荒野雨宿り

「AIってさ」
「えーあい」
「うん、水をすごく使うんだって」
「へー」

彼女は知らないことにもちゃんと相槌を打つ。

「たくさん考えるとさ、ほら知恵熱でるじゃん」
「うん」
「冷やすじゃん」
「うん」
「AIもさ、たくさん考えるでしょ」
「なるほど、それで」

「そう。それで、さ」

雨がふる荒野で、二人は雨宿りをしながら。

「あ、じゃあさ。もしかして」

「豪雨が続いてるのは、地球も考え過ぎてるのかもね」

「・・・そうかも」

僕は相槌を適当に打つ。

地球上に、緑というものがなくなって。
そんなことをキミに伝えたいわけではなく。

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