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東北全県鈍行一人旅、秋田山形宮城

※写真やリンク先は、これから追加!

7月7日(金)

毎朝違う場所で眠るので目覚めて数秒、「ここはどこ(何県)?」になる。秋田ですよ。集落を散歩。地元の人にインタビューできたらと思ったけど、村人1は大声で挨拶しても聞こえず、村人2は家に入ってしまい、空振り。

人よりも、ネコ多し


「那須で会おう」と約束し、鳥海山に登る二人を見送る。私も8時台の電車で出発することにし、宿主R君に駅まで送ってもらう。
宿は近所の子供たちの遊び場にもなっていて、R君の夢は彼らが将来、宿でバイトしてくれることだそう。彼は「(世の)少子化は仕方ないと思う」と言い、私はそれに勝手に打たれる。
町の少子化をなんとかせねば、と熱くなりかけてた。学校現場でも町づくりでも、熱くなると自分を削り、人とぶつかる。新しい私は
…自分を一番大事にして、敵は誰もいない…だった。危なかった!


R君に、山形市の老舗ゲストハウス、ミンタロハットを紹介される。
ここでチョイスは3つ。
1、山形に泊まる 2、山形から1時間半の、実家の仙台に帰る 3、那須に帰る。
宿泊費4500円を考えると断然、2。ガラケーの充電器を失くして残量わずか、を考えると3。
なんとなく1を選び、メールで当日予約を入れる。予感がケチや無難に勝つようになった。
山形に向かう車両がなんと、小学生満載(旅初日のアジア人満載、に続き)!特別支援学級エリアを選んで座る。先生のお一人が「すみませんうるさくて」とおっしゃるので「究極のパラダイスです、神に感謝しています」と宣教師みたいな返事をする。
先生は黒磯に親戚がいて訪ねたい、と。黒磯・那須おすすめ場所をメモして渡す。
先生の隣の男子に「栃木って知ってる?」と聞いたら「餃子!」大好きなんだって。
彼とハイタッチして、みんなに手を振って泣きながら下車。

子どもとだと遠慮なく「大好き!」を表せ、返ってこなくても平気。そうか、大人からは、返ってこないとがっかりするんだな。

ALTとして全学校全学年を教えていた時、町のどこでどの子に声をかけても怪しまれないという、町ごとパラダイスが実現した×6年(長続き仕事新記録)。最近はその意識を、大人にも向ける練習をしている。手応えあるけど、通じない相手が、確かにいる!!

鶴岡の、藤沢周平記念館へ。この旅のテーマ、江戸でもあったな。

借りたロッカーがラッキーナンバー29でうれしい


この1、2ヶ月、青山文平さんの江戸小説を何冊も読んだ。ものすごくリアルで深い。身近にすぐ死があり、悩みとか家とか覚悟、友情が、現代の比ではない。
藤沢周平作品は、映画くらいでしか知らないので帰ってからの課題。彼のこだわりはとにかく「普通であること」だったそう。技(文)はとことん磨き、生活では普通の夫・父親。かくありたい。
授業での歴史はあまり残っていないけれど、物語や映画は強い。
伝えたいことー那須や英語や森暮らしの、物語を書くのもいいなと思った。

父の本棚は江戸ものだらけで、またしてもDNA発動してしまった。
仕事転々、なのも顔が濃いのも歌が素人+αなのも高校時代演劇部で同じ劇(絵姿女房。彼は美人妻役で私はバカ殿)を演じたのも男はつらいよがバイブルなのも、反発しながら似てしまった。

父の本棚@実家


記念館の手前の「鶴岡偉人館」(無料)にも、はまった。鶴岡の偉人の質が、なんだかすごい。各地でこういう資料館があるといいな。

バスが5分遅れて電車に乗れず、山形到着予定が数時間遅れる。そろそろ「遅れていいってことだな」と悟ればいいのに、じたばた走ったり悔やんだりした。

駅で乗り換え待ち1時間。観光はいいや、と駅付近を歩く。構内に電車で遊ぼうコーナーがあり、そこで出会ったのが。ひとせ君、4才くらい。
すぐに一緒に遊び出した。というか、ひとせ君が色々と教えてくれて、途中で向こうにいるおじいちゃんに挨拶したりお互いの名前を言ったりという社会的なことをした。
「なほちゃん」と呼ばれ、溶ける。待ち時間が、彼との待ち合わせ時間になった。


山形駅着、20分ほど歩き、18時頃宿着。
一人部屋、お風呂、食べ物飲み物、自由に使えて豊か。
各ゲストハウスはシャワーonlyだったので1週間ぶりに、お風呂に入る。

ゆんたくタイム、宿の人やゲストが作ったご飯が色々と出る。寄付制。
部屋には15人くらいいたかな。うち一人(お名前忘れて仮称E氏)、2ヶ月前に会社を辞めて旅をしている。映画を作りたい。元サッカー部!

