まちづくり×メタバース ワークショップ開催レポート
こんにちは。インパクトラボの中井勇希です。
この記事では、2022年12月22日(木)に滋賀県守山市で開催した「守山市 まちづくり×メタバース 市民協働ワークショップ」の様子をお伝えします。
本ワークショップでは、メタバースに関する基調講演やまちづくりに関する話題提供をもとに、メタバースを初めとした先端技術を活かしたまちづくり、コミュニティについて参加者同士で意見交流を行いました。
ワークショップ開催の背景
近年、VRをはじめとするメタバースが注目されており、多くの企業がメタバース業界に参入しています。一方、行政によるメタバースの利用については、メタバースの箱があるだけで「人が集まらない空間」となってしまうことも少なくありません。ただただ流行に乗るだけで、実際の利用方まで考えられてないことや手法が確立されていない現状があります。
守山市は現在、新庁舎を建設しており、単に市役所の更新だけでなく、まち全体が新しい変化に対応しようとしています。そこでこのような「まちのあり方」を考える機会に際している守山市において、メタバースを初めとする最先端の空間・コミュニティ・コミュニケーション技術が市民生活にどのように影響するか、そして未来の守山市のまちづくりに期待するのかを考えるワークショップとして、本企画を実施しました。
本ワークショップには、守山市に関わりがあり、メタバースをまちづくりに活かす方法に興味のある方々を対象に実施しました。高校生や学校関係者、大学生、市役所の方々など、様々な世代の方々にご参加いただきました。
竹中工務店 石澤 宰様のご講演
基調講演として、株式会社竹中工務店の石澤 宰様よりご講演いただきました。石澤様からは、「メタバースとその周辺、竹中工務店が考えること」をテーマにご講演いただきました。
メタバースに関しては、メタバースの定義や動向、プロジェクト事例、Metaverse as a Tool / Target、メタバースの懸念などについてご紹介いただきました。
一例としてメタバースの説明では、メタバースの特徴によって世界を分類できる「デジタルツインの連続体」という考え方を紹介いただきました。
また、竹中工務店ならではの活用事例として「FOREST GATEWAY CHUO」のデザイン探索を紹介いただきました。空間の温度・気流・音響など目に見えない要素を可視化して、デザインを変更すると空間体験がどう変わるのかを分析して、よりよいデザインを探索できるということでした。
このような物理的空間と仮想的空間の特徴を理解した上で「体験を通じて共通理解を生むことが特に求められる局面」に活用すること、そしてその先にある業務や市民サービスのより良い提供の可能性の検討が、行政におけるメタバースの導入にも大切だと感じました。
最後にメタバースに対する懸念について紹介いただきました。
メタバースは多くの企業が参入している一方で、負の側面があることも忘れてはいけません。デジタルな生活が現実の生活を奪うことであったり、新たな経済権の発生によるハードルが高いこと、メタバースを作るための資源を他のことに使うべきという意見もあることを紹介いただきました。
このような批判的な意見がある一方で、メタバースが一過性のブームを超えて、社会に必要とされる価値に繋げてゆけるかどうかが重要とおっしゃいました。
守山市役所 杉本 悠太様の話題提供
基調講演に併せて、守山市としての現状やあり方について、守山市役所の杉本 悠太様からも話題を提供していただきました。
守山市は新庁舎を建設しており、旧庁舎をメタバース化してデジタルアーカイブをする案や、守山駅前の商店街をメタバース化する案など、話題提供をしていただきました。
参加者の声
参加者からは「これまでメタバースについて、様々なところで話を伺ってきたが、一番わかりやすい説明だった」といった声や「抽象的なイメージしか持っていなかったが、講演を聴いてメタバースを体系的に知ることができた」といった声がありました。
最後に
ご講演いただいた石澤 宰様、話題提供をしていただいた杉本 悠太様、そして関係者の皆様、および参加者の皆様にお礼申し上げます。
本ワークショップを通じて、メタバースの動向、活用事例を知ることができ、メタバースを活用したまちづくりのポテンシャルと課題について考える機会となりました。今後も更なる知見や考察を重ねることで、地域のメタバースの利用可能性を導くことができると考えております。
会場を提供いただいた今プラスの皆様、誠にありがとうございました。
本事業は令和4年度 滋賀県起業支援事業 「滋賀県起業支援金」のご支援の元、実施いたしました。
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