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今を生きたい3人組。

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  • リレー小説

    3人でリレーで作る小説。

最近の記事

昔の写真や動画なんかを見て、落ち着いている自分を実感するのが嫌いだ。落ち着くことが大人になることなのか。落ち着くことへの価値を私はまだ見出せていないのに若い時より確実に落ち着いていってるんだ。

    • 素直に常識を疑う Bobbi Brown

      妹にお勧めされた、How I Built ThisをPodcastで聞いた。 これは起業家や創設者に、どうやってその会社やサービスを作ったのかをインタビューで聞いている番組だ。 Patagonia、Lonely Planet、Airbnbなどなど、聞いたことがあったり知っている名前ばかりだ。 その中で、Bobbi Brownの回を選んだ。 Bobbi Brownと言えば誰もが知るコスメブランドで、普段あまり化粧品を買わない私でさえ何点かアイテムを持っている。 可愛らしい感じ

      • 美容理論②コスメを選ぶ

        もうすぐ冬。 各ブランドからクリスマスコフレが発売され始め、コスメカウンターが賑わいを見せていますよね。私はクリスマスコフレは基本的に買わない主義なので毎年傍観するにとどめていますが。 ところで、私はコスメオタクであるので化粧品のオススメなんかをよく聞かれるし、その際には嬉々として聞かれてないことまで長文で送り付け質問者に引かれることもしばしば。 ただ、ぶっちゃけ私のオススメなんて聞いても無駄だと思ってるのも事実。 みんな違う人間で感性も肌質も骨格もセンスも歴史も違う

        • 美容理論①ブスも美人も心持ち次第

          18歳の夏、私はイタリアに行った。 昨日の夜友人と昔話をしながらmixiを開いたら、イタリアの写真が出てきた。 正直度肝を抜いたね。 衝撃であった。凄まじいブスがいた。 まず、めっちゃデブだったし、洋服のセンスも最高にださい。化粧もやばいし、何より表情がもちゃっとしてる。 せっかくイタリア来てんのに何だこの体たらく。愛おしいな。 あの時は環境の変化についていけなくて、もがいてたっけなとか色々思い出した。 周りが全部敵だった、思春期真っ只中。 調子に乗りまくった高校生ま

        昔の写真や動画なんかを見て、落ち着いている自分を実感するのが嫌いだ。落ち着くことが大人になることなのか。落ち着くことへの価値を私はまだ見出せていないのに若い時より確実に落ち着いていってるんだ。

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        • リレー小説
          18本

        記事

          第17話 普通の結末

          せわしない日々は翔に考える時間すら与えない。 オフィスで百合子の隣に座るたびに、早苗とすれ違うたびに、脳みそが焦げ付くような感じがした。 相手だって職場で男女の関係をどうこうしようともがく年齢でもない。 ただただ気まずく、期待と恨みを混ぜた視線を浴びせてくるだけだった。 こんな俺のどこが良いのだろうか。 その夜、急遽開かれた飲み会に、翔は嫌々参加した。 山本に強引に誘われただけだったが、あの一件で山本にも借りを作っていた手前断れなかった。 「仲間内だけの飲み会だ

          第17話 普通の結末

          第16話 改心

          全部リセットしたいな。 その夜、翔は珍しく弱気になっていた。最近色々ありすぎた。上手くやっていたつもりだった。しかしミスを挽回しようと百合子を利用しようとして失敗し、腹いせに今度は早苗。彼女に口をきいてもらったクライアントとの会食を終え帰宅したが、意気込むどころか消沈していた。 何をしているんだ、俺は。会社の女には手を出さないと決めていたのに。仕事に対するプライドもあったはずなのに。挽回したところで、今度は二人のケアをしなければならないだろう。そして更に姑息な手段を重ねて

          第16話 改心

          第15話 裏返し

          「ふふふ」 思わず笑えてきた。 喉から手が出るほど欲しかった翔の心を、その手で握りつぶしたい。 ぐちゃぐちゃにかき混ぜて、生ゴミと一緒に捨ててやる。 傷ついた翔の顔を想像して、百合子は自分の乱れた感情を取り戻そうとした。 完璧に仕事をこなす、クールな才色兼備。 怒りと恥ずかしさと惨めさでまだ赤い頬を、なんとか微笑で打ち消しながら、百合子はトイレを出た。 ガサツそうで百合子の人生で最も関わり合いの無かったタイプの男は、ソファーでイビキをかいている。 ふと翔を探すと、ベランダ

          第15話 裏返し

          第14話 それでもいい

          こんな展開は予想していなかった。 翔に言われるがままついて行き、軽い夜食を作った。 ついこの間までお弁当を届けていたこのマンションに、実際に翔がいるのが変な感じがする。 これからは、こんな景色が増えるんだろうか… 「うまい!ほんとうまいよ、これ」 珍しく大きなリアクションをする翔がかわいい。 こんなもので良かったら毎日でも作るのに。 「ほんと、すごいよな。料理もできて、仕事も完璧だし…」 そんなことないよ、と謙遜しながら、今更気づいたの?と心の中で呟く。 ずっ

