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月待猫のうた

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思いついた詩の缶詰をつくります。そのときの「うめき」のようなものなので、人にみせるようなものではないかもしれませんが、ご笑覧ください。
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2019年1月の記事一覧

やさしい弾丸

やさしい弾丸 曲がることなく やさしい弾丸 撃ち抜かぬことなく やさしい弾丸 苦しむことなく だれもをみんな、安らかに。 その弾道を血に染めて。 それでもいつも祈ってる 撃ち抜く彼らの平穏を。

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空への祈り

車を運転していると 少し先に横たわるものを見た ネコの亡骸のようだった いつもそうしているように わたしは神妙なふりをして 頭の中で手を合わせ ほんのひととき 「いのち」を考え、 はかなさに祈りを捧げた 「ネコ」だったものを、 静かに空に見送るように。 しかし その「なきがら」を通り過ぎるとき はたと、それが 脱ぎ捨てられたマフラーであると気づいた 雨に濡れ、風にさらされたマフラーが、 くたっと道端に在るだけであった なるほど 時の流れと風雪は マフラーの魂をボロボ

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