小国市の協力隊で宿の常連のK君、弾き語りを緊張しながら発表。
Junosのライブで衝撃を受け、1年間練習してきたという。
それを聞いたE氏、「最高。ギター弾きたい。いつかK君とユニット組みたい」。
叶ったらすごいことだ。音楽の伝染病。
職業を「歌手」と書いた手前、私も1曲歌う。反応は不明(笑)。
宿主ひでさんギター、スタッフKちゃん振り付け曲も。

アメリカから女子2人。早稲田に短期留学中で週末ごとに旅をしているそう。
英語に自信がないE氏にヒントと励ましをあげて自分でトライしてもらったら。
身振り手振りの英会話にハマり、彼女たちと明日一緒に出かける約束を取っていた。
これが起きるから私は、交流の場で通訳はしない。
自力で橋をかける楽しさを奪うのは犯罪(笑)。
ある意味つなぎ役に満足し、早めに寝る。

7月8日(土)
7時起床、リビングに行っても誰もいず(初めて見る青年が一人)すること思いつかず、部屋でテレビなど見る。旅で初めて、風が止まった。雨だし、観光する気にもならず。午前のうちに仙台か那須に帰ろうか、でも傘をなくして駅まで歩くのどうしよう。

朝食代わりに何か飲もうと、再度リビングへ。
さっきはスルーした「初めて見る青年」R君に話しかける。
結果、山形は、彼との待ち合わせだったよう。
東京出身、小学校から学校に行けず、「行けばいいことあるよ」と言われてミンタロに来てみた。夕べのような盛り上がりにはついていけず、朝にスタッフ代わりにリビングにいるそう。できすぎな弟がいること、社会の中で葛藤しながら今まで、が共通点。

私、幼稚園初日から社会が無理とわかり(逃げ出して園長により捕獲)小中と辛かったのに、学校に行かないという選択は思いつかなかったから、細く険しい道を選んだ人を、先駆者と思う。
もっと話がしたいけどいい?一応聞いたけど、彼は嫌ならここにいない、という信頼があった。携帯の充電問題も解決してくれた。

11時、やっと皆が降りてくる。車1台でラーメン屋に行く予定だそうで、空きがあれば私も行きたいと言ったら「行けるといいな」とR君。ずっしり。
行けた!宿主ヒデさん、弾き語りK君、常連さん、R君と私。ラーメン消費量日本一の山形でもおすすめの「里味」へ。
雨の中、車で駅に送ってもらう。山形市観光、0!悔いなし!

午後3時、仙台駅からそのまま那須への電車に乗るのが無難。
でも実家に2時間だけ寄った。父母、お世話になった弟&甥に旅の報告をする。
寄ってよかった。

母から、ねぎらいの抹茶


仙台駅で、元生徒の弟K君の奥さん(歌手)にバッタリ。びっくり。
7日間限定切符、7日目をフルに使って那須に戻る。

福島駅を過ぎた頃、空いた電車で向かい側に、サッカー部の可能性90%、の青年が座る。神さま、私で遊びすぎです!と思い15分ほど葛藤したのち、イヤホンをしている彼に、これを見せた。

思いきった。



うなずく彼。成り行きで、この旅&人生の各所にサッカー男子がいた話をする。
彼ー大学1年サッカー部ーは、旅に憧れていて、バイト代を貯めて来年go、の予定と言う。お得切符情報、那須のおすすめスポットなどお伝えする。
お互い名前も知らないまま郡山駅で下車。よい旅を!

那須着。いよいよ旅終了、と思ったら駅の前で、小1から関わった男子20才ナウ、にバッタリ。かつてないコメントをされて衝撃を受ける。
夫(仮)が迎えに来てくれました。畑も台所も、守っていてもらえました。旅を経て「自由」と「応援」を真ん中に置いた新しい二人の在り方も、また進んだような。
旅のダイジェスト版を報告。私の運縁勘、やっぱりすごかったよ。

1週間ぶりにインスタを開けたら玉手箱で、旅先で出会った人からのメッセージが転がり出た。新しい宝。
これからゆっくり、眺め直す。

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