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「会社をより良くするんだという病」と微生物

クラシコムは、私が入社した約2年前は20人ほどだったのが、今は50人を超えています。
社員数が増えていくにあたって、ここ一か月くらい、

チームのマネジメントの仕方って、今までと同じままでいいんだっけ?
この先、会社全体がどう目線合わせしていくんだろう?
ミドルマネジメントって超大事だけど、超難しくないか?!

と、組織周りの疑問が湧いてきた、と同時に、

いや、これは私の仕事だ!!(広義ではそうではあるかもだけど)
なんとかしなきゃ!!(いや別に何か特段問題が起こっているわけではないんだけどね)

と息巻く私。

なんなら、これは会社の中で最も重要なテーマなのでは!!?

と思ってた。

いや、もっと正直に言うと、

こんな大事なテーマ、みんな一番に取り組もうよ!会社のためにはそうすべきだよ!!

くらいの圧あったかもしれない。

でもそれは、「私が会社をより良くするんだ病」にかかっていたかもしれないという、今日はそういう話です。

貢献したいというエゴ

約2か月前から、チームビルディングや組織開発を体験を通して学ぶ、半年間のワークショップに参加させてもらっています。
参加者は8割以上が全国各地の会社を経営する方々で、そんな仲間たちと、人の集まりがチームになるプロセスを学ぶことができてとても楽しんだけど。
一昨日も、その4回目のセッションがありました。

ワークはいつも、各自の近況報告からスタートするので、上記課題感を熱く披露したわけです。
つついさん、そんな目線の高いこと考えててすごいね、偉いねって言われたかったのかもしれない。

そしたら、

「より良くしたいって、自分のエゴじゃない?」

と、ある社長さんからのコメントにハッとしました。
言われたその時は、心がズキッとしたのだけど。
・・・まったくその通りだと思います。

自分のリソースを使って、自分のためだけに働くのはちょっとむなしいし、せっかくだから会社に貢献したい(その先にいるお客様に喜んでんもらいたい)と思うこと自体はとても良いこと。

でも、「会社のためになること」というキラーワードを盾にしたら、すべてが容認されるわけじゃない。

当たり前だけど、物事には優先順位があって、今はそれではない、とか、全体のバランスってもんがある。(特に経営者には視座も高く遠い景色が見えてるしね)
なのに、貢献するためのものだから正しいに決まってんでしょ!
今すぐ、それ相応の扱いとしてこの課題大事に受け取ってよね!!って、それは私のワガママだ。

大体において、何かやることを我慢する

じゃあどうすればいいのかというと、一昨日の学びとしてはこの3つ。

①じっと見る、観察する
②気付いたことのすり合わせをする
③(大体において)何かやることを我慢する

ワークショップ参加メンバーの中に、北海道 北見の地で、微生物の力を使って消臭剤を作っている会社の経営者の方がいらっしゃるのですが、(この「きえ~る」っていう消臭剤が、私も偶然ハンズで買ったのだけど大変にすばらしい)

秋が来て、落ち葉や川を上っていく鮭、北海道の大自然の移り変わりを目にし、

組織ってコントロールできるものではないな
何が良い状態で何が悪い状態かというのは、自分が勝手に決めているだけかもしれない

と思ったとのこと。腐敗も発酵も紙一重だって。

青木さん(クラシコムの代表)もよく言っているけど、会社も有機体だから、短期的・単視眼的に見た中で引き出した課題に基づいて、急に不自然な何かを与えたら全体のバランスが崩れてしまうかもしれない。

「きえ~る」をつくっている微生物を扱う職人さんたちは、毎日毎日、微生物たちの様子を観察、何か変なことが起こっていないか確認するのが大事な仕事とのこと。
とにかく見るだけ。(時に、食べたり触ったりしてるかも。でもそれはものすごく繊細に機微に見ているのだと思う)

私も同じように、組織やチームの様子を、じっと見て観察しよう。(ついつい色々言ったりやったりしたくなるけどね!!)

そして、そこで気付いた変化や兆しみたいなものを、

「私には今までと違っていて、こう感じられたんだけど、どう思う?」
「今起こっているこれって何なんでしょうね」

と、周囲とすり合わせをする。(じゃないと、自分の中で貢献エゴに発展しちゃうから)

変化に敏感であることは大事だし、気付きがあったときに、「え、これ悪くなってるんじゃない!?このままでいいの!!?」と焦るんだけど、得られたインサイトを勝手に大きくしてあたふたするのではなくて、まわりにいる人たちとおしゃべりしながら、じっと我慢して見続ける。

みんなとシェアした上で、過去の経験や結果を鑑みてもどうしてもこれはおかしい、何とかしないといけない、という点に達したときだけ、少しだけ手を加える。(そこの見極めはとても繊細な作業であるべきだと思う)

良いものは、時間をかけてホリスティックに良いものになっていくのだよね。

秋の夜長に、ヒラク大先生の本を読んで、組織と微生物に思いを馳せようと思います。


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