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お守りのような、手紙のような

ZINE「あじさい」を販売しはじめて、3カ月。100冊刷った在庫はほとんどなくなった。やっと少し落ち着いてきたので、この3か月を振り返ってみようと思う。

ZINEに関するイベントを終えて

8月中旬に新潟市でのZINE販売イベント「ふふふのZINE」を開催した。発案・企画者のさくらちゃんと、一緒に本のマルシェイベントをやろうとしていた野呂さんと3人で、オンラインミーティングを繰り返して試行錯誤しながら実行した。コロナで日程が変更になったり告知が遅くなったりする中で、30作品もの出品と100人以上の来店があったのは、第一回としては成功だったと言っていいんじゃないだろうか。

「頭の中のふふふ、をZINEにしてみる」というコンセプトから、はじめてZINEをつくったり知ったりする人が増えるといいなと思っていたけど、その点においてもいい結果だったな~と思っている。(あじさいも1日で売り切れました^^)

https://www.instagram.com/fufufu_zine/

▲出品作品はこちらか見られます

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そして、偶然同時期に、お隣の富山県でも今年初めて開催したというZINEのイベントが。「zine zine zine2020」と題したイベントで、「ZINEと、」という名前で活動しているお二人が開催しており、遊びにも行かせてもらった。

https://zineto.jimdofree.com/zine-zine-zine-2020/

初めての試みだったりZINEが浸透していない地方でやっていたりといくつか共通点があり、「今回開催してみて思ったことなどを交換したいですね!」という話になって、9月22日にはZOOMを使って一緒にトークイベントも開催した。

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ZINEイベントに来た人や、ZINEを出品した人や、行きたかったけどいけなかった人など、いろいろな人が参加してくれて、チャットでたくさんやりとりができたのがとてもよかった。ゆるやかに、こういう小さな表現が好きな人たちとつながった感じがあった。

なぜ、誰かの頭の中をのぞいたようなZINEを見ると嬉しくなるのだろう。注目するポイントも、書き方も、つくりかたも、みんな違うからだろうか。その人がそのままそこに見えるような気がして、「違っていいんだ」とどこかで思えて、思わず頬が緩む感じ。ZINEの良さが少しずつ言葉になっている。

そしてZINEは、ゆっくりしか届かない「静かな声」だけど、「たしかな声」だと思った。今年、ますますこの国の未来が寂しくなるような政府のニュースや選挙の結果を何度も耳にする。Twitterでもテレビでも、話題になるあれこれは、一時的で消費的で、どこか表面をなでているようなもどかしさがあった。そういうメディアと相反するZINEには、本質的な、少し遠い未来に必要な何かがある気がする。一見関係ないような内容でも、小さな自分を創造すること・声を残すことそのものがささやかな抵抗なのかもしれない。(もちろんTwitterにもテレビにも役割はありますが)

ふふふのZINE開催から2カ月、すでに「来年なにかつくって出品してみない?」という声を何人にもかけている。今まで作家活動をしてたわけではない人たちだ。そういう声をかけることができるのも、第一回をやったからこそ。どんな世代でもどんな分野の人でも作れるのがいいところだ。今からとっても楽しみ。

「あじさい」読んだよ

イベントと同時に、ZINE「あじさい」もSNSを中心に広まり、いろんな人の手に渡っていった。paypayでお金をもらって、スマートレターで発送。便利だなあ。

あじさい_200722_12

驚いたのが、「あじさい」を買ってくれた人が何人も、感想を長文のメッセージでくれたりSNSに載せたりしてくれたこと(すごく尊敬していた方には、お手紙までいただいた…)。そしてそのメッセージにいくつも「つくってくれてありがとう」の文字があったこと。「ありがとう」って言いたくなるZINEだったとしたら、こんなに嬉しいことはない。

「自分の弱さを出していいんだと思えた」
「共感しすぎて3回読んでます」
「素晴らしくって、愛らしい体験だった」
「悲しくて泣くわたしを見守ってくれるような言葉たちだった」

こんな身に余る言葉ばかりだったから、日常の合間に、「あじさい読んだよ」ってメッセージが入ってると車の中でも打ち合わせに向かう途中でもにやにやしてしょうがなかった。買ってくれた人たちは多くが私と顔見知りだったけれど、今までしてきたコミュニケーションとは違う感覚。久しぶりに会ってごはん食べながらおしゃべりしながら共有するものとはちがう、少し間接的な手紙のような感じだった。

その中のひとりが、「お守りみたいだ」って言ってたんだけど、私にとってもお守りのような存在になっていたかもしれない。目まぐるしいスケジュールの中で、いろんなことに心動かされぐるぐる葛藤しながら進む私にとっては、「あじさいの中に1人ゆるぎない自分がいる」ような感覚があり、あじさいがあると思ってるだけで、自分を見失わずにいれそうというか、杭になるような気がするのだ。

デザインも文章も素人感まるだしだけど、つくってみてよかった。そして、「次はどんなZINEにしようかな」と今、アイデアややりたいことが増えていっている。あじさいは「私の頭と心」だから、日々変わる私と共に続いていく。それもイベントと同じだけど、1冊目をつくったからこそ。行動の一歩というのは本当に大きい。

日々の問いを共有する

最近も、本当にいろんな人の言葉や風景に刺激をうけて、いろんなことに葛藤している私。ZINEづくりより少し大きなこの先のやりたいことについても考えているし、全く関係のない概念的な部分についてもよく考える。

感情と感覚はどう向き合っていけばいいのか?集団と個人のバランスはどうあるべきか?自然と人間の調和をするにはどうしたらいいのか?家族や結婚ってなんなのか?などなど…

そんな問いを共有できる人が本当に大切。あじさいをつくったあきちゃんもそうだし、一緒にいるパートナーもそうだし、何人もいる。

そしてちょっと告知なのですが、その中の一人である、出会った時から「いいなあ」と思う感覚と人柄を持つ同い年の稲垣かの子ちゃんと、今月のオンラインツルハシブックスでトークをします!彼女は、出版社さりげなくの代表でもあり、これまで3冊の本を出版しています。彼女も、私にゆるく良い問いをいつも投げかけてくれる人。(打ち合わせでも元気をもらった)

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※こちらのイベントは非公開なので、連絡をもらえたらZOOMのURLを送ります◎

わりと、雑談っぽく話していると思います。その方がかのこちゃんの感覚が伝わりそうだし。私の周りの人たちは、あんまりかのこちゃんのことや出版社さりげなくの本のこと、知らない人も多いと思うので、知ってもらえたら嬉しいです~





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