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忘れがちなひきだし

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忘れがちなテキストをしまっておく場所です。
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#平田オリザ

「伝わるをふやす」と「使うをつくる」

「言わなくてもわかってもらえる」というのはどんなに近しい間柄においても大抵は幻想に過ぎないんだよね。それを前提とするだけで、プライベートも仕事も以前より少しだけうまくいき出す。例えば、ちゃんと主語を使って話すとかそういう地味な事なんだけど、それだけで相手のストレスはぐっと減るのよ 本当にそうと思います。 親しい間柄ほど主語は省かれるこそ、仕事上でも、人との関係性を疎かにしないためにも大切。ぼくも職場で「主語はなに?」とよく聞いています。 平田オリザさんの『わかりあえないこ

久しぶりに頭にきたこと。

「とにかくコミュニケーション能力が必要。今の若い人はネットばかりでコミュニケーション能力がない」 は絶対ウソだと思う。 きちんと人の話に耳を傾け、多様性と互いの価値観を尊重できる人は圧倒的に若い人の方が多い。 コミュニケーションを目的にしてはいけない。 大切なことは互いの違いを知って、その上で歩み寄ることだ。 - - - - - - - - - たぶん、一番頭にきたのが「しあわせ」という言葉の扱い方だ。 しあわせは本来とてもパーソナルな領域だ。 だからこそ、他者

誕生日と文章と平田オリザ

今日は誕生日だったのですが 稲田さんお誕生日おめでとうございます! いつも優しい語り口調で書かれる投稿、楽しみにしてます。文章って、人柄出ますね… とFacebookでメッセージをいただきました。 うれしいです。 お返事に書いた内容が、期せずして自分の文章の考え方になっていたのでここに再録します。 *  *  *  *  * >いつも優しい語り口調で書かれる投稿、楽しみにしてます。文章って、人柄出ますね… とっても嬉しいのですが、ぼくの人柄は ・他者に興味がない

舞台『マッチ売りの少女たち』の感想(2013.3)

こんにちは。 『マッチ売りの少女たち』についてぼくが思ったことを書いてみます。これはぼくの理解ですし、そもそもあの演劇でこういう理解の仕方をすること、そしてそれを他者に伝えるということは蛇足でしかかないだろうなーと思うので、専用の私信だと思ってもらえたら嬉しいです。 まず、何度も出てきた「不条理」という言葉(パンフには不条理劇とまで書いていましたね)をぼくなりに定義すると「理由を説明できない暴力」だと思っています。 ここでいう暴力とは直接的な暴力ではなく、抗えない力だと