Togashi

本を読んだり、感想を書いたり。あと考え事など。

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感想 映画 『ウォルター少年と、夏の休日』

(2003年/アメリカ/青春映画) 40年間蒸発していた大叔父2人。ある日突然彼らに預けられる少年が主人公。 預けられた理由がひどいもんで、叔父たちが持っている莫大なお金をどうにかもらえないかと考えた母の策略があった。 堅物な叔父2人は大いに反対するも、頑なな心も徐々にほどけていく。 そんな2人の若い頃のエピソードを聞いて、少年は徐々に自分の感情を表に出していく、といったお話。 母の抑圧下で自分を出せずにいた聡明な少年が、叔父たちの若いころの夢のような話に魅かれ、自分を出

    • 感想 映画 『もののけ姫』

      (1997年/日本/アニメ映画) 昔テレビで見たけど、あらためて全編見てみた。 大人になってから見てみると理解できることもあるなと思う。 エミシ村を出たアシタカ・エボシが統治する女性優位のタタラ場・森の神シシ神様・シシ神を狙うジコ坊 など、ほかにもたくさんの立場の者が存在する。 根底には自然破壊と差別か。 エミシ村の人たちにせよ、タタラ場の人たちにしても、大きな時代の流れの中でひっそりと自分たちの居場所を見つけて暮らしているように見えるのに、その中で困窮したり、自然破壊

      • 感想 映画 『スタンド・バイ・ミー』

        (1986年/アメリカ/青春映画) 4人の少年たちが線路の上をひた歩く姿が印象的な映画。 それぞれが家庭環境に問題を抱えていて不思議と仲間のように集まっていた。 列車にひかれたという遺体を自分たちで見つけだして有名人になろうという計画。 こんな後ろ暗い目的に彼らを向かわせるのは何だろうと思いながら見ていた。 主人公は兄を亡くした気持ちを引きづったままでいる。両親は優秀な兄をつよく愛し、その分失った悲しみから立ち直れずにいる。そんな両親の様子を見て、自分は愛されていないん

        • 感想 映画 『プラダを着た悪魔』

          (2006年/アメリカ/ドラマ) ジャーナリスト志望なのにファッション雑誌の会社に就職した主人公が、タイトルの悪魔のような上司ミランダにふりまわされながらやりがいを見つけていくような物語。 最初からミスマッチと自覚する職に繋ぎとして入ろうとする主人公はある意味図々しくもあるが、気持ちがいい性格だなと思った。 ファッション業界が舞台となるだけあって、流行の服の色一つとっても企業が決めるんだなってこととか、主人公がお色直ししたときの見た目の変化には驚いたね。 最初のままの主人

        感想 映画 『ウォルター少年と、夏の休日』

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        • 映画の感想
          8本

        記事

          感想 映画 『きっと、うまくいく』

          (2009年/インド/コメディ) インドの大学生の厳しい競争社会をコメディで描く。 ステレオタイプにイヤな奴として描かれる校長や先生たち。主人公のランチョーはそんな中、持ち前の科学知識で自由に立ち回る。 競争社会の厳しさや自殺など後ろ暗い背景なども描かれるが、明るい音楽と踊りで楽しく見られる。 人生の折り目にふと闇がふさがるが、そのたび陽気に立ち直ることを繰り返す。 「うまくいく」っておまじないが残る、いい作品だったね。 主人公のライバルにもなれていなかった、学歴自慢の

          感想 映画 『きっと、うまくいく』

          感想 映画 『ドリーム』

          (2016年/アメリカ/伝記映画) 今より黒人差別も女性差別も色濃かった1961年のアメリカが舞台。 NASAで計算手として働く黒人女性たちが主人公。 面倒な仕事を乱雑に任され、コーヒーポッドは白人用と黒人用で分けられ、また建物の中に黒人用のトイレがないなど当時あった差別が描写されている。 Fortranというプログラミング言語が出てきたのは、いちプログラマーとしては面白かった。 イノベーションの誕生は既存の価値観の展開には寄与する。 作中ではあくまで主人公たちの頑張り

          感想 映画 『ドリーム』

          感想 映画 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

          (2017年/アメリカ映画/伝記) ▼あらすじ マクドナルド創業期の実話をもとにした映画。 マクドナルド兄弟が発明した効率的なハンバーガーの製造工程・販売方法。それに目をつけて全米に広めようと画策するレイ・クロック氏を主人公とした物語。 兄弟の夢を軸にしたきれいな物語と、クロック氏の強欲とも見える強気な拡大戦略が対比されてなんともビジネスの世界は希望もないなと思わせる。 結局クロック氏は何をしたのか? ただ自分の名声のために拡大戦略を進めていただけでは?と思わせるような展

          感想 映画 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

          感想 映画 『世界で一番ゴッホを描いた男』

          (2018年/中国・オランダ映画/ドキュメンタリー) ▼あらすじ 中国でゴッホの複製画を描く家族を追ったドキュメンタリー映画。 主人公のシャオヨン氏は20年間ゴッホを描き続け、家族・弟子たちとともに日々たくさんの複製画を作りながら生活をしている。 絵に対する厳しい姿勢、それに反感を持つ弟子の様子。 また、苦しい家計の事情がありながらもゴッホへの思いが募るシャオヨン氏がの様子が描かれる。 「本物のゴッホを見てみたい」 複製画を売っている画商の伝手でオランダの美術館に行き

