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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.346 映画 デヴィッド・O・ラッセル 「ザ・ファイター」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 デヴィッド・O・ラッセルの 「ザ・ファイター」(2010/米)についてです。


実話ベースの二人の兄弟のボクシング映画。クリスチャン・ベールの演技が凄すぎる。

古今東西ボクシング映画はたくさんあり、減量の苦労や勝ち上がっていく過程や貧しい生活からの脱出や栄光からの転落など、物語にしやすいのでしょう。

この映画も兄弟や家族の葛藤が描かれている。

まあそこまでは普通のボクシング映画にありがちだが、
ちょっと一味すごいのは兄を演じるクリスチャン・ベールと母親を演じるメリッサ・レオの存在感が凄い。
そしてあまりにも多い7名ほどの姉たち。全員素敵じゃないところがw

そうこの映画のテーマは家族。それも近すぎるゆえに弊害や兄弟愛が描かれている。



物語は、アメリカ、マサセッツ州労働者の街ローウェル。主人公のミッキー(マーク・ウォルバーグ)はマネージャーの母親(メリッサ・レオ)が組む不利な対戦カードで負けが続いていた。

ミッキーは異母兄弟のディッキー(クリスチャン・ベール)からボクシングを習っていた。

ディッキーは元は強いボクサーでチャンピオンをあと少しまで追い詰めたこともある。ユーモアとカリスマ性があり人気だったが、喜怒哀楽の激しい精神的な弱さもあり今は麻薬中毒者になってしまった。

それでも街の英雄の兄はいつもミッキーに俺が全て教えたと威張り散らす。

ミッキーにはたくさんの姉がいて、いつも家では大騒ぎになっている。

そんな家族から縛られプレッシャーに負わされながら、主人公はある日バーで働く女性シャリーン(エイミー・アダムス)と知り合う。

兄のディッキーは堕落しある日窃盗で捕まり、助けに行ったミッキーも巻き込まれ拳に怪我をしてしまう。

これを期に父親とシャリーンは、母親とディッキーをミッキーから引き離しことを決心する。

母親と大人数姉は大激怒するが、ミッキーはシャリーンと共に新しいトレーナーを迎え試合を重ねていくと大連勝を重ねていく。

そしてついに次は世界タイトルマッチが決まった時に兄のディッキーが出所してくる。

父やシャリーンはディッキーがセコンドにつくことを反対するが、実は前の対戦の時、兄のアドバイスのお陰で逆転勝利ができた。

ディッキーは改心して麻薬には手を出さずに、シャリーンとも和解して、家族が一丸となってミッキーのトレーニングに協力する。

そして世界タイトルマッチの日が来る。



ボクシング映画と家族映画がうまく結びついた作品。

家族との葛藤がよく描かれている。

アカデミー賞を取った兄を演じるクリスチャン・ベールと母親を演じるメリッサ・レオはどちらも凄い。

そして一人一人はあまりフォーカスされないが大人数(七人ぐらい)の姉たちが実はすごく印象に残る。全員素敵じゃなくだらしなく実家にずっと居座って、毒親の母親の後ろをくっついて、文句ばっかり言っている。

ここまで強烈な家庭環境を描いた作品はあまりない。

もう邪魔で邪魔でしょうがないけど、監督はそんな環境を描きたかったのでしょうね。

ロケーションもローウェルで撮られ、その労働者の街の雰囲気、匂いまで感じます。

ロッキーやシンデレラマンやレイジングブルやいっぱい楽しいボクシング映画はありますが、このぐちゃぐちゃな家庭環境こそがこの映画の見せ所。

クリスチャン・ベールの役作りやりすぎ!と思っていたらエンドロールの後にご本人が出てきて、あらら忠実な役作りだったのねというオチw

今日はここまで。



主役はお前だ、いいな、取りに行け。 俺はしくじったがお前なら取れる。 分かるか、這い上がるんだよ。 今までの苦労も、辛さも、クソみたいな思い出も全部リングにぶちまけて来い! これはお前の試合だ、お前が主役なんだ! 
/「ザ・ファイター」より













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