こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 小野不由美さんの「ゴーストハント3 乙女ノ祈リ 」についてです。

ゴーストハントシリーズ第三弾。

このシリーズは女子高生と心霊現象の調査をする美少年が霊能者たちと一緒に怪事件を解決するお話。

小野不由美さんは日本を代表するミステリー作家だが、このシリーズはティーン向けの少女小説。

少女小説は主人公が女の子、一人称語り、恋愛要素も入るという暗黙の了解があるが、そこは小野さん単なるライトな少女小説に収まらないです。

表面的には少女小説、中身はしっかりとミステリー小説になっています。

第一弾は主人公の学校で超能力、第二弾は洋館で幽霊、そして第三弾は女子校で次々と起こる怪現象を主人公たちは解決していく。

他のメンバーと違って、何も能力のない単なる女子校だった主人公の麻衣が、実はある能力を覚醒する！

それとナル（霊能現象を調査する会社の所長、美少年）の正体が少しづつわかっていくところが面白い。

シリーズものなので各キャラクターの性格がわかっていて、毎回舞台が違うというのが安心して楽しく読めますね。

ホームズや金田一やドラえもんもそうじゃないですか！

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物語は、ナルの心霊現象調査の会社に次々と同じ女子校の生徒から調査依頼がくる。

その学校の校長から依頼があったので、心霊現象調査の会社のバイトをしている主人公麻衣は所長のナルとその女子校を調査始める。

コックリさんによる狐憑き、美術準備室に出る幽霊、部室でもポルターガイストなどたくさんの細かい怪現象が学校の中で起こっている。

校内で聞き込みを続けると、スプーン曲げができる超能力少女の存在が浮上してくる。

その少女への学校側の扱いで酷いことがあり、この怪現象の原因なのか。

ただいつもの霊能者軍団がいくらお祓いや霊視しても霊の存在が見つからない。

真実を追う主人公麻衣とナルに、邪悪な存在が近寄ってくる。

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やはり今回の一番の見どころは主人公麻衣の能力の覚醒ですね。

夢を見る能力。予知夢というか真実に近い夢を見るというか。

他のメンバー、お坊さんや巫女さんエクソシスト、霊能者など皆能力があり、心霊現象調査会社の所長のナルは、圧倒的な知識と科学的な調査をする能力がある。

主人公だけが、平凡な女子高生で明るく元気なだけが取り柄で、またその平凡さが魅力でしたが。

まるでホームズで医者のワトソンが物語を語っていくのが面白いのに。

主人公にも能力の片鱗が見えるなんて、一体このシリーズがどうなるんでしょう。

所長のナルの正体も謎めいていますがw

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そして今回超能力者の話が出てきます。

超能力者ユリゲラーの来日時、スプーン曲げができるようになった人たちをゲラリストと呼ぶんですね。

1974年に来日なので、自分が４歳の頃、リアルタイムには記憶がありません。

けど幼い頃何度か超能力ブームがあってユリゲラーの名前やスプーン曲げは話題になっていました。

あれは一体なんだったのでしょうね。

この物語でも言っていますが、超能力の判断を、科学機関に任せたのではなくマスコミに任せたのが良くなかったと。

「マスコミなんかに任せてはいけなかったのです。彼らが欲しいのはセンセーションで、真実ではない」

う〜ん、この言葉は重い。超能力があるかどうかはわかりませんが。

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そして物語の中で金縛りについての言及がある。

「金縛りというのは、要は意識が覚醒しているのに身体は寝ている、ということなんだ。脳と身体とでは覚醒のレベルがずれている。これを寝入りばなに起こりやすく、寝入りばなの半覚醒状態では幻覚を見やすい。単に金縛りにあった、そのときに妙なものを見た、というだけなら、寝ぼけてたと考えた方が合理的だろう」

実際に金縛りに二回ほどありましたが、浪人時代ストレスもあり、金縛りが解けたらベットの上だったので、まさに夢だったんですね・・・・w

まあ今回は超能力から呪いへとテーマが移っていき、

なんだか霊現象より、人間の呪いの方が怖いですね。

今日はここまで。


「あたしがスプーンを曲げたせいで、あの子も人生、変わっちゃったなあ」
「そういう考え方って、不毛だと思う」
「だって。人間なんて、みんなそれぞれ自分のために一生懸命生きているんだし、他人の影響なんて言っても、結局選ぶのは自分じゃないですか。自分が自分のためにベストの選択をするわけでしょ。深く考えるの面倒だから、この場は状況に流されちゃえーそういう選択も含めて」
／P.176「ゴーストハント3 乙女ノ祈リ」より