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アートを体験する‐第25回メディア芸術祭受賞作品展レポート

お台場にある日本科学未来館で開催中の第25回メディア芸術祭受賞作品展に行ってきました!
今日はアート情報としてその展覧会のレポートをお届けしたいと思います。

メディア芸術祭受賞作品展とは…?

まずそもそも、メディア芸術祭について公式サイトから説明を引用すると…

文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルです。平成9年度(1997年度)の開催以来、高い芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を顕彰するとともに、受賞作品の展示・上映や、シンポジウム等の関連イベントを実施する受賞作品展を開催しています。

出典:文化庁メディア芸術祭ウェブサイト(https://j-mediaarts.jp/about/)

受賞作品展は、そんなメディア芸術祭において受賞された作品が一堂に会する展覧会で、今年度は日本科学未来館で実施されています。会期は2022.9.16(金) ~26(月)です。


展覧会の様子を一部ご紹介します!

本当に多くの作品展示があり、会場には実際に作品を体験できるコーナーもたくさんありました。全部の作品についてはとても書ききれませんので、今回はそれらの体験できるアートを中心に、受賞作品をいくつかご紹介していきたいと思います。

すべての受賞作品は、メディア芸術祭公式ウェブサイトにてご確認ください。ちなみにTOPの写真はエンターテイメント部門受賞作品の「新宿東口の猫」です。

作品紹介

Augmented Shadow – Inside

作者:MOON Joon Yong[韓国]

10m×10m、高さ6mの巨大インスタレーション作品!


窓や椅子の形のオブジェクトが置かれている空間に自分たちも入ることが出来ます。懐中電灯のようなデバイスを手に持ち、あたりを照らすことで人物の影が投影され、窓の外にも人が行きかう様子を見ることが出来るインスタレーション。
不思議な世界へ没入して自身が作品の一部になる感覚が味わえるアートでした。


三千年後への投写術

作者:平瀬 ミキ[日本]

真っ暗闇に白黒写真のように図像が浮かびます。

作者は三千年後のメディアを考え、記録媒体に石を選んでいます。ぼんやりと光る風景や人物の図に、これまでの3000年、そしてこれからの3000年という長い年月に思いを馳せることができる美しい作品でした。

電力の逼迫や資源不足といったエネルギー問題から連想し、作者は電力が失われた時代における視覚体験を作品化した。

出典:文化庁メディア芸術祭ウェブサイト https://j-mediaarts.jp/award/single/projection-for-the-next-three-thousand-years/
(作品概要から一部抜粋)

上記の引用にもあるように、環境配慮に向けた問題提起や、媒体に依存しない持続可能なメディアアートとして受け止められます。
会場7階の部屋に展示されている作品です。


浦沢直樹の漫勉neo 〜安彦良和〜

作者:上田 勝巳/倉本 美津留/内田 愛美/塚田 努/丸山 恵美[日本]

上のモニターに手元がリアルタイムで映し出されるので、ちょっと緊張します。
取材されている漫画家の気持ちが味わえるかも。

NHKのEテレで放送されていた番組です。本作では『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』のアニメーターとして知られる安彦良和氏のマンガ家としての仕事に密着した映像を、著名なマンガ家である浦沢直樹氏の目線を交えながら見ることが出来ます。

会場にはお絵かきコーナーがあり、漫勉neoのように手元のカメラ映像がそのままプロジェクターに投影される体験ができました!実際にマンガ家が使っているであろういろいろな道具が置いてあったので、いろんなペンを試してみるのも楽しいかもしれません。


YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA

作者:YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE 制作チーム[日本]

コムアイさんたちの歌や演奏も美しかったです。

会場7Fにあるスクリーンで上映されていたライブパフォーマンス。ただパフォーマンスを記録しただけの映像ではなく、パフォーマーがゆらゆらとした点群データで表され、その演奏と歌声と合わさって、神秘的なものになっていました。解説をみると、3Dの点群データに加え、フォトグラメトリ、深度センサー、360°マイク…など様々なデータを複合して作られた映像なんだそうです。

元々ウェブブラウザで視聴できるように公開されているようで、ブラウザのほうでは自分のマウスの動きに合わせて映像も動く、インタラクティブな要素があるのですが、会場の大きなスクリーンと良い音響で体感するのも没入感が高くとても良かったです。


PUI PUI モルカー

作者:見里 朝希[日本]

羊毛フェルトでつくられたモルカーたちが並んでいました。
ぬいぐるみもキュートですね。

言わずと知れた人気作ですね。
個性豊かなモルカーたちの物語がストップモーションアニメで撮影されています。会場ではもちろんアニメーションの映像も見られますが、上の写真のとおり、可愛いぬいぐるみとフェルトのモルカーもみどころです!


北極百貨店のコンシェルジュさん

作者:西村 ツチカ[日本]

作者の方がメ芸マンガ部門優秀賞受賞記念として作られた『FINE/DEATH PROOF2』というZINEを配布していました。受賞作について、メディア芸術祭への想いについて、ラッパーのオノマトペ大臣氏との対談が収められています。

各日100部限定だそうです。


また、会場7階には実際に受賞作のマンガを試し読み出来るコーナーもありますので『北極百貨店のコンシェルジュさん』ほか、マンガ部門の受賞作品を手に取って、お気に入りの作品を見つけてみてくださいね。

第25回メディア芸術祭受賞作品展は9月26日まで!

ほかにも、VR作品の体験やアニメーションの上映会なども開催されており気になっていたのですが、今回全ては体験できずでした…。ご紹介しきれなくてごめんなさい。

会期が残り少なく、9月26日(月)までとなっておりますので、この週末の3連休に足を運んでみてはいかがでしょうか。
展示の量がとにかく膨大なのでお時間に余裕をもって、ぜひ作品展でいろいろ体験してみてください!


これからもイメージアーカイブ・ラボではアート情報を発信していく予定です。よろしければ、フォローお願いいたします。


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