          感想 映画 『世界で一番ゴッホを描いた男』

          感想 映画 『ボヘミアン・ラプソディ』

          (2018年/イギリス・アメリカ/伝記) イギリスのロックバンド・クイーンのリードボーカルであるフレディ・マーキュリー氏の半生を描いた映画 ▼あらすじ - 学生時代の両親との関係性 - バンドの結成エピソード - 作曲シーンやレコード会社のお偉方との衝突 - フレディ氏のセクシャリティに関連した恋愛の話 - メンバーとの衝突 - ソロ活動の不調 - エイズ感染 - 復帰と最後のライブ開催 といったエピソードが紹介されていた。 ▼感想 うーん意外と感想が書きにくい。 エピソ

          感想 映画 『ボヘミアン・ラプソディ』

          感想 映画 『ねじ式』

          (1998年/日本/漫画原作/シュールレアリズム) ▼原作漫画の背景 原作漫画は1968年、作者が夢の中で見た光景を作品にしたという短編。 痛快な物語でもなく、社会に訴えるメッセージもなく、ただ海でけがをして病院を探してさまよう男を描く。その過程で奇妙な街並みや建物を通り過ぎるというだけの漫画。 街並には元になるフォトアートがあるようで、印象的な背景はそれゆえ。 これが当時あまりに斬新だったということで、社会不安を加味した考察や論評が評価を呼んだ。 こんな漫画で良いのか

          感想 映画 『ねじ式』

          感想 映画 『イエスマン “YES”は人生のパスワード』

          (2008年/アメリカ/コメディ) ▼あらすじ 仕事も恋愛もうまくいっていない中年男性の主人公。 個人融資をする銀行員である仕事柄、NOを突き付けるのがクセになっている。 クレイジーさを感じる友人から誘われた自己啓発セミナーで、質問にはすべて「YES」と答えるように言われ、ビックリするほど素直に従って生活してみるというお話。 最初こそホームレスにお願いされて、山奥まで車で連れて行ってあげたうえ、貸した携帯電話の電池が切れ、ガソリンまで切れてしまう災難に見舞われる。 しか

          感想 映画 『イエスマン “YES”は人生のパスワード』

          感想 映画 『ダーティハリー』

          (1971年/アメリカ/アクション) クリント・イーストウッド主演 (概要) 正義感はあるが組織のしがらみには合わず、上司とぶつかる主人公。 タイトルの「ダーティハリー」と呼ばれる通り、汚い仕事ばかり担当している。 今回の犯人はスコルピオと名乗り、狙撃銃で高所から罪のない人を撃ち殺すサイコパス。現場には警察に対する挑発的なメッセージを残す。 組織や社会の規範によって思うように活動できない煩わしさと、それをあざ笑うような犯人、しびれを切らした主人公がアウトローな手段で事態

          感想 映画 『ダーティハリー』

          感想 映画 『不都合な真実』

          (2006年/アメリカ/ドキュメンタリー) アメリカ合衆国の元副大統領であるアル・ゴア氏による地球温暖化問題に関する1時間半にわたるプレゼンを映画にしたもの。 (あらすじ) 地球温暖化の問題は大まかに分けて2つ。 1つは温度上昇による生態系の変化。 疫病を伝搬する蚊の生存範囲よりも標高の高いエリアに都市を築く民族は意外にも多いそう。人間と共存するには危険度の高い生物はほかにもいるそうだ。 2つめは氷河が解けることによる海水面の上昇。 南極の土地が世界地図でもわかるぐらい

          感想 映画 『不都合な真実』

          感想 映画 『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』

          (2017年/日本/ドキュメンタリー) アメリカの統治下にあった時代の沖縄にいた瀬長亀次郎氏を追ったドキュメンタリー映画。 (あらすじ) 米兵による婦女暴行など凄惨な事件があり、米国への批判が高まっていた。 瀬長氏は、議員の立場で米国批判をし、民衆に寄りそう姿勢と持ち前の雄弁さによって民衆からの信頼を獲得していた。 米国はそんな瀬永氏に対し、新たな共産主義の指導者になりうる危険分子とみなし。監視の目を向けて政治的な圧迫を繰り返した。 そのうちに、投票によって亀次郎氏が得

          感想 映画 『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』

          感想 映画 『トップガン』

          1986年のアメリカ映画 トムクルーズ主演 戦闘機パイロットの養成機関を青春群像として切り取る。 なので、敵機を落とすときに相手の家族を思い浮かべるような重た〜いテーマなどには触れはしなかった。 この舞台で、青年的な恋愛模様を描いたり、仲間を失う悲哀がまるで少年誌の1幕のように描かれたりするのはちょっとどうなんだろう?と思ってしまった。 こういう描き方もあるんだなーと思う。 アクションシーンには迫力があった。 音声やスコープがチープに感じたがこの時期を考えれば上々、トム

          感想 映画 『トップガン』

          感想 映画 『最強のふたり』

          2011年フランスの映画。 頸椎損傷で首から下の感覚がない白人男性のフィリップと、その世話をする黒人男性のドリスを描いた作品。 タイトルの通りこのふたりの悪友っぷりと、ハンディキャップがありながらも人生を楽しむ様子を見る映画。 ドリスの抱える黒人の就職の難しさや、フィリップが障害を負った背景などに少しは触れてはいたがそれらを深追いする感じではなく、ひたすらふたりが楽しむ様子が描かれていた。 ドリスの軽快さによって冷徹なフィリップ笑顔を浮かべるのが見ててもうれしくなった

          感想 映画 『最強のふたり』