          第14話 それでもいい

          第13話 切り札

          それから緊急会議が開かれ、翔が担当するはずだった業務は山本悟に引き継がれることになった。 今までの成績や貢献を考慮され、表向きな処分は幸いなことにひとつ仕事を失っただけだ。しかし、積み上げてきたものが確かに崩れていくのを感じた。 「芹沢、お前は人当たりもルックスもいい。人事部に異動したら一番能力を活かせるんじゃないか。」 会議の終盤、上司が笑顔で冷たく言い放った言葉が、脳裏に焼きつく。 その言葉の真意は分かっていた。もう後はない。何度も前例を見てきている。 もう大

          第13話 切り札

          第12話 看板

          別に何の予感もしていなかった。 その日はただ普通の1日で、朝はいつも通り起きるのが億劫だったし、なんならくだらない情報番組の占いは1番運勢が良かった。 強いて言えば数日前の真知との夜を思い返しては、少し浮き足立ってたぐらいだった。 希を言いくるめて一夜を共にしたことも、何故かあのバーにいたユキを冷たくあしらったことも忘れていた。 ランチをビルの中にある小洒落た中華で1人済ました後、スターバックスで濃いめのコーヒーを一杯買う。 気乗りのしない午後のスタートを、強い苦味で少し

          第12話 看板

          第11話 思い出してよ

          終電はもうない。 秋の心地よい風が、夜の12時半を回った六本木を通り抜ける。 なんの根拠もないけど応援されている気がした。 今日はきっと、あの人に会える気がする。 ショーウィンドウに飾られたブランドバックを眺め、あの人はいつかこんな素敵なバッグをプレゼントしてくれるだろうか、と妄想だけが早足で進んで行く。 酔った勢いで「好き」と言ってしまって、逃げるように別れてからもう一ヶ月以上経った。 あれから何回か連絡をしてみたけど、忙しいのか断りのスタンプが送られてくるだけ。 バカ

          第11話 思い出してよ

          第10話 ハリボテ

          結局こうなったか。希は触れ合うことで温まる体温に逆らい、心が急速に冷えきっていくのを感じていた。 こいつの正体は分かっている。その場しのぎの優しさであることも、希との将来のことなど何も真剣に考えていないことも。でも、逃すのは惜しいと思っていることも。 いつも人を見下してーーいや、違う。上にいることに馴れすぎている。幼少期から容姿端麗スポーツ万能成績優秀、そして家柄の良さ。劣等感をも抱かせない完璧さは周りを羨望させ、遜らせる。彼にとって、周りに人がいて愛を与えられることは当

          第10話 ハリボテ

          第9話 嘘の定義

          「久しぶり!」 できるだけ、何事もなかったかのような声を取り繕った。 大体の場合はこちらが相手の雰囲気にのみこまれないようにすればなんとか切り抜けられるのだが、今回はちょっとやっかいだな。 「どっかで飲んでたの?ずっと待ってた。」 「そうなんだ、驚いたな。ちょっと会食があって、軽く飲んでたんだ。」 「なんでずっと無視なの?電話もメッセージも、すごいしたのに。私、何かした?怒ってるの?」 希の真っ直ぐ、だけど滲み出る非難の目線が痛い。 涙が目の縁にちょうど溢れようとしてい

          第9話 嘘の定義

          第8話 嵐の前に

          結局バーには行けず、気づけば金曜日になっていた。 悟のおかげか、一昨日から弁当が届いていない。 何日かぶりに顔を合わせた渡辺百合子は、翔と一切目を合わせず黙々と仕事をしている。 いつもなら何も言わなくても、コーヒーやお茶を「ついでにいれたよ〜」と持ってきたのに、今日はそれもなかく、欧米のラージサイズのようなタンブラーになみなみに入ったブラックコーヒーを片手に、画面に集中している。 「忙しいアピールか。まぁ、どうでもいい」 翔は席を立ち、オフィスに直結しているカフェテリ

          第8話 嵐の前に

          第7話 追い込まれた女

          ガコン、ガコンガコンガコン 早苗の下卑た笑みが霞んでいく。 さっきまで高台から哀れな早苗を見下していたのに、自分がどんどん小さくなっていくのがわかる。 耐えられない、耐えられなかった。 「えーなにそれ、そんな噂あるの?」 上ずった声を落ち着かせながら、できる限り自然に席を立った。 トイレの個室に入り状況を整理する。 毎日お弁当を作っていることは翔と私の秘密のはず。 特に感想もないけど、別にそんなの気にしてなかった。 それをなぜか早苗ごときが知っている。 翔が早苗に言

          第7話 追い込まれた女

          第6話 できっこないをやらなくちゃ

          見た目がめちゃくちゃ好みで、相性も良い。 そんな人に出会うことはかなり稀だ。 そこから更にその人がたまたまフリーで、二人で何度か会ってくれるなんて奇跡に近い。 そしてそして、自分のことを好きになってくれて、最終的に結婚をするなんてどんな天文学的数字になるんだろう。 近藤真知にとって、そういった意味で亮太は奇跡のような存在だった。 奇跡だった。もう一生ないと思った。だから絶対にモノにしたかった。その思いが強すぎたのかもしれない。 天文学的数字を叩き出すのがこんなに難

          第6話 できっこないをやらなくちゃ