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タメ口について、

村上春樹の作品にも多くのキャラクターが初対面からタメ口で会話をはじめるシーンが多い。相手と親近感を持つためだとか、性格をより鮮明に表せるためだとかいろいろ解析しているが、韓国ではそれらを丁寧語に訳す場合がほとんど。タメ口そのままに訳しても原文にない一句「性格がとても活発であるように彼女は最初からタメ口で話していた」などが加えられている。
韓国ドラマを見ても、オードリー・ヘプバーンのような格好をした貴婦人が20代女性にタメ口で話かけたら、若い女性が「おばさんなぜ先からタメ口ですか?おばさん私の友達ですか?」と問いかける場面があった。ついでに、その女性は後日貴婦人の息子さんと交際をはじめた。

この前、書類発行のために区役所に行ったけど、スタッフが終始不機嫌そうなタメ口を使っていた。30代半ばで身長165センチ未満、くせ毛に白髪が三分の一ぐらい混ざっている感じ。黒縁のレイバーメガネをかけて、その奥には大きくも小さくもない丸い目が鳩のように光っていた。不丁寧までは言わなくても、お会計金額を間違えられた時は小さい片手をこっち向けながら「ごめん、ちょっと待って」とか言われて、帰り際に首にかけてある名札を見て「◯邉さんはなぜ最初から最後までタメ口ですか?」と聞いた。そしたら、態度が一変して、「申し訳ございません、外国人には、いや、外国の方にはわかりやすいようにタメ口を使ってるんです。」ええ?と思って、だってこっちは下手な日本語であっても一生懸命丁寧語使ってんだよ!日本語入門では「です・ます」型から習うんだよ…「なるほど、外国人にはタメ口使ってるんですね、ふーむ」と言ったら慌てて、「いや、そういう意味ではなく、今後気をつけます。申し訳ございませんでした」ともう一回謝られた。
なんだ、お友達になりたいのだと思ったやん…

数年前に勤務先契約検診機関でも胃カメラしてくれたお医者さんからもタメ口で話された。「あなたみたいな中国人やフィリピン人はピロリ菌が多いけど、あんたは大丈夫だな…薬はいくらでも出せるけど…」なぜかかなりインパクトがあったし、衝撃だったのでずっと覚えている。当時は体調があまり良くなく、おまけに鼻に麻酔までかけていたのでなんの反論もできずそのまま病んだ鶏のようにゆっくりと退室したけど…その◯東という先生もくせ毛だった。おそらく悪意はなかったと思う(くせ毛のことではない、くせ毛はくせ毛で良いと思う)が、その後しばらく周りの友人に「あなたはピロリ菌感染者ですか?」と質問するようになった。ちなみにピロリ菌感染のしたことのある日本人が数人もいて、子供のごろ井戸の水を飲んでいたとのことだった。いずれにせよ、あのくせ毛の◯東先生のところにはピロリ菌に感染した中国人とフィリピン人が多かったかもしれない。以降そのクリニックは一度も行っていないけど…

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