喧嘩したり、荒れに荒れまくった。私は東大に行けないだけじゃなく、受験もさせてもらえないのか!と、当時は絶望だった。

今振り返ってこの時学んだことは、自分のことは自分で決めないと、いつまでも言い訳ができてしまい、覚悟が決まらないということ。
その時々の決断は正しいものなんて無くて、覚悟を決めて進めば、いずれ満足する結果になるということを、大学院進学でも就活でも転職活動でも痛いほど経験してきた。

でも18歳の私には自分の可能性を見限られて、親が敷いたレールを進むことが嫌で嫌でたまらなかった。若いってなんでこんな極端なんだろうな。高校3年生の時は電車でもふと涙が出るほど追い詰められ、推薦だからと舐められないために毎日寝ずに勉強していた。今思い出すだけでも当時の思いがひしひしと思い出されて涙が出る。
もっと君にはたくさんの可能性がこれからあるんだよ、10年後の私は想定外の道に進んでるけど幸せよ、と抱きしめてあげたい。

3.東大じゃない大学に行った時
東大ではない大学に入学した。
入学当初は複雑な思いをかかえ、私はこんなところにいるべきじゃないとか、一生この大学のレッテルが貼られることに耐えられないとか、超超超生意気なことを考えてたし、体から滲み出てたと思う笑
そういう考えや態度は本当にやめた方がいい。友達ができず、楽しい大学生活を全く送れない。
私も入学後半年はもう退学しようとか、仮面浪人しようとか色々考えを巡らせた。

ただ一つ伝えたいのは、そういう思いを抱えてる人はあなただけじゃないから、あなただけが可哀想な訳ではないし、その考えから解放された時に幸せを掴むチャンスが来るということ。
憎しみや不幸な考えは視野を極端に狭くさせ、状況を打破する努力を怠ると思う。

実際、大学で出会った純粋で心優しい友人のおかげで、心の雪が溶けて少しずつ大学を楽しめるようになった。学歴じゃなくて自分の性格やパーソナリティを理解し、肯定してくれる人がちゃんといるということを実感できた。また、1人で孤独に勉強していた高校生活とは異なり、みんなで集まって課題をしたり、テスト勉強することがとても心強く、勉学自体を楽しいと思えた。
気がつけば、周りの友人たちは真面目で面白く、程よい距離感が心地よく感じた。学科の友人が大好きになり、みんなでひいひい言いながら勉強し、本当に充実した大学生活になっていった。
サークルやバイトでは他大の人と交流する機会も多く、いろんなバックグラウンドや考えの人に出会うことができた。
幸いにも専攻は学びたい分野だったので純粋に勉強も面白く、愚直に勉強することで成績優秀で授業料を免除された。大学生活に悔いはない。

4.今振り返って浪人をして東大を目指すか?
答えはNOだ。高校生の私に伝えたら、目玉を飛び出すほど驚くだろう。
浪人を否定するわけでは全くない。確固たる理由があって行きたい大学や学びたい分野がある時は、浪人をする必要があるのだと思う。私の場合は自己承認欲求も相まって、東大至上主義になっていたと思う。
仮に悔しい思いで大学に入っても、その後部活やバイトをしたり、留学したり、院で他大に行ったり、就活を真面目に頑張れば、想像以上に楽しい世界と出会えるし、何度でもリカバリーできると実感している。

社会人になった今、やりたいことはまだたくさんあるし、結婚や妊娠を考えると若い方が色々挑戦するハードルは低いように思う。院卒であることさえ悔やむほど「早く社会に出たかったなー」と思うこともある。
高校生のあなたが考える世界より広い広い世界が待ってるから、東大に行けなくても人生は終わらないし、逆に東大に行って完全燃焼していたかもしれないから、この世に正解はないんだと思う。
(生意気でごめんなさい)

私は大学の勉強、研究室の実験、就活をそれぞれ努力した結果、新卒で大手食品メーカーの研究職に入社した。高校生の時、食品メーカーで働きたいと思って学部を選んでいたので、今思うと目標通りだった。
新卒の会社は合わなかったけど、仕事はもちろん、自宅では資格取得や転職活動を頑張り(これは運要素も強い)、その結果より自分に合う会社に入社することができた。
正直高校生や大学入学直後の私からしたら、実力以上の会社に今いるため人生は本当にわからない。今は今でひいひい言って、決してあぐらをかける状態ではないので、今後も努力は続くんだと思う。

これは決して自慢ではない。いつでもリカバリーはできるし、人生予想外のことだらけだから、流れに身を任せてその時々で努力をすれば想定外の良い結果を得ることもできるよ、と思っている。
がむしゃらに進んで振り返ったら回り道もしたし、もう死んでしまおうかと思うこともあったけど、どうにかなっているので、今後もそれをお守りに悩んだ時立ち直れたらいいなと思う。あとシンプルに悩みは一生何かしらあるので、手放せる悩みや後悔は捨てていった方が、次の幸せを掴むチャンスが生まれるように思う。

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