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【放送後記】#7 コミュニケーションの性差:面白い女性の印象は?

男女差の研究の不思議

 心理学の研究をする時に気をつけることの1つに(性差:男女差)があります。男性と女性では心理的メカニズムが違うことが想定されていることも多くありますが、最近の研究では「性差無し」という結論にいたっているものも多くあります。たとえば、「理系脳=男・文系脳=女」の前提にありがちな書籍がたくさんありますが、前提自体に根拠がないことが明らかにされています。今回の放送のコミュニケーションいついても、性差について話していますが、研究によっては性差がないとされているものもあるかもしれません(放送の内容については一応、科学論文から情報を収集して集めております)。コミュニケーションの性差については、脳機能の性差から考えるよりも、性役割的なものが大きいように感じます。放送では、面白い女性は異性からモテないという研究について触れましたが、この「異性」という観点も今後は考えていく点になるような気がします。余談ですが、放送で話した通り、私は面白い人というか、変わった人が好きなので、実験結果とはことなるタイプの人間なのかもしれません。

男性は本当に論理的なのか?

 「男性は論理的なので、女性の話にイライラしやすい」ということをよく聞きます。また、奥さんの話を聞く夫がよく言っているセリフとして「結局、結論はなんなの?」と、結論から話すことを押し付けてくることがムカつくと聞くことも度々あります。カウンセラーとしてではなく、一般の成人男性として多くの男性と話す機会が多いのですが(たとえば、立ち飲み屋でたまたまご一緒した人や、スーパー銭湯でたまたま意気投合した人など)、特に、論理性や結論から話すような人が多いようには感じません。男性だって話が長い人はたくさんいますし、論理的じゃない人もいますし、同じことを言っている人もいます。きっと、論理性や結論を求めやすい人は、話を聞くというよりも、問題解決モードの状態だと思うんですよね。でも、問題解決を望んでいない人からすると「何も話せない・・」となってしまうので、ある意味、意思疎通が取れていないのかなと思います。居酒屋での話は、問題解決なんてしようとしていないことがほとんどですから、多くの人がじっくり聞くか、たくさん喋るかの、いずれかの役割に徹しているように感じます。この放送では、コミュニケーションの性差を題材に話しましたが、人それぞれの個性があるので、性差よりもその人の個性を重視したコミュニケーションを気にした方が楽しいかなと思います。

心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。